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☀星空ハンターのための天気予報☂ 【星空撮影入門 1】

星空撮影に適した天気、じつはけっこう奥深いものなんだと思います。

「とにかく快晴がベスト」なのは、当然のこと。
し か し (!)、それだけでは済まない、いろいろ悩ましい要因が絡んでくるのです。

今回は、これから星空撮影にチャレンジしたい初心者さんにも納得していただけるように、星空ハンターのこだわりの天気の読み方を、ご紹介してみましょう。

0)【前提】求める条件

◎星の光を邪魔するものが できるだけ少ない
◎観察/撮影に心地よい

これらは当然のこと、って思いますよね。
し か し!! 具体的に解きほぐしていくと、どうしてなかなか、奥が深い考察になっていきそうです。

1)雲量・風量

星を撮影するとき、基本的に空は「雲ひとつない快晴」であってほしい。「雲がちょこっとある、まあまあの晴れ」じゃ、ダメなんです。

実際のサンプルを用意してみました。
これらは、両方とも天気としては充分「快晴」と呼べる夜に撮影したものです。しかし・・・

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左側の写真では、目では見えないほどだった薄い雲が写り込んでしまっており、細かな星々の美しい光の模様が台無しです。

そして右の写真は、微かに見えていた天の川を捉えようとした写真なのですが、下に見える白い雲の塊が、圧倒的な明るさ(!)で、完全に主役を喰ってしまっています。

昼間の空なら「雲も、空の表情のうち」なんて言えそうですが、夜空では雲圧倒的に明るすぎて、とても星を引き立ててくれるような存在にはなってくれません。

あと、風は強すぎるとカメラがブレやすくなってしまうので要注意です。長時間露光で撮影する場合、ブレは大敵ですからね。
ただ、少しくらい雲が合っても、その雲が流れやすくなるので、風の強い日は、お目当ての天体や星座が顔を出す確率が高まる、と考えることもできる一面も。

そんなわけで、雲ひとつ無い快晴を期待できるかどうか、普通の天気予報だけではなくて、雲の動き風向きなどの予報も、下調べの段階ではしっかりチェックしなければならないのです。

雲量予測についての情報源は、例えばGPVSCWWindy.com など。

日本気象協会が発表している 星空指数なんていうものもありますが、これはあんまりアテにならないかなー、という印象。

2)季節

見える星(季節の星座)に加えて、空の状態(晴天率や、水蒸気の少なさ)が関係してきます。

選ぶとすれば、空気が澄んでいることが多く、一等星もたくさん見られる冬 が、良いですね。

でも、もちろんほかの季節もそれぞれ魅力があります!

大きな星座がいくつもあって、ゆったりした印象。夜ふかしすれば天の川観察にはベストシーズン!

は、やはり夏の大三角を始めとする明るい天体が多く、天の川も観察しやすい時間帯に見られるのが良いですね。寒さの心配がないのも大きい。

は、ペルセウス座~カシオペヤ座あたりの星の連なり(秋の天の川)が繊細で美しく、個人的には一番好きかも。

季節を選ぶ、というよりは、それぞれの季節の星空の魅力を知っておくことが大事ですね。

3)月の満ち欠け

星がよく見えるためには、月明かりが眩しくならない状況が理想的です。

新月あたりなら間違いないですが、多少新月からずれていても、月が沈んだあと or 昇ってくる前であれば大丈夫。

一応整理しておくと、新月の直後は、細い月が夕方の西の空に沈んでいきます。また、新月直前は、明け方に東から昇ります。太陽からあまり離れていないので、夕方・明け方でなければ月は見えませんし、そもそも細い月はそこまで眩しくありません。

月の満ち欠けは、ネットで調べれば詳しい情報が簡単に得られます。例えば

日の出・月の出カレンダー
各地の暦(国立天文台)

または、旧暦の情報が記載されているカレンダーを買っておけば、自動的に満ち欠けの情報もついてきますね。ワタシも、普段使いのカレンダーは、満月や新月の日にちが書いてあるものを選んでおります。


4)星の巡り(天文現象)

月の満ち欠けに加えて、普段から気にしておきたいのは「惑星の巡り」や「流星群などの天文現象」。 つまり、いつ星空の見どころがやってくるのか、タイミングを逃さないようにしよう、というわけですね。

金星木星、そして接近中の火星(2020年も!)などの明るい惑星は、星座の星以上に目を引きます。また、流星群の時期ならば、流れ星の撮影も狙いやすくなります。

取り急ぎ、2020年の見込みとしては、これから木星(夏~秋)・土星(夏~秋)・火星(秋~冬)が見頃を迎えます。なかでも
・9/25 木星・土星月が接近
・12/13 細い月
金星大接近
・12/17 木星・土星
細い月が接近
・12/22 木星
土星大接近
などは、望遠レンズでぜひ狙って見たいところ。

そして、流星群のほうは、12/13-14あたりにピークを迎えるふたご座流星群の条件が、今年はかなり良い!!ので、流星撮影を目指したい人にはダントツでおすすめです。

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注目の天文現象に関する情報源は、アストロアーツさんが充実していて見やすいですね。メールマガジンもぜひ登録しときましょう☆

5)曜日

月曜日は月が、火曜日は火星が・・・という話ではなく^^、街明かりの量が曜日によって地味に変わってきますよ、というお話です。

みなさん、夜に出かけるのは何曜日が多いですか? その答えが、そのまま夜の街が比較的明るくなりやすい曜日となります。

やはり金曜や土曜は明るくなりやすいですね。そして日曜の遅い時間帯や月曜などは街の明るさがやや控えめで、星空撮影に比較的向いている、と言えそうです。

特に、人が夜の街に繰り出していそうな早い時間帯の場合は、曜日の違いも無視できません。


6)前日・当日日中の天気

なぜ関係するのか、ちょっと分かりにくい項目かもしれませんね。これは、空気中のチリやホコリの量に関係します。

前日、あるいは当日の日中に雨が降り、その後、夜になって晴れ空が広がったときが最高ですね。

逆に、花粉やPM2.5が多かったり、湿気が多くてモヤがかっているような日は、たとえ雲がぜんぜん無くても、微かな星の光はだいぶ霞んでしまいます。

とりあえず、”日中に雨が降って夜には晴天が広がる” なんて天気予報が出ているときには、夜空の星の輝きに大いに期待しましょう^^


まとめ

だいぶ長くなってしまいましたね。

冒頭で、星空撮影に向いた天気の条件として

◎星の光を邪魔するものが できるだけ少ない
◎観察/撮影に心地よく、都合が良い

と書きましたが、「星の光を邪魔するもの」は、雲だけじゃなくて、月あやかりや街明かり、空気中のゴミやチリ・湿気の量、など、けっこう色々関係してきます。

また、星空の見どころも、毎年共通のもの(季節の星座や流星群)と、その年ならではの現象(惑星の接近など)と、それぞれあります。

ま、これら諸々、、少しずつ体感的に覚えられるものなので、あまりご心配なく。星空撮影に慣れてこれば、色んな天文現象や天気の状況に、勝手にソワソワするようになってくるはずです。

そんなわけなので、自分なりに色々勉強したり情報チェックしたりしつつ、まずはどんどん撮影経験を積み上げることを優先しましょう☆彡

P.S. お借りしたトップ画像について

yumenotamagoさん作の、シンプルでかわいい「てるてる坊主」をお借りしました。

( 星空撮影にチャレンジする人は、てるてる坊主に過大なお願いをすることになってしまいそうですね😅)


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