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僕がウェディングフォトを撮影する理由

僕が今ウェディングフォトを撮っているきっかけみたいな話をひとつさせてください。

写真撮影を始めた頃、東京駅の和田倉門でウェデイングフォトの撮影をしている方を見かけたんだけど、カメラマンさんを見ているとすごい至近距離で、ド正面からクリップオンストロボをバシャバシャ焚いていて、ビックリしたんですよ。
そんなん出来上がり見なくてもどんな写真になってるか一目瞭然じゃん。なに考えてるんだろうって思ったのを今でも覚えてます。
でもさ、撮影が終わったら被写体の新郎新婦さまはありがとうございます!ってすごく嬉しそうにしてたんだよね。それが可哀想でさ~~😭

いやウェデイングフォトって体験も大事だから、写真のクオリティがすべてではないし、お客さまが満足されているならそれで良いのかもしれない。絶対の正解の写真なんてない(あるとすればお客さまが満足する写真な)わけだし。
でも、すごいモヤモヤするよね。それでいいのかって。

ウェデイングフォトって非常に特殊な世界で。
例えば広告写真は写真のクオリティがすべてなので。スポーツもネイチャーフォトも。
基本的に下手なカメラマンは淘汰されていなくなるはずなんだよね。
でも一般のお客様が相手だと、必ずしも相手が的確な目利きをできるとは限らないし、特にウェデイングフォトなんて大抵の人が一生に一回で、スタジオの比較なんて中々できるわけではないので。

正直言って、そこにつけ込んだ商売をしているスタジオもあるしね。
下手なカメラマンが来るならまだいいけど、メイクさんが撮影してるスタジオとか(いやいやプロフィールとかならいいんですよ!でもウェディングだよ?)お客さまをナメてるにも程がないか?
バレなければいいのか?どうせ一生に一回でクレームも言ってこないだろうと思ってるのか?
いやいや、一生に一回だから後悔してほしくないし、楽しかったって思ってもらいたくない??

それでいうともうひとつウェデイングフォトが特殊という部分があって。
上記のとおり広告写真とかは写真のクオリティがすべてだけど、ウェデイングフォトは体験もすごく大事な要素で。むしろ誤解を恐れずに言うと、この分野は写真のクオリティよりもホスピタリティの方が大事だとすら僕は思ってて。

ウェデイングフォトって写真を撮る仕事だけど、それ以上にめちゃくちゃサービス業なんですよ。
どんなにいい写真を撮っても、あそこのスタジオ感じ悪かったねって言われたらゼロ点だし、楽しかったねって言われて初めて価値があると思ってて。……でもねー、ほんと色々なカメラマンさんがいるんですよ。お客さまの話を聞いててもね。

要望を伝えたら、そんなん楽勝っすよ~って言って、ひどい写真が上がってきたとか(軽い)。
お客さまの前でスタッフを怒鳴り散らすとか(お客さまが帰ってからやれ)。
某撮影スポットで撮影していたカメラマンさんに、この後ここ撮影される方誰かいらっしゃいますか?って尋ねたら、それはあなたが判断してくださいって返すカメラマンとか(意味がわからん)。

スタッフに怒鳴るのが良いか悪いかは置いておいて、少なくともそれをお客様の前でするっていうのはどういう感覚?
僕らにとっては月何十件撮っていても、お客さまにとってはその一度が大事なわけで。それはウェディングフォトに限った話ではないけど、もう歩けない、最後かもしれないって高齢のペットを連れて来られる方もいるし、生まれたばかりですぐ成長してしまう赤ちゃんの今を撮りたいってお客さまもいる。
お客さまにとってはその後もずっと残る写真なんだって、それを意識できない人がこの業界で写真を撮っちゃいけないと思うんだよなあ。

てか撮らないでほしい。
僕はこの仕事が大好きで、命かけてるし、僕だけじゃなく知り合いのカメラマンもウェディングフォトに真剣な人たちばかりなので。
お客さまは事前にカメラマンの人柄をわからないわけだし。

ってこう見るとウェデイングフォトってお客さまにとってすごい不利なシステムだよなあと、あらためて思ってしまった。
というわけで僕はそういう不幸なお客さまが少しでも減ればいいなって気持ちで撮影してるわけです。

おわり。

当スタジオはハンドメイドの小さなスタジオです。お客様のご要望に合わせた出張撮影もいたします。この場所で撮影できますか?などあればお気軽にご相談ください。https://starry-wedding.jp/

※ちなみに誤解のないように言っておくと、僕はお客さま最優先だし、お客さまに気持ちよく帰ってもらいたいとは思ってるけど、かといってお客さまの要望ならなんでも受け入れるわけではないし、大量の要望とかめちゃくちゃ細かい指示とか出されても困るので悪しからず。

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