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映画『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』

2013年/製作国:アメリカ/上映時間:83分
原題 Finding Vivian Maier
監督 ジョン・マルーフ チャーリー・シスケル



予告編(日本版)


予告編(海外版)


STORY

 2007年、アメリカ。シカゴ在住の青年ジョン・マルーフは、既に故人となっていたヴィヴィアン・マイヤーという女性の撮影した写真の大量のネガ・フィルムの詰まった箱を、オークションにて380ドルで落札する。そしてその一部の作品を自身のブログに掲載すると、全く無名のヴィヴィアン・マイヤーの作品は予想だにしなかった熱狂的な反響を得ることとなる。
 写真界の歴史を揺るがす可能性を秘めたその発見に、多数のメディアも絶賛。写真集が発売されると全米売り上げNO1を記録。パリ、ロンドン、ニューヨークにて開かれた展覧会は大盛況となる。
 
 謎の写真家ヴィヴィアン・マイヤーへの興味をかきたてられたジョンは、彼女の本格的な調査を始めることにする。なぜ、乳母だった彼女がカメラに興味を持ったのか? なぜ、15万点以上もの作品を生前1枚も発表しなかったのか?
 
 さまざまな謎を追い求めた果てに辿り着く、一人の女性の姿とは?


レビュー

 本作とは昔、「TSUTAYA」の新作コーナーにて出会いました。
 冴えない表情の中年女性のセルフポートレイトに目を奪われ、何気なくDVDのジャケットを手にし解説を読むと、

 その才能は謎の扉の奥に ー
 彼女の作品が発表されていたら、20世紀の写真史は変わっていたかもしれない ー
 そのミステリアスな生涯と、発見に至るまでを描いた奇跡のドキュメンタリー!

と記されており、正直「それはちょっと過大な宣伝文句なのでは…」と思いながらジャケットの裏面を確認すると、そこには小さく記載された3枚のモノクロ写真がありました。
 それを見た瞬間、「ヴィヴィアン・マイヤー」の写真に恋をしました。
以下、忘れもしないその三枚。
 

 さらにジャケットの裏面には、次のように記されていました。

奇跡は、ある若者がわずか380ドルで落札した
ネガ・フィルムの詰まった箱を手に入れたことから始まった。
2007年、シカゴ在住の青年ジョン・マルーフがオークションで大量の古い写真のネガを手に入れた。
その一部をブログにアップしたところ、熱狂的な賛辞が次から次へと寄せられた。この奇跡を世界の主要メディアが絶賛。
発売された写真集は全米売上No.1を記録、NY・パリ・ロンドンでいち早く展覧会が開かれるや人々が押し寄せた。
撮影者の名はヴィヴィアン・マイヤー。
すでに故人で、職業は元ナニー(乳母)。
15万枚以上の作品を残しながら、生前1枚も公表することがなかった。
ナニーをしていた女性が、なぜこれほど優れた写真を取れたのか?なぜ誰にも作品を見せなかったのか?

レンタル用DVDジャケットの説明文より

 読み終えた私は、軽くパニックになりました。
 一瞬で人の心をつかむ技量を持つ写真家が「15万枚以上の作品を残しながら、生前1枚も公表することがなかった」とは、一体どういうことなのか……
 全く訳が分かりませんでしたし、その理由を想像することすら出来ませんでした。
 ※その後迷うことなく中身のディスクをジャケットから抜き出し、夢遊病のような足取りでレジへと向かったことを覚えています
 
 劇中に登場する写真は何れも素晴らしく、ジャケットに記載されていたうたい文句は過大評価などではなかったこともわかり、高揚した気持ちに頬を赤く染めながら、夢中になって鑑賞しました。
 鑑賞後は複雑な感情や想いが押し寄せ、ソファに横たわり、かなりの時間物思いにふけりました。
 
 まさに「奇跡の物語」であり、「奇跡の写真(作品)たち」でした。
 
 「ヴィヴィアン・マイヤー」。
 もしまだ彼女の写真に出会っていない方は、秘密の扉の向こう側を、ちょっと覗いてみませんか?
 その奥に広がる世界に、あなたの一枚を探して…


Mayerの作品たち(ほんの一部)


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