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映画『不射乃射(ふしゃのしゃ)』

1988年/製作国:日本・中国合作/上映時間:25分 
原題
 Archer without a Bow
監督 川本喜八郎
製作 クヮン・アイユー
撮影 チャオ・ユァンチェン/田村実
美術 川本喜八郎/チャオ・ホン/リュウ・ヤンシン
音楽:チン・フーツァイ





STORY

 弓の道を究め「天下第一の弓の名人」を目指す一人の男「紀昌きしょう」の、弓にかけた生涯を描く。
 果たして紀昌きしょうは「天下第一の弓の名人」になることは出来るのか。そして弓の究極の奥義とは?


レビュー

数年前から、私の中で「喜八郎」が熱い。


 本作は中島敦の小説『名人伝』を元に制作された人形劇で、子どもから大人まで終始ニコニコしながら楽しく鑑賞出来る傑作です(生真面目を追求すると、極上のコメディになるという典型)。
 
 物語は、紀昌きしょうの弓を究めるまでの道のりと、その後にゆき着いた究極の境地が描かれますけれども、楽しい記憶と深い感銘を、観る者の心へと残します。
 
 前半、女性は間違いなくドン引きしてしまう場面が多々ありますけれども、そこをなんとか乗り超えて最後まで鑑賞していただけましたら、中盤からラストにかけての怒涛の面白展開を笑顔にて楽しんでいただけると思います。
 そして人によっては、喜八郎の生み出す奥深く美しい世界を、大好きになってしまうかもしれません。
  人形も、その表現も素敵ですし、人形好きには、たまらない作品と思います。
 
 

その他、思ったこと(ネタバレあり)

 相方さんはいったい「紀昌」のどこに惹かれて結婚したのでしょう・・・
 顔と弓の腕前に惑わされたのかしら・・・
 いずれにしても若くして、弓の名手にハートを射抜かれてしまったゆえの(若干残念な)人生であったと思います🏹💘👩
 しかしよく考えてみますと、前半は最悪だったかもしれませんけれども、中盤から終盤にかけては、案外幸せな結婚生活だったのかもしれない・・・。とも感じるのでした。
 
 
 
 『不射乃射ふしゃのしゃ 』の極意。
 notoの記事に例えると、
 
「記事を記せずして、読者のハートを射止める」
 
みたいな境地なのかな。
 文字を一文字も書いていないのにコメント欄に、「素晴らしい記事をありがとうございました!」とか、「凄く楽しかったし、ためになりました!」とか、「私も頑張ります!」等のコメントが溢れ、「スキ💗」は乱れ飛び、価格設定だけしておけば有料記事が飛ぶように売れてゆくという。
 
 それは「天下第一の記事の名手」のみが、たどり着くことのできる境地。
 
不記乃記ふきのき

 
 ※私も「noto道」を極めんとしてみようかしら・・・


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