今まではできなかったけどこれからしていく。

誰のためにも頑張らなくていい。

やりたいことをやりたいようにすればいい。

結局そう言われるし、そうだと思う。『嫌われる勇気』が大ヒットしたのも、りゅうちぇるが魅力的なのも、“それでも、いいのか”と思わせてくれたからだ。

私は、子どもを二人産んでから、食べるもの・着るもの・行く場所、選択してきたのは自分だけど、自分ひとりのことだけを考えて成り立つことはできなかった。やりたいことを、やりたいようにはできなかった。

例えば、食べたいものを食べる。ひとりだったら、今はこじんまりした静かなカフェの隅っこの席に座っておしゃれな身なりの女性を眺めたい。ホットコーヒーだけでいい。実際、子連れではこじんまりで静かはちょっと引いてしまう。一杯500円のオレンジジュース。食べれそうなものは正直ない。

家では、子ども達が幼稚園に行ってる間にスーパーへ買い物。鮮度と旬を大切に、夫も私も辛いものが好き。夕飯の仕込みをして置いていざ作り始めたら所要時間は30分♩子ども達の残り物でお腹いっぱい、料理中も遊んでと言う娘をあしらいながら結局集中できずに作った料理、食事中でも子どもが気になって、早食い。

着たい服を着る。店頭でウキウキときめきながらピンときたものを試着。試着室でも小声で「かわい〜♩」と言えたものを購入!店員のお姉さんも可愛いなぁ。実際、店頭へは行けず(行っても帰りたい〜遅い〜と言われながら急いで選ぶ。お姉さんの顔見てないや。)もっぱらネットショッピング。時短勤務で収入減、子どもに関わる他出費のことも考えできるだけ安価なものを。

行きたい場所に行く。これはもう、一人の時とは完全に違う。イヤホンで好きな音楽を聴きながら、何も考えずに窓の外を見る。そういえば私は、電車から通り過ぎるときにカーテンが開けっ放しで家の中が見える瞬間をこよなく愛す。ここに自分と全く違う生活・人生がある、と胸がキュンとする。私も頑張ろうとさえ思える。

そのような胸キュンタイムは皆無で、意を決して!準備を怠らず!重い荷物とベビーカーとともに。電車ではぐずることにドキドキしながら、エレベーターを探しながら、上の子のトイレを気にしながら。子連れで来るのはちょっと…と思われるような場所は、やっぱり子どもにとってもお母さんが自分に集中できない場所なので我が子が別人と化しどう扱っていいかわからなくなる。

多分、殆ど全てのお母さんが経験していることで、お母さんたちの中ではあるある中のあるある、この他にも無限に例を出せる。

子育ては楽しい。子どもは世界一かわいい。その一言では言い表せないものがSNSのママアカウントには溢れている。私の場合、自分は今、ここに確かに在るのだけど、自分と向き合うことに不慣れになってしまい、いつの間にかわからなくなった。

夫や家族に助けを求めず、自分の力で乗り切りたい。そう強く思ってなくても乗り切ろうとしちゃってるお母さんたち。心が完全にすり減ってしまうまでは、割と楽しそうに振る舞うのが、とても上手なお母さんたち。

自分が自然と好んでしていたことって、必要だった。

いざ向き合う時間ができたら、自然と好んでしていたこともわからなくなっていたことに気づく。乳児のワンオペ育児と仕事の両立の渦中にいるときは、そんな自分にさえ気づかず、毎日どうやって過ごしているのか友人に話したら「それじゃあ私自身の心はすり減ってしまうね。」ととても切ない顔で言われてハッとした。


子どもたちは、誰かにすごいと言われたいから頑張るということが一番上にないといいなと思う。

遊んだり本を読んだり絵を描いたりしているときのまっすぐな目。声をかけても知らんぷりなのはわざとじゃない。(わざとのことも、ある)

その姿は、勝手に口角が上がってしまい、いいぞいいぞ!と応援したくなり、とにかく、美しい。


そんな子どもたちのように、もっと自由に働きたい。朝からステーキを食べたり高層ビルのてっぺんに住んだり月一海外旅行に行けるくらいお金はいらないけれど、毎日楽しくお金を使いながら生活がしたい。貯金もしっかりしたい。たまには家族で旅行に行きたい。困っている誰かがいたらそっとお金を渡したい。やっぱり誰かにすごいと言われたい。

フルタイム勤務は育児中の今、もうできない。もうしないと決めた。子ども達のことをできるだけ優先したい今、両立してできることじゃないことはもうわかってる。自分が現場に戻って、手抜きはできないことも、パートとして働き遅く来て早く帰るときの正社員達の心も、知っている。ここでもまた、誰かに褒められることを求めているのか。

圧倒的努力というものをしなきゃお金って手に入らないのかな。そもそも他人からみたら圧倒的努力なだけで、本人は努力だなんて思っていないのか。

私にとってそれは、何なのだろう。

これからどんどん明らかになっていくのが、本当に楽しみ。



母たちを、子どもたちを、私も応援します。