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文学フリマ東京38参加レポ

去る5月19日(日) 文学フリマ東京38が大盛況のうちに終わりました。

出店者として参加しましたが、目を留めてくださった方、見本を手に取ってくださった方、フリーペーパーを持ち帰ってくださった方、お買い上げいただいた方、そしてこれだけの大人数が絶えず行き来する会、大きな混乱をきたすことなく、サイレン鳴らして走るような車が来ることもなく進行してくださった運営の皆様、本当にありがとうございました。おかげさまで無事、閉会まで楽しく過ごすことができました。

振り返りとか買った本とかについて書きます。アホみたいに長くなったのでよかったら目次見てつまみ読みしてください。


次回に活かしたいこと

開場の残り時間半分くらい過ぎたころ、夫婦で通り過ぎた方のうちご婦人が「あっ!カワイイ!!」とでっかい声を出しながらブースに近づいてきてくださった。
目の前までいらしたご婦人の第一声、
「なんのソフトで作ってるんですか?!」

表紙のこと…かな、だろうな、と汲み取って「"GIMP”っていうフリーソフトです」と応えるとご婦人、
「え?ジンプ?」

あ、ご存じない。そう?そんなにマイナーなソフトかな?と思いつつ、「ギンプです、ギンプ」と返しながらスマホで検索してGIMPのアイコンを見せてあげた。
「へぇ~~」と私のスマホを数秒見つめたのち、見本棚にある「甲状腺を半分取って9か月後に卵巣まで手術しました」と「縁環のキリトリ」をかわるがわる手に取ってぱらぱらとめくったご婦人、
「写真を入れてるんですか??」

この人、主語ねぇな。まぁ、うん。まぁ。表紙?表紙のことだよね?
「そうですね。写真を入れてます」
……写真じゃなかったとして、ほかにどう見えるんだろう。

「こちらはいくらですか?」

あ、主語あった。今度はあったよ。わかりやすい!手にしている「縁環のキリトリ」の値段を伝える。「800円です」

「はっぴゃくえん?!」

あ、戻した。見本、棚に戻したね。うん。

「800円…800円かー。あれっ、でも、これ、表紙のタイトル違いますよ?『絶対うなぎは食べたい』じゃないです」

縁環のキリトリ ポップ

『ね?だから値段も間違いだよね?』という雰囲気を出しているご婦人に
あー。。と自分の失敗を悔やみつつ、「あ、それはポップで、タイトル入れたわけじゃないんです、分かりにくくてすみません」と謝った。

「……800円……はっぴゃくえん……」

ブツブツ言ってそのまま歩いていっちゃった。え?ここまでの会話はなに?私の独り言だった?Hey,Communication!

見本誌とポップのすぐ上にポスターを掲げていても、目の前に本誌が置いてあっても、伝わらなくちゃ意味がないのだ。「ここに書いてあるし」「これはポップだし」というのはこちら側の都合でしかない。”伝わること”を目的地にするなら、自分の考えはとりあえず端っこに寄せて、相手側の気持ちとかをとことん想像しなくちゃいけない。ポップにはタイトルを入れて、もっとわかりやすくするべきだなと反省しきりのできごとだった。


うれしかったこと

ちゃんと売れた

縁環のキリトリ:6冊
父を送る《改》:12冊
甲状腺を半分取って9か月後に卵巣まで手術しました:1冊
Weekly Star of BBA:3冊
四十九日の夢~父を送る《改》こぼれ話~:3冊

合計25冊も売れたのか!すごい。ありがたい。こんなに売れたのに、帰りに寄った居酒屋では夫に
「ポスターやポップは確実に読まれているけど、足を止めるまでには至らない。ポップやポスターへ書く内容にもっと工夫が必要なのでは?」
みたいな話をして
「なに、売れたいの?」
と聞かれてハッとした。売れることを目的にしてたわけじゃないはずだ。どんどん欲張りになっちゃうな。

感想もらえた

既刊もちょぼちょぼと売れたのがうれしかった。その既刊を購入いただいた方のなかで、「前の本も読みました。おもしろくて。家建てた本も、ほとんど読みました」と言ってくれた方がいた。「家建てた」は今、電子書籍のみで販売している、3年前の文学フリマ初参加で出品した本だ。

そんな前の本に言及してくれたことも、「おもしろくて」と言ってくれたことも、すごくすごくうれしかった。私からこの話を聞いた夫が「続けてきた醍醐味だね」と言った。本当にそうだなと思った。目の前で買ってもらう瞬間とか、こうして感想を聞くときに与えられる心の栄養ってハンパない。小さな生き物を胸に抱いたときのような、生身のあたたかさがずーっとずーっと心の中に棲みつく。

だからみんなもっと感想とかは遠慮なく作者に送ったほうがいいですよ。


文学フリマで買った本

文学フリマ東京38で購入した本をすべて並べた写真

買った本のラインナップ、緩急がすごい。
とりあえずまだどれも読んでいないので、買った経緯などの話をします。感想は、書ける範囲で書きます。


サークルクラッシャーが風俗嬢になって客と結婚するまで(774さん)

今回、webカタログはノンフィクションジャンルに絞ってチェックしたのだけれど、そこで見つけた。もうタイトルだけで購入を決めた。


はこんでころぶ(岡田悠さん)

以前からnoteでもフォローしている岡田さんが出店されるのもwebカタログで知って気になるリストへ。いつもnoteで書いているものをおもしろく読んでいるので、安心感のあるお買い物だった。無事に買えてよかった。


はじめての北国暮らしは掘りごたつ付きワンルーム(よさくさん)

noteのハッシュタグ「文学フリマ」の検索で見つけた「文フリ初陣日記」に書かれていることが『わかる~』一色だったので購入。表紙のお顔そのまんまの方がブースに立っていて楽しかった。「何をきっかけに購入してくださったんですか?」という過去のトラウマを思い起こすご質問に「えっとなんだっけえっと、たしか、note、だったと思います!」とシドロモドロに回答してしまい、ぜんっぜん話を膨らませられなかった。大人なのにごめんなさい。


アルパカとわたしのこと(なめみそさん)

こちらもnoteの「文学フリマ」ハッシュタグで見つけた出品者さん。

私は本当に短期記憶がヤバくて、なにがヤバいって、いろいろと忘れるだけじゃなくて”ない”記憶を創り出すところ。
このときもそうだった。webカタログに集めた「気になるリスト」を使って買い回りRTAをしているなかでブースを発見し、「あ、これだこれだ」って買ったのは「アルパカとわたしのこと」。
買い終えて、ハーやれやれとお釣りをお財布にしまった直後、自分がこの方をチェックしたきっかけは新刊の「14泊15日車中泊しながら北海道アルパカ旅」だったことを思い出した。『これだこれだ(いそいそと既刊を購入)』って、なに。
またやらかした自分にアワアワモジモジしているうち他のお客さんもいらして、結局、追加の購入を諦めてしまった。オンライン販売にお世話になろうかと考えている。


元カレが貯金返さず遁走し裁判をした愉快な話(どや乳さん)

これもnoteのハッシュタグ検索で発見。タイトルで決めたのはこの方と774さんだけ。こんなん絶対おもしろいでしょう。


ドーナッツが食べたい短編集(いのうえどーなっつさとしさん)

以前に「ドーナッツの無い短編集」を購入させていただき、今回の新刊情報をキャッチしてわーいと購入。ドーナッツそのもの、というよりドーナッツに欠かせないおいしいコーヒーのようなお話を書く方。甘いだけだとイヤになっちゃうところに欠かせない苦み。きゃっきゃウフフというよりはフフッ、ニシシと笑える本。が以前の「ドーナッツの無い短編集」の感想。今回も試し読みからバカバカしさが香ってきて楽しみ。


ここから宣伝です

◎今回出品した本をboothで通販しています。よかったらご利用ください。

◎amazonの電子書籍のお取り扱いもあります!紙の本よりチョットオトクです!
※新刊「縁環のキリトリ」は通販のみです

◎「文学フリマの第一回?なにそれおもしろそう!」ということで文学フリマ香川にも参加予定です。遊びに来てね。

◎初のビッグサイト開催となる文学フリマ東京38にも参加予定です。遊びに来てね。


長文にお付き合いいただきありがとうございました。


twitterの人に「ブログでやれ」って言われないようにアカウント作りました。違うブログで台湾旅行や入院や手術に関してお役立ち情報書いてます。よかったら見てください。 http://www.ribbons-and-laces-and-sweet-pretty-faces.site