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舞台『浦安鉄筋家族』千秋楽の感想

2021.07.18 劇団TEAM-ODACによる舞台『浦安鉄筋家族〜子ども大戦争〜』の千秋楽公演を観てきました。

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観ようと思ったきっかけは至ってシンプル。
推しメン・愛来ちゃんが出演することになったからです。

普段、ライブを見てるときは推しばかり観てしまう性格なんですが、舞台はストーリーがあるので物語の中心になってる人を見がちでした。
何公演も観に行けたら、そのシーンの中心から外れてる人たちを観るのも楽しいと思うんだけどね。
今回は千秋楽である1公演しか観れなかったので、そういうマニアックなことはナシで(笑)率直な舞台の感想を書きます。

感想

まず、キャラクターの個性が全員めちゃくちゃ強かった。そのインパクトが凄くて胃もたれするかと思ったくらい。笑
特にこの人……って何人か挙げようかと思ったんだけど、考えれば考えるほど絞れなくて無理でした!
1人だけ挙げるなら土井津 仁くんのお母さん(千代反田美香さん)かな。キャラクターへの憑依っぷりが凄まじくて(良い意味で)怖かった。笑

前半はコメディ色が強くて、正直「苦手なタイプのコメディかも」って思ってました。
下ネタが苦手なので、「ちゃんと予習しておくんだったなぁ」とか反省したりして。


けど、中盤から後半にかけて徐々に大人の締め付けが強くなる中で子供たちの笑顔が失われていって、子供たちも子供たちなりに悩みや葛藤を抱えている姿を見ているうちに、自然と舞台に引き込まれていきました。

子供たちは親のことが好きなんだけど、親の言うことを聞かずに遊び呆けてしまったりして、でもそれはとても楽しそう。
一方、親の締め付けが強くなってからは、親の言いつけを守って遊びも我慢して勉強をするのだけど、そこに笑顔はない。

親も親で、子供たちから笑顔を奪いたいわけじゃなくて、「立派な大人になってほしい」という愛情からくる行為だからこそ、子供たちも無下に突っぱねることができない。
親に言われたことを守ってるはずのに、親と子の溝は深くなっていってしまう。

合間合間に笑えるシーンがありつつも、そうして徐々に大人と子供の関係性が変わっていく様を観て、「うわ、すごいな、単なるコメディじゃ終わらないぞ」と没入していきました。

特に良かったのは、土井津 仁くん(塩﨑太智さん/M!LK)と仁ママ、そして真壁日向ちゃん(清水麻璃亜さん/AKB48)と日向父(小西啓太さん/TEAM-ODAC)のやり取り。
仁ママは相当な奇人で他の親と比べても完全に浮いてるのだけど、それでも仁くんは仁ママを庇ったりしてて、こんな親でも仁くんは仁ママのこと好きなんだなって感じられて切なくなった。
日向父は優秀なビジネスマンであるが故に、日向にも同じ道を進むよう求めて厳しくしてしまい、日向と心を通わせることができない。日向も「お父さんは嫌い」と言いつつもやっぱり父を嫌いになりきれない様子が切なかった。

そして終盤では、溜め込んでいた子供たちの鬱憤が爆発して「子ども大戦争」を宣戦布告。深夜に学校に立て篭もってしまう。
そんな騒ぎを聞きつけて学校に集まった大人たちに一人一人が叫んでいくシーンは観ていて迫力がとてもあった。

いや、フグオ(宮下雄也さん)の「アイティー八百屋にはなりたくない!」の叫びは笑っちゃったけど。笑

一人また一人と叫んでく中でどんどん感情が込み上げてきて、あかねちゃん(愛来/アメフラっシ)の叫ぶシーンでは込み上げてきた涙がダバダバ出て泣いた。

お母さんのことは好き。勉強だって嫌じゃない。でも、友達のことだって好き。友達と遊ぶことを取り上げないでほしい。
そんなあかねの真っ直ぐな気持ちが伝わってくる叫びでした。

最後、小鉄の叫びはちょっと言葉がクサすぎたかな。笑
さっきまでウンコばら撒いて喜んでた小鉄とのギャップがありすぎて笑っちゃった。

小鉄が大人に訴えかけたシーンで、大人たちは子供たちから自由を奪って締め付けすぎていたことを反省するのだけど、小鉄の父(鏡憲二さん/TEAM-ODAC)だけは地べたに座ってそっぽ向いてタバコ吸ってて全然小鉄の話聞いてなかったのが「子育てなんてテキトーだ」って言ってたキャラクターを一貫しててとても良い演技だなって思いました。


子ども大戦争を終えて、笑顔が戻った日常。
日向と父が笑い合うシーンがまた感動的で、日向の笑顔がとびっきり可愛かった。
こんなふうに笑う子だったんだ、ってなんだか親目線みたいな気持ちになったりして。笑

最後に小鉄が蹴飛ばした、缶蹴りの缶を日向父が拾って日向に手渡すシーン、とても良かったです。

愛来の演技

↑のストーリー以外で好きだった推しメンの演技シーンの話。

最初の登場シーン。
「お、出てきた!」と思った直後にウンコ踏んでコケたの笑った。
漫画みたいな見事なコケっぷりでした。笑

あかね、あかねママ(三浦祐香さん/TEAM-ODAC,五反田タイガー)、臨時校長(橋本全一さん)の3人のシーン。
教室のシーンでは少し優等生感があったけど、このシーンでは「あっかんべー」「キモメガネ!」と臨時校長を罵倒してたのが、そのワードチョイスも含めて小学生らしさが出てて愉快だった。
去り際に言うのがクソガキ感(褒めてる)があってニヤニヤしちゃった。笑

おわりに

カーテンコールで愛来ちゃんを見てたら、靴を脱いで畳に上がったり、座るときに座布団譲り合ったり、隣のキャストさんとニコニコしてたり、すごく楽しそうにしてて「本当に楽しくて良い現場だったんだろうな」って思いました。
そのあたたかい雰囲気がこちらにも伝わってくるようで、最後まで楽しかったです。

小鉄役のいとう大樹さんはじめ、TEAM-ODACの方々の最後の挨拶がまた感動的で、言葉の一つ一つが胸にくるんですよ。
コロナ禍で中々演劇ができない状況の中、クラウドファンディングでファンに支えてもらったこと。昔は路上で蚊に食われながら稽古をしてたこと。裏方として舞台を作り上げてくれた、まだ舞台に立ててない若い役者がたくさんいること。
15周年を迎え、次の20周年に立ちたい舞台があること。

アイドルも演劇も、境遇は凄く似てるのかなって。挨拶を聞きながら、自分の推しグループたちと重ねてしまう部分がたくさんありました。
みんな頑張ってほしいし、みんな応援したいなあって思いました。

舞台のアーカイブ配信があるそうです。
配信期間は7月24日~7月31日。
DVD販売もあるらしい?です。

楽しい舞台だったので、気になった方は、ぜひ。

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