SaaS 無料トライアルの"ポテンヒット"

こんにちは。

SaaSビジネスを提供する会社はほとんどが「無料トライアル」を設けているのではないでしょうか。今回は無料トライアルについて、自分の経験談と色々な人たちと話し・聞いたことをまとめました。(to B向けSaaSを提供する人たちを想定しています。)

無料トライアルには主に2つあり

・ユーザーがサービスサイトから直接申請できる「セルフサーブ型」

(to C向けのサービスのトライアルはほぼこれ)

・営業マンと直接話し無料トライアルのアカウントを作成してもらえる「商談型」
(toB向けが多い。ちなみに"商談型"のほかによい呼び方が分からないので教えてください。笑)

どちらも共通しているのは本契約前に期間限定で試せること。申込みを促すための施策であり最後の押しの一手。

しかし「いじってみたけどよくわからない・使えない」という理由で契約しないユーザーも実はかなり多い。(実体験ある人もかなりいるのでは?)

せっかく数あるサービスの中から自社を選んでもらいトライアルしてもらったのにも関わらず契約をしない。そしてこの無料トライアルをしたにも関わらず契約しなかったユーザーを再び検討に連れ戻すにはかなり難しい。


無料トライアルにおけるオンボーディング

サブスクモデルから産まれた職種/仕事である「カスタマーサクセス(CS)」という言葉はかなり一般的になったと思います。

彼らの職種はわかりやすく言うと「契約後の営業マン」であり、自社サービスをいかに長く、沢山の人たちに使ってもらうかをミッションとして持っている。KPIがLTV。

そこで言わずもがな、オンボーディングが非常に重要になる。

以下は僕らの営業資料のカスタマーライフサイクルのページ。
(弘子ラサヴィさんの『カスタマーサクセスとは何か』と神田昌典さんの『おもてなし幻想』を引用し組み合わせ、STANDSで作成)

図1

CSの行うプロセスとして必ずオンボーディングがあり、この成否でその後の継続率に響くことは有名である。

しかしながら、CSが当たり前の業務として行っているこのオンボーディングは、無料トライアルで行われていることがインタビューすると実はかなり少ない。正確に言うと、機能や使い方レクチャーなどは行っているがその後のフォローや進捗確認を追っているケースが少ない。

ではなぜこれが起きるか。これはSaaS特有の組織構造における「すきま」があるからと考える。


無料トライアルにおけるポテンヒット

前述のように、基本的にCSは「契約後のお客様」のためにいる。
無料トライアルをしているユーザーは未契約のお客様である。そのためCSの守備範囲外であることが多い。CSは一人で数十社の契約顧客を相手にしているため、リソースも有限であり基本的に忙しい。

では営業はどうか。フィールドセールスは外勤が多く、インサイドセールスは1日何件もの商談をこなしており、一社一社の利用状況の把握はなかなか難しい。本質的ではないが、CSほど自社サービスの管理画面の扱いに慣れていない人も多いと思う。


無料トライアルにおける一番の問題要因は、営業が"無料アカウントとりあえず開設"が多く、見込みがわからず誰がそのアカウントをフォローするのかわからないということが多い。

少し雑な組織の場合、営業からCSに「トライアルのアカウント発行よろしくっす!」と依頼しお客さんに渡したはいいがその後のフォローは誰がやるのか。

そのため無料トライアルは営業とCSの守備範囲の間であり、ポテンヒットが起きやすい構造にあります。
※ポテンヒットの意味はこちらから。:https://meaning.jp/posts/2419


無料トライアルこそテックタッチを活かすべし

◆サービス提供社:見込みが不明なユーザーすべてフォローできない。
◆顧客:やってみたけど使い方が分からない。(から契約やめようかな。)

こういった悩みの解決として、無料トライアルほどテックタッチによるオンボーディングが必要なのではないかと感じています。

自分自身も一度、あるMAの管理画面の使い方のお話しを聞いたことがありましたがやはり一度聞いただけでは操作方法は覚えられない。

その後1か月という期間で無料トライアルをさせてもらいましたが、1回レクチャー受けただけだと使いこなせず営業さんからも特に進捗確認なし。まぁ見込みが薄い客と思われたのでしょう笑。そのままアカウントは放置されている。(ちなみにアカウントはまだ入れる状態にある。。管理大丈夫か?)

僕みたいな、"無料お試しでこんな初歩的質問をしてお時間頂いていいんだろうか"と自らを情弱と認識していて、聞くことをためらう人も少なからずいると思う。

見込みが分からないけど無料トライアルアカウントのフォローは必須。そのため「テックタッチを活かし、価値を感じる最低限の機能を全ユーザーに利用してもらう」という"セルフオンボーディング"がこれからますます必要になると思うし、そういった原体験が僕の中にあって「Onboarding」というサービスをリリースしました。


ちなみに動画はこちら。(STORES.jpさんでアカウントとって試してみました)

上の動画を見るとわかりますが、お客さんの操作する横に、あたかもCSや営業がいてお客さんと伴走できる状態を再現することを目指しています。

そしてCSや営業間の"ポテンヒット"を削減し見込みを向上させること。この課題解決のテックタッチソリューションとして僕たちのサービスを活用してもらいたいと思っています。


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