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ちょうどよい運動とは
興味深い記事があった。
新型コロナ後遺症ーいま知っておきたい22のポイント 平畑光一。日本医事新報5240(2024.9.28)。
経験に即した話が多く、エビデンス的に微妙に感じるものもあった。
興味深いと思ったのは、新型コロナ後遺症ではなく、その中で紹介されていた運動療法についてである。
長くうつ状態が続いたり、易疲労感が続く人たちには参考になりそうなので紹介する。
すぐに体が鉛のよう
心療内科を受診した人の多くはすぐ治療を中断する
現在 普段働いている精神科病院以外で、心療内科として週1回半日外来を担当している。
以下の記事でも書いたように、心療内科を標榜しているメンタルクリニックの医師のほぼ100%が心療内科専門医ではない。
精神科はちょっとかかりづらいから心療内科にしよう! と診察を受けた医師のほとんどは精神科医である。
とはいえ、手術ができなくなった外科医、儲かるかもと思って変わってきた内科医であるよりかは良いか
うつ病は治る というけれど・・・
先日 興味深い文章を読んだ。
うつ病は慢性化するうつ病の経過と長期予後に関する最近の知見と過去の歴史 大前晋 精神科治療学 2023
そこで紹介されていた話
うつ病の人は、1)2年後に うつ病から58%しか回復しておらず、21%が慢性化している。2)6年後に 17%しか回復しておらず(うつ病と限らず何らかの精神科病名がついている)、55%が慢性化している(Verduijin J et al
診断基準の適切な利用方法
精神科においては主に2つの代表的な診断基準がある。
WHOが作成するICD10(及び11)。
アメリカ精神医学会が作成するDSM5。
うつ病や統合失調症の診断基準はネットでは広く公開されており、検索すると容易に見つけることができる。
しかし一般の人が使うときには注意が必要である。
妥当性に対して多くの批判がある特にDSM5は誰でも同じ診断になることを目指しており、うつ病の場合9個の症状から
人工知能(AI)に聞いてみた
最近は人工知能(AI)が話題になることが多く、特にChat GPTは高く評価されていることが多い。
今後 Chat GPTなどが更に発展すれば、人々はWeb検索ではなくChat GPTに質問するようになるため、多くのWeb情報は不要になってくるかもしれない。
試しにChatGPTを使ってみた。
***以下 ChatGTP使用***
<質問>
うつ病の人を励ましてはいけない理由と、良い励ま
おわりがあるから休んでいられる
マンガは比較的重い話も分かりやすく伝えてくれるので役に立つことが多い。
時々 FIRE=自分の力で経済的な自立を実現させ早期退職し自由に生活する という言葉を耳にすることがある。
ストレスの多い会社勤めから自由になり自由に生活するというのは一つの理想ではある。
労働活動や義務がなくなった後、ただひたすら自由に何もしないで休んでいるというのは、始めは良くても次第に苦痛に変わっていく。
仕事な
抗うつ薬の併用はしない。しかし例外はある。
私は基本的に抗うつ薬を併用(=2種類以上使用)をしない。
併用することで、うつ病に対する効果が高まり、難治性のうつ病が改善する可能性がある。
しかし併用することの弊害は大きい。
併用することの弊害1)副作用が増える
薬は量が増えれば増えるほど、種類が増えれば増えるほど副作用が多くなっていく。
一つ一つの副作用は許容できる範囲だったとしても、2種類、3種類と増えるうちに、許容範囲を超えてい
うつ病に対する基本的対応の限界
うつ病に対する基本的な対応はネットや本でも多く出ている。それぞれ微妙な違いがあるものの、基本的には以下のようなものが多い。
うつ病の基本対応・脳の病気であり、さぼっているのではないことを理解する
・必ず治るので焦らず待つ
・ゆっくり休ませる
・負担を極力減らす
・気分転換に誘ったり、励ましたりしない
・批判しない
・話をしっかりと聞く
・重大な決断はさせない
・自殺に十分に注意する
・薬をしっか
うつ病に伴う不眠症の治療 ガイドライン
うつ病に伴う睡眠障害(いわゆる不眠症)に対する治療のガイドラインを紹介する。わかりやすくするため一部修正しているため、多少正確さに欠くところがあるため、正確な情報は以下を参照してほしい。
参照:うつ病学会 Ⅱ.うつ病(DSM-5)/ 大うつ病性障害 2020 p9、55~
推奨される治療夜間や日中の苦痛が明らかなときは治療する
うつ病以外の原因も十分検討する
睡眠衛生指導(≒生活の工夫)、
うつ病がなかなか回復しないときに考えるべき本人の問題
うつ病は脳の病気であるものの、脳は心も宿す場所であり、治療経過には性格も大きく影響を与える。
回復するためには、挫折を乗り越え、自信を取り戻し、もう一度頑張ってみようという気持ちが極めて重要である。
またうつ病の誘因の一つであるストレスも、無かったことにできるものから、どうやっても取り戻すことができないものまである。
特に回復したいというモチベーションは最も重要であり、これが無いと回復は難し
主治医が本当の状態を知らないという可能性
うつ病として治療を長く受けているにもかかわらず、良くなったり悪くなったり変化が大きく治療方針に違和感を感じてしまうときには、主治医が本当の状態を知らないという可能性を考えておくべきである。
・お酒は飲んでいません と言いながら、連日飲んでいる人
・薬は飲んでいます と言いながら、不規則に飲んだり 時々 一度に多めに飲んだりしてしまう人
・ずっと動けません と言いながら、気が向いた時には普通に
長く話を聞かない主義の例外
以下の記事で書いたように、私は患者の話を長くは聞かない主義である。
しかし例外がある。
1.新患のとき当然 初めて会う人でこれまでの経過が全く分からず、聞きたいこと・知りたいことが一杯あり本人も話したいことが一杯ある。
そのため通常の外来とは別の時間帯に診察をする。
2.入院を必要とするとき非常に重要な時で可能な限り入院をマイナス経験にさせないため、話を聞いたり説明に30分以上、時に1時間
様々なタイプの「うつ病」に混乱しないようにする
広がるうつ病うつ病は拡大路線をひたすら進んでいる。
またうつという言葉は「ちょっと沈んで元気がない」というような意味で使われるようになってしまっている。
非定型うつ病、新型うつ病、擬態うつ病、ディスチミア親和型うつ病、軽症うつ病など、ネットや本などでは〇〇うつ病という、新しいタイプのうつ病が次々と十分な検証もなく作成され、ますます多くの人を混乱させてしまっている。
新しいタイプのうつ病を理解