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父上との思い出

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今は亡き最愛の父が登場するnoteをまとめてみました。
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2022年5月の記事一覧

プロの坊さん

プロの坊さん

夕食後、いつものようにテレビに背を向けた状態で椅子に腰掛け、スマホをいじっておりましたら、民放のニュース番組を観ていた父上が、こんなことを言いました。

「プロの坊さんか。珍しいなあ!」

それを聞いた私、

「お坊さんにプロもアマもないでしょ」

すると父上、

「違う!プロの坊さんは珍しいっていう話だ!」

「…?」

話が噛み合わず、身体を捻ってテレビ画面に目をやると、

『風呂伸雄さん』と

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父の中では紛れもない事実

父の中では紛れもない事実

病院帰りのタクシーの中。

横断禁止の道路で、自転車に乗った若い女性がビュン!と車の前を横切った。

「危ないなあ!」

父が思わず声を上げると、運転手さんが

「ああいうのはホント、参りますよ〜」

「でしょう?轢いたら車が悪くなっちゃうんだから、堪らないよねぇ」

ここ数年、通院と床屋くらいしか積極的に外出しない父が、他人相手に珍しく饒舌に。

「高齢ドライバーの事故とか増えてるでしょ?アタシ

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アツすぎたファンレター

アツすぎたファンレター

 何を隠そう私は、Sという俳優の大ファンである。

 ファン歴十数年、彼の出演作品はもれなくチェック。

映画の舞台挨拶には様々な手を使い、連続で三回も行った。

冬に控えた主演舞台のチケットも、もちろん押さえてある。

 彼のファンになって半年ほど経ったある日の夜、アツイ想いを伝えるべく、人生初のファンレターを書いた。

 軽い自己紹介から始まり、出演作品への感想、どれほど彼のことを想っているか

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旅立った父へ

旅立った父へ

noteにはなるべく明るいことを書こうと決めていましたが、気持ちの整理がつかないことがあり、やはり書いておこうと思います。

私の父は、昨年9月に入所していた老健施設内で起きたクラスターにより、新型コロナウイルス感染症に罹患し、肺炎と心不全で亡くなりました。

その7ヶ月前の2月に、特殊なカビが肺の中に入ることにより発症する、ニューモシスチスカリニ肺炎で入院。

かなりの高熱が続きましたが、コロナ

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使えないのは自分の脳みそ

使えないのは自分の脳みそ

7年ほど前に百均で買った折り畳み式ピンチハンガーが、壊れました。

「ピンチハンガーって、なんぞ?」

という、ピンと来なかったそこのアナタ!!

何だか仲良くなれそうです。

というのも、その壊れたモノを何と言い表すのかが分からず、ググったのですよ。

角ハンガーとか室内干しハンガーという言い方もあるらしいのですが。

ココはカッチョよく、横文字で表してみました。

洗濯バサミがたくさんぶら下が

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