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「プロダクトファースト」へ大きく舵を切って約2年、スタフェスの現在地は?CTO x CPOが対談

「ごちそうで 人々を より幸せに」を企業理念に、2009年に創業し、日本最大級の企業・ワーカー向けフードデリバリーサービス「ごちクル」や配送シェアリングサービス「スタロジ」などの事業を展開してきたスターフェスティバル(以下スタフェス)。

そんなスタフェスが課題に感じていることがあります。それが「テクノロジーを活かしきれていないこと」。そこで、2020年から「プロダクトファースト」を掲げ、今までのビジネスが中心だったところへテクノロジーをさらに強く組み込ませる新体制へ動き出しました。

しかし、これまでのスタフェスでは、ビジネスサイドがメインでの動きが大半でした。プロダクトファーストへ大きく方針を変えた今、全社で起こった変化は?今回は、CPOである塩出浩平とCTOの柄沢聡太郎による対談を実施しました。

【今回の登場人物】

実は塩出、プロダクトファースト宣言前はある不安を持っていたようで…?

「プロダクトファースト」へ舵を切ったことで、見えるようになったのは…

塩出:僕がスタフェスへ入社したのは2011年ごろ。デザイナーとして入社しましたが、当時は電話対応もしていたし…なんでもやっていましたね。そういった業務を含めてすべてがスタフェスのプロダクトだと思っていたんです。

在籍歴が長いからこそ、いろいろなことがわかるようになった。だからこそ、率直に言ってしまうと「スタフェスはこのままでいいのかな」と心配になることがあったんです。

柄沢:心配?

塩出:スタフェスの事業は「お弁当、ケータリングのデリバリーモール」です。確かにニーズも高いし求められている事業ではあるけれど、「その先に未来はあるのか?」と。僕らは、お弁当とケータリングを「テクノロジー」で支えるところが特徴。だったら「お弁当、ケータリングのデリバリー」ではなく「フードデリバリー」と自らを呼べるようになるべきだし、テクノロジーを極めるなら「フードデリバリーテック」を目指すことになる。スタフェスで長く働いていたため、大きな変化を起こしていかないと生き残れないと感じるようになっていたわけですね。

2020年1月に「プロダクトファーストでやっていく!」と本腰を入れ始めてから、柄沢さんを含めて議論を重ねていくうちに、未来への解像度が上がった気がしました。当然ながらこれまでは事業としての優先度が高かったので、お弁当の受注をとることに集中していた。けれど、これからはテクノロジーをスタフェスのプロダクトにどんどん取り込んでいける。これって、めちゃくちゃいい風が吹き込んだぞと思ったんです。

柄沢:プロダクトファーストで事業をすすめるためには、組織をそれにあわせた形で再構築するところからはじめました。ミニマムスタートとしてエンジニアやプロダクトマネージャー、デザイナーなど開発メンバーを対象にはじめましたが、徐々に全社・職種横断的に巻き込んで新たな体制へ切り替えることにしたんです。そうすることで、例えば、営業メンバーは「この案件をプロジェクトに当てはめると、こういう機能に落とし込めそうだ」とイメージしながら動ける、運用メンバーもそれぞれの業務をプロダクトにあてはめて動けるようになる。この動きをメンバー一人ひとりができるようになれば、課題解決へのスピードもぐっと上がるはずです。とはいえ、まだスタート地点なんですけれども。

塩出:これまでは、プロダクトではなく「自チーム内」を見て仕事をしているメンバーが多かった。確かに社内浸透に関してはまだまだやるべきことはたくさんありますが、感覚値ではOM(オペレーションマネジメント、受発注など運用部門を取りまとめている)を中心に、全体の3割が変わり始めている手応えがあります。

柄沢:僕も、ここ半年くらいでみんなの意識が変わりつつあると感じています!同じ課題を見ながら、どうすればプロダクトで解決できるのか。そのために、事前にオペレーションを準備しておこう…みたいな動き方をするメンバーが増え始めていますよね。

スタフェスのソフトウェアを刷新したい2つの理由

柄沢:そもそも、僕はプロダクトファーストを推進するためにスタフェスへ入社しています。その経緯は別の記事にあるとして…。ここ2年ほどかけて僕が取り組んできたのは、社内のレガシーな運用やシステムを刷新することでした。

スタフェスは創業10年以上になりました。いいことも悪いことも積み重なっている。これまでの歴史を紐解きながら、この先アップデートし続けられるソフトウェアに刷新しようとしています。

刷新したい理由はもう1つあります。それが「スタフェスの事業内にある全データを把握できる状態にしたいから」。以前までは、サービスごとで取得できるデータが散らばっている状態だったんですよね。例えば、注文状況やお客さま情報、受発注の運用に関連する情報、配送パートナーに流れている情報など。このあたりをすべて把握できるようになれば、ビジネスサイドとしても食に対する要望がクリアになる。テクノロジーをより連動させていくためにも、ビジネス中心だったスタフェスに「プロダクトで問題解決する意識」をインストールしたいんですよね。

塩出:個人的に、スタフェスは「法人の食の需要全てに対応できる会社」を目指すのがいいんじゃないかと思っているんです。これまでもさまざまな要望に応えてきましたが、柄沢さんが言うように必要なデータが散らばっていたので過去を振り返れなかった。スタフェスに眠る数々のデータも含めてきちんと把握できるようになれば、お客様の要望に対してスピード感持って、精度の高いサポートも可能です。

柄沢:そうですよね。新型コロナウイルスの影響で多くの企業が変化を問われたように、スタフェスも変化していかないと生き残れません。現に、緊急事態宣言時はケータリングの需要もぱったりと止まりました。そのなかで生まれたのが、オンライン飲み会で使える「ごちクル deli BOX」です。しかし、よく考えると「社員同士で飲み会をする」のユースケースは同じで、フォーマットが変わっただけ。ここは、データがシームレスになれば、確度高く変化に対応できるポイントでもあります。

今後も予期せぬ出来事で、利用シーンやフォーマットは変わっていくと思います。そういった事態に備えて、網羅的に社内のアセットをつなぎ合わせてすぐに対応できる体制づくりは、始めておいたほうがいい。これを突き詰めれば、塩出さんが話していた「法人の食の需要全てに対応する」ができる状態かなと思うんです。

塩出:そのための下地作りをしている最中ですよね。ちなみに、進捗はどれくらいに感じていますか?

柄沢:15%くらいかな(笑)。当初は「どこから手を付ければいいのか」で悩むことが多かったんですが、今は目の前で起こっていることを把握し、システムへ実装するための行動を起こせています。そういう意味では、ちゃんと進化していますね。手順通りやれば3年ほどで終わる予定ですが、まだ何とも言えないです。『ドラゴンボール』でいう精神と時の部屋があれば1日で終わるんでしょうけど。

塩出:(笑)。僕は2020年からCPOを担当していますが、プロダクトに関わる部分はまだまだ動けていないという実感があるんです。プロダクトファーストになった今、事業とプロダクトの足並みを揃えるためのロードマップも作成しています。2022年は、加速度を上げていきたいところですね!

変化の激しい時代でリードタイムを縮めていく

柄沢:加速度を上げていくためにも、もっと仲間が必要です。スタフェスで働くエンジニアは、プロダクト開発経験などはもちろん大事なのですが、それらの要素はあくまでも「基礎」。大事なのは、そういった基礎を活かしつつ、課題やビジネス要件に答えていく応用力です。けっこう泥臭い現実問題に向き合うことになるので、そういった状況を楽しめる人と相性がいい環境でもあります。

塩出:過去のスタフェスを見ていても、エンジニアに関わらず想像力がある人が活躍している印象です。具体的に言うと「ソフトウェアで解決すればいい」「通知機能を作ればいい」ではなく、現場の方々の動き方やフローを把握した上で求められているものを考えられるというか。特にスタフェスは製造や配送などオフライン要素が多いので、そのなかで何が起こっているのかを慮れるかどうかは大事です。

柄沢:同感!ソフトウェアの世界を飛び出す覚悟があるかどうかですよね。顧客体験だけを重視して作ると、その裏側にあるものを見落とします。そして、僕らが扱う「食」は非常にセンシティブな商品。揺らしちゃいけないし、温度管理も重要、時間に遅れてもいけないし。すべてを解決するのは難しいですが、テクノロジーでできることはたくさんあるんです。

塩出:いろいろなところに伸びしろがある事業ですよね。未来がある。いや、少し前まで「その先に未来はあるのか?」と悩んでいた僕が言うんですから、間違いなく未来はある(笑)。スタフェスは、全国2,000以上の製造パートナー、数十万の顧客、企業がいらっしゃいます。それらをプロダクトファーストでつなげ、明るい未来へ変えていく。それに関わっていくことは、なかなか他企業にはない体験になると思うんです。

柄沢:未来には未来しかないんですよ。言ってしまえば「何が起こるかわからないところへ突っ込んでいく」わけです。でも、テクノロジーの精度を上げれば「なにをすればいいのかわからない」の時間を短縮できる。つまり、変化に強くなれる。その状態を目指すには、日々の積み重ねしかない。それは一緒に挑んでくれる仲間次第なところもあるので、ぜひ面白がって参加してくれる人がいたらいいなと思っています。

そんなこんなで、次回はプロダクトとデータをどう活用していくかについて、竹澤さんと対談したいですね!


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