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営業ロープレは意味がないに喝!驚きのロープレ効果検証結果と組織に徹底させるコツとは?

この記事の執筆者

前田裕人
株式会社スタジアム 社長室 トレキャン事業責任者
経歴:同社へ2015年に入社し、Web面接システム「インタビューメーカー」の営業企画・プロダクト企画として立ち上げ。以降、主に事業企画、営業企画、マーケティング、プロダクト企画としてインタビューメーカー事業に参画し、3年ほど中小企業向け営業チームの部長も兼任。現在はロープレを効率化するサービス「トレキャン」の事業責任者。

ロープレの概要

ロープレとはロールプレイングの略で、”実際のお客様を想定した設定で、同僚や上司と商談の練習をする”ことです。

「営業ロープレは意味がない」と言う若手社員は多い

ここからは、営業ロープレの意味性・必要性について説明していきます。

ロープレ不要論を唱える社員の意見・主張とは?
彼らの主な主張として聞くのは、「実際のお客様じゃないと質の良い経験にならない」、や「同じ時間を掛けるならお客様との商談を優先したい」、「既に自分なりのやり方が確立しているから練習は必要ない」、などです。
ただその背景にあるのは、「自分の商談を評価されるのが怖い」や「時間を取るのが面倒臭い」など、心理的なハードルもあるように思います。
ロジカルに考えれば練習はすればするだけ上達するのに間違いありませんし、お客様を練習台にせずフィードバックも得られるぶん効率的なはずなのですが、効果の定量的な実感と実行までのハードルが高いのが嫌われる原因になっています。

ロープレを行う組織と行わない組織

社内を含め、ロープレを行う組織と行わない組織の傾向を考えて見ました。結論から書くと、行う組織は”営業を数字で捉え、目標達成プロセスが明確になっている組織”で、行わない組織は”目標達成プロセスが属人的な営業力に依存している組織”だと見ていて思います。
これは決して良い悪いの話ではなく、性質の話です。例えば前者のような数字で捉える組織には、個人向け営業や個店営業など、営業ターゲットが多い事業によく見られます。一方で後者のように属人的な組織には、エンタープライズ向けの営業や広告営業などの、より柔軟性が求められる組織が多いです。

ロープレは健全な営業組織には必要不可欠

では、柔軟性が求められる組織でロープレは不要なのでしょうか。いえ、そうではないと私は考えます。
理由を考えてみましょう。営業を数字で捉える組織でロープレが採用されるのは、提案の型をコントロールすることが大きな目的の一つです。営業に型ができると、提案の中でどこがお客様の関心を惹きつけ、どこがボトルネックになり、どんなお客様ならご発注いただけるのか、のような”営業上の構造”が見えてくるようになります。これがわかると商材の受注率を営業個人ではなく事業側でハンドリングできるようになり、商材の改善サイクルもより効率的に、多くのファクトを持って回すことができます。それでは属人的な組織ではどうかというと、提案の切り口やボトルネックへの切り返しは営業ごとに異なるため、商材の受注率をハンドリングしているのはほとんど営業マン個人です。事業側としては”優秀な営業がいれば売れるし、いなければ売れない”という状況に陥るため、安定して成長することが難しくなる上に、一人の優秀な営業がアウトしてしまうと売上に大きな営業が出てしまいます。
つまり、健全に事業を運営するには、営業の型を確立させ、個人では無く営業組織を成長させていくことが必要不可欠です。そのためにロープレという手法が最も効率的だと考えています。

ロープレの目的とは?

ここからは、営業ロープレの目的について説明していきます。

営業の型を軌道修正

前述した通り営業組織にとって型を作ることは大切ですが、とはいえ営業個人としては自分の色を出したいですし、長く経験すればするほど要点をまとめて話したり、お客様によって必要な情報を自分で取捨選択してしまったりします。
それが悪だとは言いませんが、多くの場合はデメリットに働いてしまいます。営業にとっては何百と話してきた内容でも、お客様にとっては初めて聞くので、変に誤解されてしまったり、必要な情報が伝わらない、などのリスクを抱えてしまいます。
以上のように、ベテラン社員の営業トークを日々の中で修正し、大きな問題に発展する前に質を担保することもロープレの目的の一つです。

状況に応じた対応力の装着

型と真逆の話になってしまいますが、営業現場では想定していなかったことはいくらでも起こり得ます。お客様の数だけ課題やボトルネックがあると言っても良いでしょう。ただ、だからと言ってお客様に提供できる価値が無限に広がっていくわけではありません。
ではどうするかというと、”その状況に応じて何の引き出しを開けるかの判断力”をトレーニングする、ということになります。魅力的に情報を伝える型をたくさん引き出しにしまい、その中でどれを今話した方が良いのか、というのは営業個人の商談力に繋がります。
スポーツに例えると、ベストな体の動かし方や事前に決めた作戦を元に、プレイの中で都度判断していくイメージです。

ロープレを行うメリット

ここからは「目的を達成するためになぜロープレなのか?」をより深掘りするために、いくつかメリットを列挙したいと思います。

課題や改善のポイントを知れる

商談などのOJTと違う一番の要素で、商談後のフィードバックが本音で貰えるということが挙げられます。自身の苦手なところがどこで、どのようにすればより改善できるのかを他者目線で得られるのは、ロープレだからこそです。

事前準備の精度を高められる

こちらも、事前準備の答え合わせは本番の商談では出来ないことが多いですが、ロープレであれば事前準備の答え合わせを事後に行うことができます。また、実際に控えている商談のお客様を想定することで、その商談の質を高めることもできます。

営業トーク・接客トークに慣れ説得力を演出できる

営業未経験の人であれば、いくらマニュアルでトークスクリプトを読み込んでも、お客様の前でスムーズに話すことは難しいでしょう。話し方のトーンや間、身振り手振りや表情なども含め、お客様に信頼していただける商談をするには、それを実際に練習することが必須です。

成功している人の手法を学ぶことができる

ロープレは自分がやるだけと思われがちですが、人のロープレを見ることもすごく勉強になります。「ここのこういう仕草がわかりやすい」とか、逆に「ここはもっとゆっくり話した方が良いな」など、他者目線で見て初めてわかることも多いです。

商材理解が深まる

単純に口で発することで、目で見るだけよりも商材への理解が深まります。また、トークにどんな反応があるかも含め、自分の視点だけでは気づけなかった商材の性質なども得られるでしょう。

効果的なロープレのポイント

さて、ロープレをやるべきか否かを今までお伝えしてきましたが、じゃあ実際にどうロープレすれば良いのかを書いていこうと思います。
私が実際にやってきたことも含め、さまざまな商材で汎用的に行われるやり方ですので、ぜひ参考にしてください。

ゴールとプロセスを明確にする

一番蔑ろにされがちな部分です。週に◯回、や1日◯回、などの”頻度設定”はよく見られますが、一つのプロジェクトとしてゴールとプロセスを設定していないケースは多いです。ゴールがないと目的意識が薄くなり、「言われたからやる」状態になりがちで、いずれはその頻度すら自然消滅しかねません。
“いつまで”に”何”を”どのような状態”にするのか明示し、細かくマイルストーンを定め、常に進捗を共有しながらトレンドとの差分に対策を打っていくという、プロジェクト推進の当たり前な流れをロープレでも行う必要があります。

トークスクリプトを作成

型はあるけどトークスクリプトには落とし込めていない、というのはよく聞きます。極論無くても良いのですが、あった方が良い理由はいくつかあります。
一つは、迷わずに練習できるということです。なんとなくこんなこと話してるな、でそれを事前に練習し、ロープレの場に挑むのはかなり難しいです。前述している通り”型を装着する”ことが大きな目的ですから、あらかじめ型を明示してそれに対する差分や質をフィードバックするのがベストです。
もう一つは、トークスクリプトを改善できるということです。盲信的にスクリプトを話して終わりでは無く、プレイヤー、相手役、双方が「本当にこのスクリプトで良いのか」を常に考え、問題があれば改善案を提示し、受け入れられれば全体に影響することができます。トークスクリプトがないと、その場で「ここはこうした方が良いね」で終わってしまい、その改善は個人にしか影響しません。組織単位で考えると大きな損失ですね。

シーンや場面を細かく設定すること

ロープレの質は、設定の細かさと言っても過言ではないです。これができないと冒頭に述べた通り「実際のお客様じゃないと質の良い経験にならない」というロープレ不要論を体現してしまいます。お客様の規模や業種、組織構成、最新のニュースなども含め、いちばん手っ取り早いのは実際の人や企業を想定することでしょう。また、お客さま個人のパーソナルな情報があれば、それも盛り込むとより良いロープレ体験になります。アポイントを頂いた際に得た性別や口調、話の内容なども加味して設定してみてください。この辺りを”ロープレ設定シート”などを作って運用するのがおすすめです。

緊張感をもって取り組む

「社内だから少し失敗しても良いか」という考えで臨むと、実際の商談でも同じようなスタンスが見えてしまいがちです。前提として練習でできないことは本番ではもっとできないと悲観的に考えた方が生産的です。
では具体的にどうするかというと、事前にそのロープレのゴールを決め、それを達成できたかどうかを評価する仕組みにするのが良いでしょう。例えば法人営業でお客様に決裁権がない役職を想定した場合、”上司とのアポイントを頂く”や”いつまでに稟議をあげるか決めてもらう”など。個人営業であれば”その場で申込書を頂く”や”次回のアポイントを頂く”などが考えられます。

動画を撮影する

どうせ同じ時間をかけてロープレをするなら、それをストックしておいて損はないです。自分のトークを客観的に見返せますし、過去の自分と見比べて成長を実感することもできます。また、とても良いロープレがたまたま行われた時には、要点を切り取って全体に共有することもできますし、お手本を動画で用意しておくことで新人は向かうべき場所がわかりやすくなり、練習効率が上がるメリットもあります。
もちろん撮影だけしていてもほとんど見返す機会などないと思いますが、運用を考えることで最小の力で大きな影響を与えることができるでしょう。

フィードバックを型化する

ロープレの陥りやすい罠として、フィードバックのばらつきがあります。よく聞くのは「あの人とあの人の言ってることが違って混乱する」や「ロープレの最初の方のフィードバックがない」、などです。相手役も人間がするのであれば、当然俗人的になります。フィードバックが参考にならないと、ロープレの質は著しく下がり、ひいては「やっても意味がない」と思い始め、いずれやらなくなってしまいます。
解決策としてはロープレフィードバックシートを作ることや、お手本やスクリプトとの差分を評価することでしょう。「自分はこう思う」ということを決して伝えてはいけない訳では無く、定性的な部分は分けてフィードバックしてあげることでプレイヤーの納得感を情勢できるでしょう。

習慣化すること

継続は力なり、です。本当にこれです。ある時思い立ったり、上司に言われて一定期間は行うのですが、そのうち形骸化して行われなくなるのはよくあるパターンです。ですが、ロープレの本当の価値は継続してこそです。
ロープレはやめてからしばらく経つと、また営業個人ごとのやり方に逸れて行ってしまいます。そうしていくうちに型はバラバラになり、軌道修正に思わぬパワーが掛かることになります。
日々の積み重ね、練習がのちにどれだけ効果を発揮するかは、皆様も体感されているかと思います。さまざまな理由でロープレをやめてしまうこともあるかと思いますが、そこをグッと堪え、継続できるチームは何をしても強いです。

組織に習慣化させるためのコツとは?

  1. 定期的にロープレ大会を開く

    • 1ヶ月ごとやクオーターごとにテーマを決め、大会を開催することでモチベーションを継続させることも一つの方法です。大会には継続以外にも、良いナレッジの共有や競争意識の向上など、他のメリットもたくさんあります。

  2. 会議体に入れ込む

    • 例えば朝会後の時間を共通で取る、や夕方集まってみんなでやる、など、決められた時間にチーム全体で行うのがベストです。ロープレが行われているか逐一チェックする必要もなくなりますし、一人では腰が重い人も集まって半強制的に行われるのであれば問題ありません。

  3. システムを導入する

    • ロープレシステムというのは多くありませんが、専用システムはそれならではのメリットもあります。ロープレの進捗や達成状況が可視化されたり、ロープレの質をコントロールすることができたり、あるいはチームメンバーが楽しんで取り組める機能がついたシステムもあります。

営業ロープレの評価例

初めて営業ロープレの運用に挑戦する人のために、評価例を一部紹介します。

  1. トークスクリプトに沿って話せているか

  2. 話す速度が早すぎたり、遅すぎたりしないか

  3. 声のトーンが低すぎたり、高すぎたりしないか

  4. 間を意識できているか

  5. 「あー」「あの」などの言葉の髭が多すぎないか

  6. 表情管理ができているか

  7. 体を使ってわかりやすく表現できているか

  8. 適切な切り返しができているか

  9. 相手の反応を拾えているか

  10. タイムマネジメントができているか

  11. 資料などをスムーズに使えているか

  12. 事前の情報収集ができているか

  13. 事前の仮説が当たっているか

実践的なロープレで、営業組織の活性化を!

個人的に、ロープレは営業の基礎であるとともに奥義でもあると思います。ただ、昨今の組織では”目に見える即効的な費用対効果”が重視され、”長期的な組織の健全性”を生み出すロープレが文化として薄くなってきているように思います。
本当に事業視点のある人であれば、上述した”長期的な組織の健全性”がわかると思いますので、ここまでご覧いただいたことをきっかけに、ぜひ挑戦&改善を試みて頂けますと幸いです。

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