高齢者に食欲がない時の工夫
高齢者が食欲不振になる理由は、一つではない。
病院で働いていた頃、食欲不振の患者さんが
「これなら食べられる。」とおっしゃった
アイスクリーム」のお話を
今日はしようと思う。
リハビリテーションを進めていく上で、
患者さんの身体のこと、栄養はとても大切。
今日は私が病院に勤務していた時、
リハビリをする患者さんについて、
栄養士さんと情報共有をするのが常だった。
私たちに共通していた思いとして、
患者さんが
「今は何も食べたくない」
「食べられない」
そんな状況でも、
もし、少しでも何か好きなものがあれば、
もし、今、少しでも食べたいものがあれば、
それを、美味しく召し上がっていただきたい。
ということ。
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病院なのでもちろん
その方の全ての希望に
応えられる訳でもないので
大変心苦しくはあるのですが、
何か工夫ができないかと試行錯誤しました。
その中で、「これなら・・・」と
手にしていただきやすかったものは、
【アイスクリーム】でした。
バニラ系のアイスクリームなら、
牛乳から作られていますし、
高カロリーです。
冷たい感覚も好まれやすい。
そんな、印象を持ちました。
また、さっぱりした味がお好みの方には、
エネルギーは取れないのですが、
「ガリガリ君のソーダ味」をお出していました。
市販はされていないようですが、
(多分、給食用なのでしょう)
病院では小さなカップのガリガリくんを
栄養士さんが用意し出してくれていました。
ご高齢の方は、甘いものを好まれる印象があったので、私は、まずは、甘いものからお試しする事が多かったです。
一方、甘いものが苦手な方も、
もちろんいらっしゃいます。
そのような方には、具なしの茶碗蒸しも好評でした。
栄養士さんが一生懸命に取り組んで下さったので、
食欲不振の患者者さんにリクエストメニューをお出しする事もありました。
私は、嚥下障害の有無、程度を確認していました。
香りを漂わせながら
たこ焼きや炒飯をお出しすると、
ソースの香りなどに誘われて、
それがきっかけに少しづつ
食欲が戻られた方もいらっしゃいました。
(これは病院独自の取り組みでしたが、これを考えて実行した栄養士さんを本当に尊敬しています)
高齢者の食欲不振の原因はいくつもあると思います。
・例えば、胃がん等の病気によるもの
・加齢等により消化が進まないことによるもの
・噛んだり飲み込みがしにくい嚥下障害がきっかけになるもの
・食事が楽しいと思えない環境(病院に入院中や一人暮らし)
・食事をしないいけない、食べなきゃという負担
・準備が大変という精神的な負担
・動かないからお腹が空かない
・睡眠不足 など
あとは、
お食事場面やリハビリの時間には、
身体だけではなく、
心にも負担がかかってくるので、
安易な「頑張って食べましょうね」という
声かけはしないように心がけていました。
病院や施設でも、お家であっても、
その中で、何がその方の食欲不振の原因になっているのか、どのようなことを取り除いていけばいいのか、ご本人やご家族にお話をまず聞くこと。
そして、表には出てこない
言葉ではないもの
表情や反応からも、
一つ一つ丁寧に
紐解いていく事が大切だと思っています。
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