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『大翼竜ジゴラスと怪獣博士』

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オリジナル小説。平凡な商店街に巨大翼竜が襲来!だが大翼竜はビクともせずに、町のシンボルのタワーに着地。いつの間にか商店街は観光地になってしまった!大翼竜の恩恵に預かり暮らす住人の…
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『大翼竜ジゴラスと怪獣博士』 第3話

『大翼竜ジゴラスと怪獣博士』 第3話

第0話〜ありますので、そちらを読んでいただくとよりわかりやすいです。

第3話「アジテーション」勇司と大賀はマウンテンバイクをこぎながら、入道雲を背に不気味にそびえ立つジゴラスタワーを目指していた。
同じ商店街とは言え、2人の家とジゴラスタワーには少しの距離がある

「おれも一緒に自由研究した事になるかな、これ」
大賀はカプリコにかじりつきながら言った。
「そうだね、2人で研究したって事でいいんじ

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『大翼竜ジゴラスと怪獣博士』 第2話

『大翼竜ジゴラスと怪獣博士』 第2話

第0話〜ありますので、そちらを読んでいただくとよりわかりやすいです。

第2話「おじいちゃんの言葉」
夏休み初日は、朝の時点で30度を越えて猛暑日の様相を呈していた。
それでも小学校の校庭には、ラジオ体操のスタンプ欲しさに子供たちが集まって、思い思いのペースで体操をしてる。

例によって汗を垂れ流しながら、水を与えられていない犬の様に口を半開きにして身体を捻らせている大賀の横で、勇司は身体をそらし

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『大翼竜ジゴラスと怪獣博士』 第1話

『大翼竜ジゴラスと怪獣博士』 第1話

第0話がありますので、そちらを読んでいただくとよりわかりやすいです。

第1話「異変」2020年。
日本の某所にある、るるい町。
そこには「るるいタワー」と呼ばれる電波塔があり、50年ほど前に襲来した大翼竜ジゴラスがタワーに飛びついたまま石化し、観光スポットになっていた。

だが、この通称「ジゴラスタワー」を目当てにやってくる観光客は、30年前をピークに減少傾向にあり、一時は人で溢れかえっていたる

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『大翼竜ジゴラスと怪獣博士』 第0話

『大翼竜ジゴラスと怪獣博士』 第0話

第0話 「ジゴラス飛来」今から50年ほど前。
日本の某所にある、るるい町の中心には、全長300メートルほどの巨大な電波塔「るるいタワー」があり、そのふもとには約50軒ほどの小さな個人商店が連なる”るるい町商店街”が広がっていた。
るるいタワー以外には特筆する物もないこの商店街が、日本中に知られることになったのは、ある蒸し暑い夏の日のことだった。

最初に気がついたのは酒屋の息子だった。
彼は店の前

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