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日記(2018年秋〜

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案外続いてる
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#家族

11月10日

昨日のゲリラ豪雨と打って変わって秋晴れ土曜。

従姉妹の子どもがすっかり人間になっていて驚く。

その家族にはその家族の積み重ねた時間や言葉や、少し大袈裟に言うなら文化があって、それは外側の人間からはわからないものだと改めて思う。

後から「そんなこと聞いてない!」となるのが嫌で、「多分結婚しないからね」と折に触れて話すようにしてるんだけど、中々伝わってないようでもどかしい。

母は「またそんなこ

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11月9日

金曜日、長い1日だった。

前日、日付が変わる頃に家に着いたこともあって朝は寝坊気味。
着替えだけして斎場に向かい、控室の洗面台で姉と並んで化粧をした。

何でもテキスト変換する癖と音を形で見ようとする練習のせいで頭の中が忙しかったけど、いくつかの景色は忘れない。

周囲が俯きすすり泣きも聞こえる場面でずっと前を向いていて、自分は冷たいのかもしれないと思いながら、何より知りたいという欲が勝っていた

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11月7日

今日は水曜。

誰かが止まっても消えてもただ流れていく中にいて、秩序とかルールとか呼ばれるもの、それがあるから成り立っていて。だからいつもは割と好きなんだよね。

今日は、まるで自分だけが止まって定点観測しているみたいだと食べる気がおきない蕎麦を前に思った。

タイミングの悪い私はいつも、本当にいつも、外側にいて間に合わない。
全てが遠くにあって、カフェオレが入ったぬくい缶を手に突っ伏すしかなかっ

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11月4日

11月4日

今日ものんびり起床。

お昼に病院。繰り返される譫言(うわごとってこんな漢字書くのね)に曖昧な返事をしつつ、当人にどれくらい意識、認識が残っているのかがわからないのが難しいなと思う。

ナースコールを離したがらないけど何度も押すと迷惑なので代わりに私の手を滑り込ませるも割とすぐに違うと気付いたようで、浮腫んだ手でナースコールを探していた。

病室の椅子が足りなくなったのでいくらとっても減らない柿を

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11月3日

昨日の夜たらふく食べてお酒まで飲んで寝たので昼前に起床。

人と一緒にいるといつもより味もわかるし沢山食べれちゃう不思議。
常に胃にものがある感覚が懐かしい。

最近痩せたので調子に乗り、普段だったらまず買わない値段のパンツを試着したら思いの外似合っていて、「会社に着ていけるなら買いかな」「ヒール合わせたらありじゃない?」などと姉と話していたら「私がお金出すから買いなさい」という母の発言でうっかり

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11月2日

いい天気の日中(しかも平日)、病室にずっといるのは流石に勿体ないと、父と庭の柿を採った。バケツ3杯分。

足元こそスニーカーだったけど平日のコートと時計をつけて、落ちてくる柿を拾いに走るのはアンバランスで面白かった。

生前祖父が手入れしていた庭の柿の木が今年も実をつけて、それを祖父が知らない今の自分が食べているのは不思議だけど自然な気もして、どこかくすぐったい心地になる。

手を握るくらいしか出

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11月1日

10月に慣れる前に11月に押し出された。

偶然が重なり奇跡的な定時上がり。おかげで予定より1本早い新幹線に乗れた。

新幹線の中ではkindleに落としてあるリトルフォレストを観ていた。観ていたというより眺めてた。何度もみているのもあって見入るというより、ただそこにある時間の流れが目から入ってきていた。

美しい風景が切り取られている映画は沢山あるけど、冬の澄んだ空気とか自転車で風を切る肌触りと

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