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これからのスタートアップや起業は、『3つのサスティナブル』を持って進もう

新しい日常と、新しいビジネス

社会が大きく変わろうとしている中、スタートアップを取り巻く環境も大きく変わっています。

大きな変化は、私たちに戸惑いや不安を抱かせますが、その反面、それを解決したいという欲求も顕在化し、様々なソリューション(解決方法)を期待しています。

新しい日常と呼ばれる日々の暮らしは、これまでとは大きな変化が生まれます。

それは、マスクやテレワークといった見た目の変化だけでなく、心理的な変化による様々な変化が、少し遅れて大きな波となってやってきます。
地殻変動はすでに起こっていますから、それが目に見える形になった時には、すでに新しいビジネスもたくさん始まっています。

コロナ禍において起業家や経営者はとても大きな影響を受けていますが、一方で就業している人の中にも、社会や会社の大きな変化がこれから訪れることを予期している人たちは、次のアクションをはじめています。

通勤がなくなり、新しい働き方が生まれた中で、副業がしやすい環境が生まれています。コロナ倒産やリストラもある中で、起業を目指す人も増えているようです。
いつの時代の不況期にも、起業が増える傾向が繰り返されてきています。

そうした流れの中で、今回の変革タイミングも過去と同じように起業をする人が増えてくる、そんな流れがこれからやってきます。

サスティナブルに起業/経営をする3つの視点

起業と聞くと、とてもリスクが大きく、自分には関係ないと思う人が多いかもしれません。
特にスタートアップやベンチャーと聞くと、そういう感じが強いかもしれません。

しかし、サスティナブルな起業という選択で、事業や経営をサスティナブルにしていくことは可能です。
そのためには、3つのサスティナブルな視点が必要です。

1.「ビジョン/ミッション」の、サスティナブル

あなたのビジネスは、なにを目指しているのですか?

そう問われたら、あなたはどんな回答をしますか。

自分ができることをしている
自身の自己実現
買ってくれる人がいるから、必要なものを作る
儲かるからやっている

もしあなたが、このような答えを聞いたら、どう思うのでしょうか。

究極をいえば「ひとりよがりのライフワークのようなビジネス」を、応援したいと思えますか?

一緒に住むこの社会を、共に良くすることに活動する人だからこそ、応援できるのではないでしょうか。

「一人勝ち」「自己実現」が目的に聞こえるビジョンやミッションを持つ組織やビジネスが、持続可能だとは思えません。

多くの大企業、中小企業もこうした社会性を文脈に含むビジョンやミッションが掲げられていないことから、一緒に働く人たちが事業の社会性を感じられず士気が上がらないということもよく耳にします。

私がサスティナブル・ストーリーという会社名にしたのも、持続可能な文脈をもった企業理念をつくる手伝いがしたいということにあります。
どんなビジネスにも、きっと社会を良くしたいという想いがあるのですから、その物語を人に伝えられるようにしたいと願います。

事業は一人でできません。多様な人がたくさん関わって、みんなで育んでいくからこそ、サスティナブルになるのでしょう。


2.「経営」のサスティナブル

社会を良くしたいと活動している人の多くは、NPOなどの非営利活動であることが多いようです。

ボランティア、運動、活動といった、収益性(事業性)とは切り離された環境です。

しかしこうした活動に関わる人も、時間を費やしているので、自身の生活やビジネスが優先されたり環境によってその時間配分が左右されるので、継続し安定して関わっていくことが難しい状況です。
なぜなら、事業の収益性が低いため、関わっても収益になることはないうえ、持ち出しのほうが多いからです。

経営者がこのマインドだと永遠に赤字体質の組織で、

「そのビジネスは趣味ですか?」

と言われても仕方ありません。自転車操業ならともかく、自己資産を投げ打って慈善事業に近い事業をしている人も多くいます。
またこうした経営者の方の志の高さに人が集まりますが、現代の社会システムでは関係を持続させていくことはとても難しいのが現実です。

経営者は、事業として収益を上げ、利益を上げ、それをどう使っていくのかを考えることが必要です。

収益を上げることを諦めてはいけませんし、たくさん儲けちゃダメだと思ってもいけません。
問題は、その利益をどう使うのかという点です。

私が創業し経営してきた市民ミュージカルを全国展開するNPO法人コモンビートも、年間売上は1億円を超えています。問題はそれをどう使って社会インパクトを出していくかという点が重要です。

お金は活動に対する価値の評価の一つです。経営者はお金の捉え方を変えていくことが、サスティナブルな第一歩になると思っています。

3.「経営者自身」のサスティナブル

起業家や経営者と聞くと、人生の時間を投げ打っている印象を持っている人がいるかもしれません。

特に大変な時期を見ていると、「経営者じゃなくてよかった」と思うことがあるかもしれません。経営者自身も、そう思う瞬間はあります。

でもそれは、どんな選択をしても、それなりにあることです。

もちろん起業家に向いている人/向いていない人はいます。

四六時中、ビジネスのことやそれに関わることを考えているのが楽しい人は向いています。

プライベートとビジネスを分けたい人にとっては、なかなか難しいかもしれませんし、子育てなどの環境においては物理的に空間や時間を分けることが難しい場合もあるでしょう。

私も20代は会社で寝泊まりをしてベンチャーを経営していました。そうした時期もあって良いですが、ずっと続けることは不可能ですね。

自身がワクワクする未来が描けるか
大変な時もあれど楽しい時間をどう持てるのか
経済的な負担で無理をしていないか
夫婦や家族との時間も、あなたの人生の一部です

誰かのためにと気負ってしまうこともありますが、起業家/経営者自身が輝いていなければ、あなたのビジネスのファンも心配でなりません。

ですから、

人生とのトレードオフ(生きている時間との交換)をするのではなく、
自身の一つのプロジェクトとして少し客観的に見ていくことも大切です。

チャレンジは、何回でもできます。

わたしも、10社以上の起業を経験し、良かったことも失敗したこともたくさんあります。そのたびに迷惑をかけた人もいれば、引き続き応援してくれている人もたくさんいます。
人生がこうして続いている(サスティナブルである)からこそ、チャレンジができるのです。


サスティナブルな起業を


より良い社会を仲間と一緒に作る(1.「ビジョン/ミッション」の、サスティナブル)

その目標に向かって、ビジネスとして経営をしっかり行う(2.「経営」のサスティナブル)

そしてなにより、志をもった起業家のあなた自身が何度でもチャレンジできるように(3.「経営者自身」のサスティナブル)


ぜひみなさんと一緒により良い社会を目指して。

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