掌編小説 天使の贈り物
ある日、神様が天使に言いました。
「世の中には、優しい人間もいれば、そうでない人間もいる。
それはそれで仕方のないことだが、優しい人間には、そうでない人間よりも、何かよいことがあってほしいものだ。
そこでお前に頼みがある。ここに、見えるようで見えない粉がある。とても美しく輝いている粉だ。
お前はこれから天の下に降りていって、誰か優しい人を見かけたら、頭の上からこの粉を振りかけてやりなさい。
そうしたらその人は、見えるようで見えない輝きを放つようになるだろう。人間というものは、輝いているものが好きだからな。きっと、その優しい人にはいいことがたくさん訪れるだろう」
神からそう言いつけられた天使は、沢山の粉が詰まった壺を持って地上の世界へやってきました。
そうして、優しい人を見つけたら、頭の上からパラパラと光り輝く粉を振りかけてやったのでした。
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