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Vol.010 笑わないけど笑わせたい 〜ちょっとアイスブレイクのお話〜

本日の集合写真の撮影、お疲れさまでした!
(弊社毎年恒例の集合写真の撮影、執筆日の今日でした。)
皆さんの笑顔がたくさん見ることができ、良い撮影だったと思います。
今回は、テクニカルなことから少し離れて、笑顔にまつわるお話です。
(この話は、僕の別のブログからリライトしました。)

「全然笑ってくれない!どうしよう.....?」


会社案内・採用案内などで、取材対象者の顔写真を撮影する機会がよくあります。そのほとんどは、当日初めてお会いする方なので、いざ撮影の時にいきなり笑顔を引き出すというのは、なかなか難しいです。とはいえ、撮影の時間にも限りがあるし別の撮影カットが後にひかえている場合、笑顔を引き出そうと延々粘ることも厳しい。そんな時、今までの経験でおおよそ7割の人を笑顔にできる言葉があります!
それはどんな言葉なのでしょうか?


1.まず、笑顔がすぐ出る人かどうかを見極める。

カメラを向けただけで笑顔が溢れ出す人っていますよね?そういう人は何も言わなくても自然と笑顔になってくれます。カメラマンにとってはほんと助かります!
「笑顔が素敵!」
「何も言うことないですよ!」
とテンションの上がる言葉で、もっともっと笑顔になってくれます。

なのでまず、カメラの前にいる人がどっちなのかを探りましょう。「笑顔系」ならそれでよし。問題はもう片方の「ノン笑顔系」の人を前にした時です。(製造現場の職人、エンジニアの男性、などはノン笑顔の割合が多いです。)

ストックフォトから選んだこの彼は、きっとモデルです(笑)


2.まずは無言で撮ってみる。


そういう人はおおよそ

  1. いきなりの撮影なので、ただただ緊張している。

  2. そもそも、写真を撮られることが苦手。

のどちらかです。なので、撮り始めてすぐに、あの手この手で言葉をかけ笑顔にさせようとしてもダメです。逆に警戒されたり、固くなってしまいます。なんでもそうですが、ものには順序というものがあります。スタジオ撮影だと、撮影前にコーヒー片手にブレイクタイムを設けてリラックスしてもらうことも出来ますが、取材の限られた時間だとそうもいきません。
ものを売る商売・恋愛・誰かを説得する.…
「押しても駄目なら引いてみな」ではありませんが、一辺倒の手段が逆効果を産むことになります。

僕の場合、あえて意図的に無言で数枚撮影してしまいます。向こうは当然ノン笑顔です。そりゃそうですよね。そうこうしてるうちに、緊張の空気がより高まってきます。
「このカメラマン、なんにも言わないなあ....」
そう心のなかで思うことでしょう。

無理やりテンションあげようとしても、無理なものは無理です!


3.そしてあの言葉の登場です

緊張の度合い見計らい、沈黙の時を経て、いよいよマジックワードの登場です。

「もっと笑ってください!」
「緊張しなくていいですよ!」

なんて言葉ではなかなか笑いません。
むしろ、逆効果のこともあります。早く笑顔にならなくちゃ!と、萎縮してしまうこともあるからです。

ここで一言.…



「写真撮られるの、お嫌いですよね?」



この言葉を呟くと、僕の経験では全然笑ってくれなかった人のおよそ7割が、初めてニコッと笑ってくれます。破顔一笑というわけではないですが、とても素敵なで自然な笑顔が引き出せます。

「緊張の緩和」という言葉を聞いたことがあると思います。
写真を撮られるのに慣れていない、苦手な人が自分の思っている本心をカメラマンに言われるので、


「ああ、わかります?そうなんですよ!」

と、緊張が解けておもわず笑顔になってしまうのです。
写真を撮ることは好きでも、撮られるのは嫌いな人、よくいます。もしくは、友達とならいいけど、独りだとちょっと...、と思う人。
理由は様々ですが、笑顔がなかなか出ない人は、撮られている時間から早く逃げ出したいと思っています。
なので、この「緊張から緩和システム」は思ったよりも効果を発揮します。

そうなってしまえば、こちらのものです。その笑顔は数枚で消えてしまうかもしれません。カット的に、数枚あればそれでよし。または、この「緊張の緩和」の繰り返しです。また無言で何枚か→ぽそっと和らぐような一言。

僕の中でのキラーワードは他に

「写真撮られるのウザいですよね。特に俺みたいなやつには。笑」

「笑顔が欲しいから、夜中までこうやって撮りましょうか?笑」

「あれ?さっき笑ったのは幻だったのでしょうか」

などなど。用意しておいたワード、現場でひらめいたワードを織り交ぜながら満足な撮れ高が得られるまで繰り返しましょう。

同僚などが、カメラの前で笑わせようとしていただける現場もあります。それで笑えればいいのですが、人の目が有りすぎると、緊張の度合いが更に上ることもよくあります。
その人がどういうタイプなのか、できる限り観察して見ることが重要です。

まとめ


これが全てに通用するとは限りません。また、撮影対象者が社長などのエグゼクティブなひとには、より気を使った言葉を選ぶべきです。しかしながら笑顔を引き出すためにはあえて「緊張」の場を醸し出すというのはかなり大切なことです。一般の取材撮影の場合、

  1. 撮影前にライターさんがインタビュー(同時に話している場面の撮影)  

  2. その後カメラ目線の撮影

という流れが多いです。そのインタビューというのも、実は「緊張」の場を醸成してくれる時間なのです。なので、カメラ目線のポートレート撮影はできる限りインタビュー後が望ましいです。もう一つの理由は、インタビュー中にその人の趣味嗜好を聞けるからです。その人が笑う瞬間は何を話したのか?そういう質問だったのか?etc...

そうやって、インタビューカットの最中にも、その後に呟くワードは何がいいかを探ることができます。

どうあがいても、なにをしても笑わない人、残念ながらいます。そういう人に当たった時は、諦めることも肝心です!
ちょっと口角が上がるくらいでも、その人もパーソナリティに合致しているのかもしれませんしね!

みなさんも、笑わない友達や家族がいたら、ぜひ実践してみてください!



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