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新卒で入ったレコード会社で「うつ病」になりました

大学卒業後
新卒で大手レコード会社に入りました。
2年目になって
後輩が入ってきた頃、うつ病になりました。


うつ病になるまでの1年間。
営業部で
平日は店舗を回って営業活動をしていました。

主な取引先は
TSUTAYA
タワーレコード
HMV
など主要なCDショップです。

アーティストのCD発売が決まったら
その日に向けて
お店に置いてもらう枚数の決定や
売り場をどこでどのくらいの広さで作るのか
具体的に決めていきます。

売上を左右する大きな要素に
売り場の場所取りがあります。
入口入ってすぐに目に入る一等地は
1番目立つ場所なので
他社メーカーとの取り合いになります。

そんな競合に勝つため
決定権のある店長や
決定権に絡んでくるベテランスタッフさんと
とにかく仲良くなって
優遇して貰えるように動いていました。

他社の営業担当者よりも来店頻度を多くして
毎日店舗に顔を出して真剣度をアピールしたり。


営業経験のある方はお分かりかと思うのですが
得意先からちょっとしたお願い事を
頼まれた時はチャンス
なんです。

スピード勝負。

その日中にお願い事を解決することで
店舗側は
「こんなに早く解決してくれてよかった」
と思いますよね。
すると
「コッチも何かしら返してあげたい」と思うのが
人間の心理だそうで…(返報性の法則)
結果、
大きな売り上げに結びついたことがあります。


この平日の営業活動にプラスして
土日はイベントの運営もしていました。

もはやイベントしないとCD売れない時代

土日はCDリリースに合わせたイベントや
購入者特典の握手会などなど
売上の追い風になるようなイベントを開催します。

1週間通して休みはなく、
この生活が1年ずっと続きました。
私だけじゃなく、
周りの先輩たちも休んでないんじゃないか?
と思うくらい忙しそうでした。

今ほど、
ブラック企業だとか
時間外労働、過労死、
コンプライアンスなどど
叫ばれていない時期だったので
当たり前になっていました。

ベテランの先輩から

「変に休みがあるよりも毎日仕事ある方が
生活リズム狂わなくて楽じゃない?」

と言われて、その時は驚いたんですけど
数ヶ月経つうちに、
本当にそうだわと思うようになっていました。

同調圧力というか、
私より忙しい先輩達は休まずに働いてるから
休みたいとか疲れたとか
絶対弱音は吐けない、と思っていました。

そんなとき、
会社に産業医が来て
労働時間が長い人と面談する日がありました。

そんな制度があることを知らなかったので
突然上司から
面談するようにと言われて会議室に行きました。

会議室には面談相手の産業医の女性がひとり。

産業医は
労働時間が長い人や、
休みが取れていない人を中心に
面談をして
健康面でのサポートをしているとのこと。

いくつか質問を受けますが警戒心もあって
当たり障りなく答えました

Qお休みはありますか?
ないですね…
でもみんな忙しいんで。

Q朝会社行くのしんどくないですか?
吐いたりする日はあるんですけど
頑張れば会社に来れるし、
来ればどうにか1日乗り切れるんで大丈夫です。

Q休みは貰えないかな?
いやいや、
全然私大丈夫なんで。働けます。

Qご飯食べられてる?
食べてるんですかね?
よく思い出せないです。
最近服が大きくなった気がします。
夜は帰ってすぐ寝ちゃうんで、
食べてないです。
夜食べないと痩せるっていいますもんね。

Q急に悲しくなったりするときない?
この前地下鉄に乗ってたとき、
つり革捕まってたんですけど
急に涙出てきて
前に座ってたおばちゃんが
心配してハンカチくれました。
お返しできなかったんですけど…


えっとね。
とにかく休みましょう。
1日とかじゃなくて週単位。
希望を言えば月単位で休んで欲しいです。
親御さんの実家に帰れますか?

いやいや。
そんなこと言われても
全然私大丈夫だし。
みんなできてるし。
私だけできないとか言えないし。

休むことを拒否しました。
かなり押し問答したと思います。

結局、その日の午後から
会社の近くのメンタルクリニックに
行くことで落ち着きました。

病院に行けば、
私は大丈夫だと伝えられるし
先生も休まなくてもいいですって
言われる気がしたからです。

上司に午後休を無理して取らせてもらって
生まれて初めて
メンタルクリニックに行きました。

診察してくれた先生に
産業医との面談で言われたことを話して
自分は大丈夫だと伝えましたが、
診断書を書くので、
必ず上司に見せて
休みを貰ってくださいと言われました。

病名は「うつ病」

休めばよくなるからと言われても
目の前が真っ暗になりました。

そして翌日から
会社を1か月休むことになりました。

休職の手続きは
上司と産業医の間でされたそうです。

実家に戻ってしばらく療養することになりました。


どうやって荷造りしてチケット手配したのか
思い出せません…

東京から実家に戻る飛行機の中で
ずっと泣いていました。

なんで私だけ出来ないんだろう?
皆みたいに朝起きて仕事して…が出来ない。

甘えだ。
逃げてるだけだ。
情けない。

はやく仕事できるように戻らないと!

東京から離れていく距離が遠くなるほど
私はもう会社には戻れないのではないか…と
不安になりました。

ここから療養生活に入るのですが、
摂食障害になっていましまいた。
この話はまた次回書ければいいなと思っています。

体力がないとこの夏猛暑乗り切れない…暑すぎる。

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