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展望台がアップデート!池袋の第5の公園「てんぼうパーク」誕生秘話

2023年4月、サンシャイン60展望台がリニューアルオープン!「てんぼうパーク」という名称のとおり、公園をコンセプトにした“新たな眺望体験を提供する空の公園”として生まれ変わりました。

プロジェクトを担当した、株式会社サンシャインエンタプライズ スカイゲストコミュニケーション部の遠田さんと篠原さんにリニューアルに込めた思いを伺いました。

空の公園「てんぼうパーク」はどんな場所?

 ――サンシャイン60展望台が「てんぼうパーク」としてオープンしましたが、どのような経緯でリニューアルすることになったのでしょうか?

篠原
以前の展望台は、VRやARを駆使した体感型の施設でした。当時の最新技術を導入して大変話題になったのですが、5、6年も経つと日々進化し続けるテクノロジーのなかで施設の技術は古くなり、コンテンツの入れ替えも難しくなっていました。施設としての価値をアップデートしていくのは難しいという課題が出てきたのが今回のリニューアルのきっかけです。

――そして誕生したのが「てんぼうパーク」なんですね。テクノロジーを楽しむ遊園地のような施設から、公園をテーマにした空間へと生まれ変わりましたが、どのようなコンセプトなのでしょうか?
 
篠原
新しい展望台は、技術の進歩で価値が変化するようなものではなく、普遍的な価値を提供したいと思い、時代にあわせた新しいコンテンツも取り入れていける身軽な施設を目指すことにしました。そこで、展望台が本来もっている“眺望”や“リラックスできる場所”という本質的な価値を大切にすることにして、それらを体現できる方法を模索するなかで出たのが“公園”というキーワードです。
池袋駅近辺には4つの大きな公園があり、豊島区の掲げる「公園を核としたまちづくり」をヒントに、高層ビル60階の展望台に第5の公園を作ったら面白いんじゃない?と、方向性が決まりました。

芝生スペースにごろんと寝転んだり、ピクニックをしたり、思い思いの時間を楽しめます。

赤ちゃんから大人まで。全ての世代に快適に過ごしてもらいたい

――そうして誕生したのが“空の公園”なんですね!デジタルから緑豊かな空間へ。価値が変わらない持続可能な施設づくりはSDGs的な思考ですね。

遠田
せっかくリニューアルするのですから、SDGsの要素を取り入れたいという思いももちろんありました。たとえば、近隣の子育て中のファミリーが気軽に訪れることのできる場所になってほしいと授乳室を新設し、オーガニック離乳食を提供するサービスも開始。電子レンジやミルク用のお湯が用意されているベビールームの壁面には、調湿・脱臭効果により空間を快適に保つことができる卵の殻をアップサイクルして生まれた「エッグウォール」という壁紙を採用しました。フロアの床は全体的に緩衝材を入れているのですが、これも子どもが転んでも痛くないようにという配慮からです。
実は自分も2人の子どもがいて、下の子はまだ小さいのでどういう設備があったら嬉しいかなと考えると同時に、小さい子どもがいるサンシャインシティグループ社員のパパママ達からもアドバイスをもらいながら企画をしていきました。
 
――赤ちゃんのいるファミリーがどうやったら快適に過ごせるかということが、当事者としての目線で散りばめられていて、それが居心地の良さにも繋がっているんですね。ほかにも工夫されていることはありますか?
 
遠田
サンシャインシティがファミリーにとってよりいっそう楽しく、居心地よく、安心して過ごせる場所になることを目指す「サンシャインシティ ファミリープロジェクト」の中に「サンシャインシティ絵本の森」という取り組みがあるのですが、若い社員たちが一所懸命に企画・実行している姿を近くで見てきました。とても良い内容なのでサンシャインシティ内の他の施設にも広げていけたらと思い、「てんぼうパーク」にも絵本を置いて、お客様に楽しんでいただいています。

リサイクル絵本は子どもたちから大人気!
たくさん動きたい赤ちゃんも安心のハイハイスペースです。

――部署や施設を超えて様々な取り組みが連動していて、サンシャインシティらしさが発揮されていますね!
 
篠原
そうですね。部署や会社を超えて話す機会も多いので、さまざまなことを気軽に共有できたり、一緒に取り組むことを考えるのが当たり前のようになっています。今回、池袋の第5の公園を目指すにあたって、地域との繋がりもどんどんと広がっていると感じています。

持続可能な施設を目指して

――リニューアルオープンして数ヵ月が経ちましたが、今後やってみたいことはありますか?

遠田
「てんぼうパーク」には芝生が広がる空間以外に、様々なイベントを実施できるスペースもあるんです。たとえば近隣の小学校と連携して、子どもたちが考えるSDGsのアイデアを披露するイベントなどやってみたら面白そうですね。「てんぼうパーク」はいろいろな人が訪れる場所なので、SDGsやサステナビリティについて発信して、多くの人に知っていただく場所にもなれると思います。
 
篠原
リニューアルのテーマでもありましたが、施設としてサステナブルでありたいと思います。これが一番、大切にしたいことです。サンシャインシティは親子3世代でご利用いただくことも多い場所ですが、今回の展望台のリニューアルで、よりすべての世代に優しい環境ができたと思っています。近隣の方はもちろん、日本中、世界中からたくさんの方が池袋に訪れるきっかけになれると嬉しいです。多くの方に愛されて、何十年先にも繋げていけるような施設を目指していきたいです。