AI時代の新しいマーケティング

本記事では、今までのITによるマーケティングの進化と今後についての考察と予測を記載しています。

近年、マーケティングの手法が飛躍的に進化してきています。

WEBサイトを持っていない店舗や企業の方が少ないくらいの時代となり、WEBサイトの訪問者数であるPV(ページビュー)といった今までにない指標に限らず様々な媒体や指標がITの進歩と共に出現してきております。

今や完全にTVや新聞などを中心としたマスメディアの時代は終わり、ネットの時代へと突入しました。

マーケティングの世界におけるこれまでの消費者の購買プロセスも、下記のように移り変わりました。

【マスメディア時代】
AIDMA(アイドマ)
注目→興味→欲求→記憶→購入

【ネット時代】
AISAS(アイサス)
注目→興味→検索→購入→共有
今までは特定のマーケティング施策を実施するにも結果の効果測定を行うにも膨大な作業と時間が必要でした。

しかし、今ではアプローチする顧客リストやその購買履歴などを収集するにも分析するにもExcelなど簡易なツールだけでデータの記録から抽出や分析まで手軽に行うことができます。
主には下記の2点がITの進化によるマーケティングの恩恵と言えるでしょう。

・機能、技術の進化
・コスト低下

2010年頃までは大量のデータを蓄積や分析するサーバーは高額な料金を支払って自社またはデーターセンターで保有しておりましたが今ではクラウド化され保有する必要がなくなりました。サーバーの機能が切り売りされ、資金に余裕の無い中小企業でも大企業と比肩するサーバーを保有してシステムを持つこともできるようになりました。

マーケティングだけでなく大企業がこれまで何十億と支払って構築してきたITシステムとほぼ同じような機能、性能の携えたITシステムが手に入る時代なのです。

また、マーケティング施策の仮説を立てる際に必要なデータもスマートフォンを始めとした様々なデバイスの誕生とデータベースの高機能化により簡単に収集して分析することが可能です。

しかしながら、まだまだマーケティングの専門知識、経験を持つ人間の援助がなければツールを適切に使いこなしたり、そもそも効果的な測定や解析は現実的では無いでしょう。
では次に今後のマーケティングの変化を見て行きましょう。

【今後のマーケティングの変化予測】
今後は、マーケティングにおける基本的なフローである下記のステップはAI(人工知能)によって人間の実行するステップが限りなく縮小されていくことでしょう。

1. 環境分析・・・世の中の状況を理解する
2. 戦略立案・・・どのターゲットに何を買ってもらうのか絞り込む
3. 施策立案・・・誰が何のアクションをするのか整理する
4. 施策実行・・・計画した施策を実行し、見える化する
5. 分析・改善・・・結果を分析し、改善する
現段階の物理世界におけるムリ、ムダ、ムラ、不快といった言葉で表される摩擦が無くなり、本来為すべき事に集中できるようになります。
論理的に正解を追求していく分野である最適化の世界は、既に世に出ている商品やサービスをより多く拡充する販売促進施策やチャネル拡大施策はAIとそのアルゴリズムによって完全に置き換えられるでしょう。

つまりは今後は人間がマーケティングできる領域はデータ化可能な過去の延長による未来の需要ではなく、非線形の全くこれまでと異なった需要を全く別のジャンルから組み合わせたり、創造していくことが大変重要になることだと考えております。

具体的にはマーケティングの対象となるターゲットにより近い位置にいて、主体的にどんな需要があるのか考えて創造するといったところでしょうか。

今後はクライアントとそのターゲットである顧客双方の状況を理解でき、一定のマーケティング専門知識と経験を備えたマーケターが必要となることでしょう。

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