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#9 オーブの行方①

 ティナとティノは、海岸沿いで目撃されたオーブを探すため、海辺まで足を運んでいた。クマの人形――ブルーノを抱えたティノは、ぱちくりと瞬きを繰り返し、広大な海を眺めている。

「こんなに海の近くまで来たのは、初めてだね」

 ティナは小さく笑って、ティノに話し掛けた。ティノは視線を動かさないまま、微かに頷く。どうやら、眼前に広がる海に夢中のようだった。

「オーブが目撃されたのは、この辺りのはずだけど……」

 ティナは辺りを見回した。視界に入る砂浜と海面が、きらきらと無数の星々を閉じ込めたように輝いている。オーブらしき影は、どこにも見えなかった。

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