s.s.

詩など投稿します。

s.s.

詩など投稿します。

最近の記事

  • 固定された記事

【詩】秋空

このまま どうしようか 僕は 手をつなぐ人ばかり増えていき そうしてみんな、離れていき ただ寂しさばかり ふくらんで こんなことなら つながりなど いらなかった そうおもっても それは しょうがないことだろう 今日は雨が 降っているから  こんなことを考えるのか 季節の変わり目だから  こんな風に病んでいるのか そんなこと、どうでもいい と言うように この空は めまぐるしく変化していく 夏が終わり 季節は 秋になろうとしている 夏の空のあの入道雲は いつの間にか

    • 幸せの瑕疵

      僕は いつのまにか 君のおかげで生きているのだと 思うようになった 幸せであることは 幸せであるけれど、 つまらない 人間に、僕をするのではないか しかし 幸せであることに 勿論 なんの不満もありはしない。 君の返信が来るだけで 心躍り、 君と会う時は すべてが楽しく、 いつ何時でも 君のことが不図、思い浮かぶ。 これはもはや依存であって、 そうであれば この幸せにも、瑕疵がつく。 この幸せが永久となればなんて、 そんなことを夢見る僕を どうか咎めて、 そうして、それ

      • 寂しい別れ

        さようなら 別れゆく人 私は離れたくないけれど 君が離れてゆくものだから 私たちは別れることになる まあ、きっと、私がいけないのだけど それでも、もう二度と会えないというのは さみしいなあ、と思う 君は 何をそんなに急いでいたの? 私は ゆっくりでよかった。 君は 遠くへ行って そうして 足をすべらせ 穴へ落っこち 見えなくなった さようなら ここにいた人 もう、いない人

        • 【詩】二者

          私 あなた 俺 お前 僕 君 対立する二つの存在 対立する、二つの存在 こんなに一緒にいるのだから 二人一緒になってもいいくらいなのに 相変わらず、私とあなたは二人のまま 僕と君も、俺とお前でさえ 俺とお前 あなたと私 お前と俺 私とあなた 君と僕 僕と君 二人いるから、対立する 今日もまた、飽きもせず 二人並んで、歩いてゆく

        • 固定された記事

        【詩】秋空

          【詩】風の詩

          空気の流れが見えたなら それはもう大変だろうけど 美しくて飽きないのではないだろうか 何かが動いた時に生じる波紋 風の吹く時の大きなうねり 凪いでいる時のわずかな揺れ それはもう多彩であって 見ていて飽きない ふとした時には、心奪われて もしかすると僕たちは 空気が見えないように進化したのかもしれない 見えていると仕事なんか手につかず ぼーっとしているだけで幸せだから そんな人間は淘汰されてしまったのかもしれない 人類としてはそれでよかったのだろうか でもやっぱり僕は、

          【詩】風の詩

          【詩】君

          おつかれさま と、言ってくれる君を 僕は まるごとのんでしまいたい と思う。 君は 僕にとって 彼女で 女の子で 大切な人で 僕の太陽 明るい花 その ぬくもりも あかるさも 艶やかさでさえ 僕のものに 僕の中に 取り込んで 一緒になりたい と思う。 君は僕 もうひとりの 僕という君

          【詩】君

          【詩】入道さま

          目の前の空に広がる ひどくおおきな入道雲 入道様のようです。 まっしろな表面と 陰影 とてつもなく高く 高く 空に伸びて 大きな 大きな 入道雲です。 夏の 私の 目を輝かせる 夏の 大きな 空色の まっしろな 神様。 はい、入道さま です。

          【詩】入道さま

          【詩】あつい。

          あつい あつい あ、、暑い ああ。 あつい、あついよ。 蚊も飛ばない暑さだ あつい どうやって暮らせというのか 外は蒸し風呂 部屋は、涼しい クーラーで冷えて乾燥した部屋 一歩外に出れば、 あー、あつい あつすぎる、、、 あつすぎるよね??? 何か、悪いことした?

          【詩】あつい。

          【詩】月夜

          月はひかり輝いて 空は群青 雲はゆっくり動いている 街灯は 私たちの街を 均等に 均一に 明るく照らす こんな ありきたりな夜 凡庸な詩 今はそれでさえ、愛おしい 月は輝き 空は群青 雲はゆっくり動いている 街灯は 空を 街を 私を 明るく照らす

          【詩】月夜

          【詩】夏の雫

          冗談みたいに夏を蹴り上げ、入道雲は西瓜みたくパッカリ割れた。 快晴の青空ばかりが僕を見下ろしていて、内心の温度は氷点下を記録する。 そんな僕の身体を削って作るかき氷は暑い夏にぴったりで、この暑い中行列ができ、僕のけずりかすは飛ぶように売れている。 あー、そんなに買われると困っちゃうよお。 嬉しそうにそう言って、僕はシャリシャリと降り落ちた。 そうして静まりかえった炎天下のアスファルトに、ポツポツと夏の雫は降り始め、しまいにはザアザアと、通り雨はぬかるみを叩き、ぬかるみはまた僕

          【詩】夏の雫

          【書付】第19回「文芸思潮」現代詩賞

          つい先日、文芸思潮から封筒が届いた。 5月末、詩の賞に応募したことを思い出す。 そういえばアジア文化社という社名だったな、と思いながら 封筒を開けると、第二次選考を通過いたしました、という知らせだった。 その瞬間は嬉しかったのだが、 同封の定期購読のお願い、批評コメントご希望の方へ(費用5000円)、 インターネット掲載について(1作品2000円) を見て、まぁ、そういうことなのだな、と感情はすぐに冷めてしまった。 そういえば、応募にも1500円が必要であった。 詩という

          【書付】第19回「文芸思潮」現代詩賞

          【詩】安寧の音

          激しい雨音を聞きながら眠りにつく こんな贅沢があろうか 鳥はどこにいる 虫たちは 野良猫は 何処 これは人間だけに許された 安寧の象徴なのだ 私が何をした 何もしていない 集積された安寧の中でほくそ笑んでいる 何と情けない末裔か 私が何をした 何もせず、この安寧の中にいる この罪悪感、お前は感じるか せめてもの感謝を誰に届けよう この社会に? ならば歯車となるために働こう このどうしようもない社会のために命を尽くそう 激しい雨音はさらに強く 荘厳な打楽を奏でる いまはこ

          【詩】安寧の音

          【詩】濃緑

          木々は鬱蒼として 色の濃い花々が咲き始める 草は空に向かって伸びてゆき 草原は草叢となろう 木陰の濃さにつれ 植物の色も濃く、濃くなり みなギラギラと命をふるわす    夏 夏が始まる

          【詩】濃緑

          【詩】かろやか

          何もかも置き去りにして走り抜けたい そんな軽やかな思いが頭をよぎる こんなふうに風を受けて、ずっと走っていられたら それはもう素晴らしいことではないか 懸念などなく あるのは過ぎゆく風景と空ばかりで 軽やかな私 爽やかな風景の中にある

          【詩】かろやか

          【詩】煙草

          あなたは煙草を吸う人 いつも、煙草の匂いを纏っている そんな体に悪いもの、やめたほうがいいよ と言っても 適当な相鎚ばかりで あなたが吐く煙は、空気に滲んで 空へと消える いつだったか、私のお気に入りの服を焦がしたことがあったね あなたが必死に謝るものだから、 その時の私は、怒りなんて感じもしなかった 前を行くあなたのポケットからは、キャメルの箱が覗いている そういえば、二人でいたって、 あなたが煙草を吸うとき、 決まって私、ひとりになる あなたは煙草を吸う人 煙

          【詩】煙草

          【詩】つめきり

          爪切りを使って パチパチと 爪を切る 白い部分は残した方が良いなんて聞くけれど きれいに切ってしまうのが好き 指先は きゅっと締まるようで 気持ちがいい 爪の色は きれいなピンク色 今の私はどうやら健康なようだ 爪切り 爪を切る行為 生活の中にある ひとつの快楽

          【詩】つめきり