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【詩】安寧の音

激しい雨音を聞きながら眠りにつく
こんな贅沢があろうか
鳥はどこにいる
虫たちは 野良猫は 何処
これは人間だけに許された
安寧の象徴なのだ

私が何をした
何もしていない
集積された安寧の中でほくそ笑んでいる
何と情けない末裔か
私が何をした
何もせず、この安寧の中にいる
この罪悪感、お前は感じるか

せめてもの感謝を誰に届けよう
この社会に?
ならば歯車となるために働こう
このどうしようもない社会のために命を尽くそう

激しい雨音はさらに強く
荘厳な打楽を奏でる
いまはこの贅沢を
はい、明日のため
楽しみ、眠ろうか


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