クラシック音楽入門:出オチなSNS映えクラシックで苦手意識を和らげよう
クラシック音楽がつまらないのは、あなたのせいじゃない。出会い方が悪かっただけなのです。
前提 「SNS映えするクラシック音楽」とは?
「SNS映え」は下記3点が満たせていること、と一旦定義をします。
“ほぼ出オチだけど素敵な演奏”くらいのイメージで、ご紹介する2曲お聞きください。知識がなくても全く問題ありませんのでどうかご安心を。
1.そんなに長くない
2.楽しげな雰囲気
3.冒頭から見た目か音がヤバい
入門① カスタネットの概念がこわれる『カルメン』
『カルメン』というのはオペラで~~~とかいう前書きは一切不要。
とにかく「なんだこれは」「このオバサン、ヤバい」と思ってもらえるだけで十分です(演奏は34秒ごろから)。カスタネットうますぎだろ・・・
入門② ザ・出オチ。『スターウォーズ』メドレーをギター独奏で
みんな大好きスターウォーズ。でもこの演奏は、ちょっと意表を突かれるはず。「イントロそれかい!」という嬉しい驚きと、「一体どうしたらそんな音が出るの」と謎を呼ぶ驚き。その2つが開始5秒で味わえます。
「これをクラシック音楽と呼んでいいのか!」と疑問のあなたへ。今回は入門篇ですので、間口を広げて新たな友を歓迎しましょう。
SNS映えは“クラシック音楽”への苦手意識の突破口
いわゆる“クラシック”がニガテに感じる原因は、大きく2つあります。
1.長い。飽きる。退屈。
2.歌詞がないから意味不明。エモくない。
この2つは「短時間で」「意味が伝わる」ことに価値が置かれるSNS時代おいて非常に相性が悪い。
本当はエモい曲もたくさんあるのですが(例:序曲『1812年』)、サビに至るまでが長くて退屈な上にストーリーが分かりにくいときたら、違う曲に変えたくなるのが人情というもの。そうした曲を音楽の授業やコンサートなどで「分からないまま最後まで黙って聞かされる」からこそ、クラシックに嫌悪感が生まれるのだと思います。
でも、冒頭でご紹介したような「SNS映えする曲」なら、クラシックでも気楽に楽しめたのではないでしょうか?
入門としては「こんな音楽もあるんだ」という発見を機に、クラシック音楽に対する苦手意識がちょっとでも外れたなら幸いです。
発展 クラシック音楽の本質は大喜利
ここからは、クラシック音楽に興味を持った方向けに、素敵な名演奏に出会うためのヒントをご紹介。
クラシック音楽の面白さとは、同じ曲を違う演奏者が弾くと全く別の曲になることと考えています。つまり作曲者が楽譜に記した「お題」に対し、演奏者が何をどう解釈して演奏するか、といった知的ゲームこそクラシックの醍醐味です。なので、以下の順序で掘り下げていくのをオススメしています。
1.気に入った曲を見つける
2.同じ曲を違う人の演奏で聞き比べて、好みの演奏者を見つける
3.好みの演奏者が弾く別の曲をあれこれ聞いてみる
4.その中で新たに好きな曲や、好きな作曲家を見つけてみる
2.の聞き比べにについて、『トルコ行進曲』を例に説明します。
まずは30秒とか1分だけでよいので、フジ子・ヘミングの演奏をお聞きください。「なんか聞いたことある」「そうそう、こんな曲だよね」と思っていただければOKです。
比較対象はこちら。冒頭から明らかな違いを感じるはずです。
お聞きいただいた通り、同じ曲でも弾き手によってこれだけ表現が変わるのです(どちらが良い・悪いといった優劣とは関係なく)。この自由さ、つまり新しい解釈をどんどん発見していけることこそが、クラシック音楽の面白さ。1つでも好きだと思える曲が見つかったら、次はぜひ好みの演奏者を見つけてみてくださいね。
この先の人生、よき音楽との出会いがありますように。
(おまけ)
元々は「邪道の『クラシック入門』:クラシックがニガテなら、ロックを聴けばいいじゃない」というテーマで書こうとしていましたが、気が付いたらこの通り(今回もよっぽど邪道かもしれませんが)。
もしロックを突破口にクラシックへの道を切り開いてみたい、という方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントやTwitterでお知らせくださいね。
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