見出し画像

【独学】簿記2級合格したレポ【9割越え】

まったくの簿記初心者が独学で3級合格を経て2級にチャレンジし、自己最高点の92点で1発合格しました。
Twitterで質問もいただいたので使った教材や勉強法などをまとめました。
独学ということでモチベーションにおいてけっこう苦戦したため、そこについても触れています。

▽簿記3級合格までのレポはこちら

勉強時間と期間はどれくらい必要か?

簿記2級について調べると合格には200時間程度の学習が必要と書かれていました。
しかし自分の生活習慣やなまけ具合を考慮すると、目標である3か月以内では勉強時間を200時間も確保することは難しく思いました。
そこで2.5時間/日×週6日×3か月=180時間で合格まで狙いたいと考えました。

しかし実際ははじめにさぼってしまったため、合格まで合計232.5時間、5か月ほどかかりました。
詳しくは後述しますがYouTube動画は必要ではなかったと思うので、コツコツやっていれば180時間で合格までいけたかもと思っています。
実際の内訳などを振り返りつつ、より詳しく考えていきます。

実際の学習時間から考える

総学習時間 : 232.5時間(h)
(月別内訳)
4月11h / 5月40.5h / 6月71.5h / 7月41.5h / 8月68h
(内容別内訳)
・参考書、テキスト、模擬試験など : 115h
・アプリ、CPAラーニング動画講義など : 42h
・YouTube動画を流し見 : 75.5h
(※記事上部のツイートでは、YouTube動画を流し見は66.5hでしたがこちらが正しいです)

月別内訳を見てみると、
4月:まだ試験まで時間あるし、他にやりたいことあるから勉強は後回し
5月:さすがに勉強やらないとまずい
6月:やる気おきない・・・YouTube動画を流し見=勉強時間としてしまえ
7月:さすがにちゃんとした試験勉強やらないとまずい
8月:試験まで時間がない!理解も深まっていない!やばい!
といった過去の自分の姿がありありと映し出されています。(笑)

筆者は「合格には180時間必要」と考えすぎて、勉強時間が届いていない状況がストレスだったので、YouTube動画を見ることで勉強時間を確保して180時間に近づけていくという荒業に出ていました。
しかし実際はほとんどの時間はYouTube動画をBGMのように流して、簿記勉強以外の作業に集中していたので必要な時間(勉強)ではありませんでした

そう考えると6月分の71.5時間はほとんどYouTube動画視聴でしたので、大体70時間程度は無駄に勉強時間に加算していたとも考えられます。
232.5 ー 70 = 162.5時間 となるので、YouTube動画から得た知識を他の勉強方法で補ったと考えたとしても、180時間で2級合格は十分可能と思われます。

しかし当初の考えのように3か月で合格まで行けたかというと、自信がありません。
コンスタントに学習を続けることがとても難しいからです。
特に筆者のようにモチベーションの維持が難しい(誘惑に負けやすい)人の場合は、3.5~4か月の猶予をもっているとより安心だと思います。
(5か月かけるのは中だるみもあるし飽きるのでおすすめしません)

4か月かけるとなると180時間以上の勉強時間も確保しやすいと思うので、簿記初心者が2級合格するには、200時間(3.5~4か月)必要である!と言えると思います。
※3級の知識を得ている前提の話です。

独学は本当にいい?使ったお金とコスパを考える

簿記検定の受験は趣味の一環(?)なので受験料は自己負担です。
スクールや通信講座は行わずに費用を抑えた独学での合格を目指しました。
しかしながら全くの簿記初心者のため、学習を全て自力で行うことは効率が悪いと考えて、簿記3級試験でも使用した『みんなが欲しかった!』シリーズの教材を購入しました。
以下にその金額をまとめています。

・簿記の教科書 2級 商業簿記 : 1,540円(▲400円)
・簿記の教科書 2級 工業簿記 : 1,540円(▲900円)
・簿記の問題集 2級 商業簿記 : 1,430円(▲940円)
計 : 4,510円(▲2,240)

購入代金の横の(▲円)はメルカリに出品して売れた金額です。
使い終わった教材は持っていてもしょうがないので、使用時に書き込みなどをせずに学習後にフリマサイトへ出品しています
(送料・手数料は含めていません。)

実際かかった費用は売れた金額を教材の代金から差し引いて算出できます。
今回は、4,510 ー 2,200 = 2,310円 が試験対策の費用でした。
ここに試験代金の5,270円を足した7,580円が合計金額です。
簿記3級と合わせると大体12,000円程度かかっています。

(参考)簿記3級試験での支出
・簿記の教科書 3級 商業簿記 : 1,100円(▲720円)
・簿記の問題集 3級 商業簿記 : 1,100円(▲500円)
・無印良品 電卓 12桁 : 990円(▲990円)
試験対策費用合計 : 3,190円(▲2,210円) ➜ 980円
・日商簿記3級検定試験 : 3,400円
簿記3級合計 : 6,590円(▲2,210円) ➜ 4,380円

ネットを軽く検索すると簿記検定の有料講座だけで1万円程度なので、費用を抑えることが十分に出来ています。
ただ、独学では気づかない費用があるように思っています。

「自宅では集中できないから」といってカフェなどに行くとそれだけで500円程度使ってしまいます。
(図書館など無料の場所に行けば関係ありませんが、環境がよくなかったり満席だったりします)
週に2回行くと3か月で10,000円以上かかる場合もありえます。
また、勉強になかなか取り組めずに試験に落ちてしまうと追加で料金がかかります。

そう考えると、学習環境を確保できる+学習が継続できる有料講座もありだと思いますが、通信制の講座は無料でもいいものがたくさんあります。
学習をする場所を考えて独学で試験に臨むことで、予想外の費用を抑えられるかもしれません。

やってよかった勉強の仕方と反省

参考書・テキストを一読して大まかな流れをつかむ

本題に入る前に工業と商業どちらを先に取り組むかについてですが、筆者にとっての結論は「工業と商業の両方をちらっと見たうえでとっつきやすそうなほうから取り組む」でした。

・商業簿記・・・3級の延長らしいが全くわからん
・工業簿記・・・新しい分野。わかるかも?と思わせておいて途中からややこしい。
という3級と比べると内容が難しい!(当たり前)
とりあえず1回(参考書を)読み切ろうと思っても、(商業と工業で)2冊もあるし難しいしでなかなか読み進むのが大変でした。
(中略)
1回読んだ感触で工業簿記の方が簡単に感じたので先に工業簿記をまとめはじめました。

簿記2級合格にむけて【途中経過】【くじけそう・・】より

簿記3級の試験勉強でも行ったのですが、まずは参考書を一読するのがおすすめです。
理解はしなくてもいいので、とりあえず全体像をつかみます。
そうすることで以後の学習が効率よく進むと思います。

参考書を読み進めることが困難な場合は、CPAラーニングなどの無料の講義動画を一巡するのもいいかもしれません。
ただ動画視聴は時間がある程度かかるので、自分のペースでできる参考書の方が筆者はおすすめです。

筆者はその後2巡目として、ノートに要点をまとめながら読みます
そうすることで理解は深まり、基礎問題程度は解けるようになりました。
ノートまとめは向き不向きが大きいと思うので代わりに分からなかった単元を動画で視聴するのもいいと思います。

仕分け問題はアプリなどでスキマ時間にやる

机に座って勉強を始めるのはハードルが高いですが、スマホのアプリなどは比較的簡単に取り組むことができました。
なので、夜ベッドに入った後の十数分間にSNSをチェックした流れで仕訳問題を行っていました。
知識の確認というよりは、ひたすら仕訳をやることで理解していない問題が分かってくるというイメージでした。
分からない問題は翌日にノートへまとめたり、動画で確認すればOKです。
1日10分でも効果はあるように思います。
なにより簡単なことでもちゃんと勉強することで自己肯定感につながり、モチベーションもあがりました。

CPAラーニングでわからないところを確認する

参考書やテキスト、仕訳アプリで基礎的な知識がついても、いざ試験問題を解くと全く分かりません。
そんな時に筆者はYouTube動画に寄り道してしまいましたが、CPAラーニング(無料)を活用することを提案します。

具体的には、
・第2~5問によく出てくる問題にかかわる動画を何度も見返して理解する
・問題集をダウンロードして解く&どうして間違えたのかを確認する

を繰り返します。

筆者はケチって工業簿記の問題集を買わず、あまり手を付けてこなかったため、試験の直前まで工業簿記が苦手でした。
しかしこのままではだめだと思い、こちらの動画(特に標準原価計算、直接原価計算、CVP分析)を見て、問題を解き、どうして間違えたのか自分で考えて解きなおしたら、本番の模試で第4問28点、第5問12点と満点をとることが出来ました。

とにかく模擬問題を解きまくる

筆者は当日の試験前に模擬試験を4つ解きました。
簿記の問題集に付いていた3つの模擬試験とCPAラーニングに記載してある3つの模擬試験の計6つの模擬試験を試験当日までに2周しました。
模擬試験を解きまくると書きましたが、手当たり次第に新しい問題を解く必要はないと思っています。
いくつかの模擬試験をしっかり解くことで問題の傾向をつかみ、スムーズに解く練習をする方がいいと思います。

筆者の勝手なイメージですが、簿記の問題集の模擬試験は王道な問題傾向で、CPAラーニングの方は少しマニアックな問題傾向に感じました。
(取り組んだ順番が関係しているのかもしれませんが・・・)
筆者は簿記3級の試験の際に、簿記の問題集の模擬試験しか行っておらず、違う傾向の問題が出てテンパったので、少なくとも2種類以上の教材から模擬試験を行う方がいい気がします。
実際に筆者が受けた試験では、CPAラーニングと似た傾向の問題が出ました。

模擬試験をするときに気をつけていたことは、以下のことです。
・各問題を解くのにどれくらいの時間がかかっているか確認する
・メモは本番を想定して必要最小限にする(何を省略して何を書くか自分ルールを決める)
・必ず答え合わせ&どうして間違えたのか確認までする

例えば、筆者は大体
第1問:5分➜第4問:15分➜第5問:10分➜第2問:30分➜第3問:30分
というような流れで模擬試験を解いていました。
自分の時間配分が分かると試験で焦りも少なくなります。
(当日も大体このペースで進めることが出来ました)

メモの書き方も統一しておくといいと思います。
筆者は基本第2・3問の仕訳は省略せずに書いてました。
また、差異やCVP分析、原価計算の問題などは必ず図を書きます。
時間はかかりますが、書かないで解くと訳が分からなくなってしまうからです。
いつも同じように書くことでケアレスミスを防ぐことができます。

他にも事前にCPAラーニングのネット対策動画を見ておくことが出来てよかったと思っています。

モチベーション維持のために行ったこと

計画を細かくたてる&細かく振り返る

筆者はすぐになまけてしまう性格なので、細かく計画をたてて危機感をもつようにしました。詳しくは別記事にまとめています。

▽簿記2級中途レポはこちら

YouTubeで勉強をしているふり作戦

前述したようにYouTube動画の視聴は「必要」ではありませんでしたが(CPAラーニングで上位互換できた)なんとなく簿記のことを生活に取り入れることで「ちゃんとやらないとな」と思えたきっかけにはなりました。
また、しっかり聞いていると教科書などでは分からなかった問題も違う視点で解説しているため、行き詰まりの解消にもなりました。

▽ふくしままさゆきさんYouTube

番外編:これで試験に合格できた!?

試験をずらす作戦

筆者は当初4月から学習をはじめて6月末に受験の予定でしたが、6月末の時点で模擬試験を全く解いていない状態だったため、7月末に延期➜8月末に延期をしています。
あまり延期しすぎると緊張感がなくなりますが、へたに落ちてやる気がなくなるくらいなら、1か月延期するのもありかもしれません。
(7月末に受けていたら確実に落ちてました)

運がよければ受かると信じる(笑)

筆者は運よく92点という高得点で合格できましたが、実は試験日の前日まで模擬試験では6割程度しかとれませんでした。
ただCVP分析は得意になっていて満点をとれる自信があったし、連結会計も苦手ではなくなったので、得意な問題が出てくれれば受かる!といった気持ちで試験にのぞみました(笑)

人事を尽くして天命をまつ、ではないですが、やるだけやったら天に任せて、試験中に動揺しないようにメンタルをコントロールするのもありかもしれません。

仕訳は見直してから次に行く自分ルール

実際の試験は時間が余ることは少ないかもしれませんが、筆者は仕訳で必ずケアレスミスをするので、第1問と第4問の(1)は必ず解いた後にすぐ見直しをします。
一度他の問題にいってしまうと時間がなくなり冷静に見直せないと考えたからです。
こういった自分の解き方の順序やルールをあらかじめ決めておくのもいいかもしれません。

疲れた時はうさぎの動画を見て癒されましょう🐰💛 (犬も猫も鳥も爬虫類も…みんなかわいいですよね)