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やさぐれ日記 #59 母との夜散歩

日が暮れてから、母と散歩に出かけた。

田んぼの周りのお決まりコースをぐるりと一周だ。

田んぼには水が張られていて、蛙の合唱というより大合唱、低い声から高い声まで、みな水を喜んでいるみたいだ。

そういえば昼間通ったときは鳴いていなかった。蛙って夜に鳴くものなんだ。

それなりに季節の移り変わりを感じて、もう少ししたら蛍だね、という話になった。

うちは田舎で、昔よりは少なくなったけど、梅雨時になるとまだ蛍が飛び交う。

蛍って梅雨の前だっけ、梅雨になってからだっけ、という話に親子2人とも答えが出なくて、いったい何年生きているんだかと笑い合った。

そして何故だか、私も母も、それぞれ齢の違う人間の個体なんだなぁ、と実感した。

街頭のない暗い道を、夜の涼しさを感じながら母と横並びに歩く時間は、こそばゆいけど私の好きな時間だ。

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