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一人社長の社会保険加入の手引き

一人社長がしなければならないこと

代表取締役1名の会社を設立した際は、社会保険の新規適用の手続きが必要です。

より細かく言えば、会社を設立して、役員報酬が発生した段階で、一人社長は、設立した会社の社会保険に加入しなければなりません。

なお、ここでいう社会保険とは、健康保険(insurance)と厚生年金保険(pension)を総称しています。会社の社会保険に加入する場合、この2つはまとめて手続きすることになっています(つまり、どちらか一方のみ加入する、ということはできません)。窓口は年金事務所です。

それぞれ、個人事業主の場合に対応するのが、国民健康保険(insurance)と国民年金(pension)です。後述します。

では、社会保険に加入するためには、具体的にどのような書類を提出すればよいのでしょうか。

必要な手続きは、
①「法人」を適用事業所にする
②「社長」自身の被保険者の資格を取得する
③「社長」の被扶養者の資格を取得する
 (※③は被扶養者がいる場合のみ)

の3つです。

それぞれ、
新規適用届(A4ヨコ2枚(白黒))
資格取得届(A4タテ1枚(緑色))
被扶養者届(A4タテ1枚(青色))

を提出します。記入するにあたってイメージが掴めるよう、具体的に確認しましょう。

①新規適用届…「法人」の適用事業所の設置

適用年月日、事業所名称・所在地・電話番号、代表者氏名、住所、法人番号、給与支払形態(役員報酬の場合は月給)、給与の締め日・支払日、事業所の所在地略図等を記入します。

会社の代表印を押印。枠外に捨印を押しておくと窓口で修正が発生した際にスムーズかもしれません。

新規適用届

新規適用届2

添付書類として、
・登記簿謄本(履歴事項全部証明書)(3ヶ月以内の原本。ただし、電子申請の際はPDF添付で可。)
・法人番号がわかるもの(国税庁法人番号公表サイト(https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/)の該当ページを印刷したもの)
を用意します。

謄本上の所在地と届け出る事業所の所在地が異なる場合、別途、賃貸借契約書のコピーなど、所在地が確認できる資料も必要です。

②資格取得届…「社長」の被保険者資格の取得

資格取得届

「被保険者1」の欄に氏名、生年月日、性別、個人番号(マイナンバー)、取得年月日(一人社長の場合、①の適用年月日と同じです)、役員報酬月額を記入します。

取得区分は①健保・厚年に丸をします。

提出者記入欄には事業所所在地、事業所名称、事業主氏名(代表取締役 〜〜)、電話番号を記入します。

押印は①と同じです。

③被扶養者届…「社長」の被扶養者の資格取得

被扶養者届

「事業主記入欄」「A.被保険者欄」に②と同じように記入・押印します。

<配偶者>

B欄に氏名、生年月日、個人番号(マイナンバー)、住所(同居 / 別居)、電話番号、職業、年間収入、被扶養者になった日(②の取得年月日と同じです)、その理由(=配偶者の就職に丸)を記入します。

続柄確認済みの欄に✔︎を入れます。「所得税法上の控除対象配偶者・扶養親族」である場合、事業主確認欄に丸をすれば、年収の証明書類を添付する必要はありません。

「所得税法上の控除対象配偶者・扶養親族」については、年収が103万円以下の場合がこれに当たります。詳しくはこちらの記事等でご確認ください。年収がこれを上回る被扶養者の場合、年収を証明する書類を添付します。(課税証明書、直近3ヶ月の給与明細、等)

備考欄に「届出意思確認済み」と記載することで、配偶者の方の押印を省略できます。

<配偶者以外(子など)>

C欄に記入します。記入事項は配偶者の場合と同じです。続柄確認済みの欄に✔︎を入れます。

保険料の納付方法

保険料を口座振替で納付する場合には、「健康保険 厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書」を提出します。なお、原本は3枚綴りの複写式となっています。

口座振替納付申出書

(補足)ネット銀行は口座振替対象外のケースが多いです。納付スケジュールについても併せてまとめていますので下記ご参照ください。

提出と提出後の流れ

書類の提出先は、事務所の所在地を管轄する年金事務所です。管轄は、日本年金機構のHPから確認できます。

書類の提出後、おおむね2週間程度で、以下が事業所住所宛に届きます。
・手続きが完了した旨の通知書 (普通郵便)
・保険証 (特定記録郵便)

保険証は、本人の住所ではなく会社宛に届く点には注意しましょう。

役員報酬と社会保険料

健康保険料と(40歳以上の方は介護保険料も徴収されます。)厚生年金保険料は、報酬の月額を元にした等級表によって決定されます。

一人社長の場合、大半が全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入することになります。等級表(保険料)は、都道府県によって異なります。

<全国健康保険協会(協会けんぽ)等級表>
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150/r02/r2ryougakuhyou9gatukara/

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(上記は東京都の等級表です)

月額報酬の約30%を、社会保険料として納めるとイメージしておくと分かりやすいかもしれません。(それを、会社と被保険者が半分ずつ負担します。)

役員報酬を決定する際には頭に入れておきましょう。

なお、役員報酬の支給の際には、社会保険料のほか、所得税、住民税(特別徴収の場合に限る)も控除する必要があります。

(一人社長の報酬額の決め方、それから給与計算をテーマに、税理士の竹市さんと以前収録しました。参考になれば幸いです。)

国民健康保険の資格喪失手続きも忘れずに

会社員から空白期間なく会社設立する場合は、前職の会社が社会保険の資格喪失手続きを行うため、特に勘案する必要はありませんが、個人事業主の状態からこの手続きを行う場合、国民年金国民健康保険の資格を喪失する手続きを自身で行わなければなりません。

上記手続きの完了後すみやかに、住所地の市区町村役場にて、国民健康保険の資格喪失手続きを行いましょう。

国民年金については資格喪失等は不要ですが、例えば保険料をまとめて前払い(前納)していた場合、返還手続きが必要になることがあります。


初めて人を雇用するときは

人を雇用するときの手続きは、こちらの記事を参考にしてください。




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かなやま / ヨルベ

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社労士事務所を経営しています。note目標は「人事労務をわかりやすく」。スタートアップの労務に注力。アクセラレータープログラムのメンター業務なども頑張っています。ポッドキャスト『HR on the ball』📻 https://classwork.news