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人事部が副業をあっせんする?会社主導の副業促進事例

本記事は、1月17日に配信したポッドキャストの文字起こしです。

ライオンのニュース

金山:日経で“ライオン、人事部が副業紹介。本業での貢献を期待”というニュースがあって。

金山:説明していいですか?簡単に。

安達:はい。お願いします。

金山:ライオンあるじゃないですか。

安達:はい。会社のライオンですね。

金山:会社のライオンです🦁

2020年の春をめどに社員に、人事部が副業を紹介する制度を始める・・・春だからもうすぐですよね。その外部の人材紹介会社と提携して、人材紹介会社が人事部にまず副業を紹介する。「こういうのがあります」と。それで人事部がその社内サイトとかで募って社員に紹介して、社員が申告することで副業するという。大体、副業って自分が探してくるものじゃないですか。

安達:そうですね。

金山:だけど、会社としてもそういう相乗効果を生むために良さそうなものを会社の側から主導で。

安達:どんな仕事を紹介してくれるんですかね?

金山:記事にあったのは、デザイナーが社外のロゴ作成をしたり。あと、これは面白いなと思ったんですけど、人事部の経験者は地方の旅館で人事システムの導入を支援するために月数回働くみたいな。いろいろありそうですよね。

安達:今の業務を生かせるということですね。

金山:そう。だから「頑張ってきてください。会社の方に、本業の方にいい影響を与えてください」みたいな。

安達:すごく画期的ですね。

金山:画期的ですよね。そういう制度を作るために先立って、1月から。今月ですよね。副業を申告制に変更したと。

副業兼業についてモデル就業規則はどう変化した?

ちなみに、その副業・兼業というのは国のほうでも推進していきましょうという気運になっています。

例えば、厚生労働省がモデル就業規則というのを示しているんですが、そのモデル就業規則の中で、平成30年1月以前のバージョンで副業・兼業についてどういう書き方をされていたかと言うと、社員に懲戒処分を行うときは、その前提として遵守事項みたいなものを設けておかないといけないんです。その遵守事項の中で、許可無く他の会社等の業務に従事しないこと、というふうにモデル就業規則内ではうたっていたと。つまり許可制ですよね。

安達:そうですね。

金山:なんですけど、副業促進ガイドラインとかを作っていったのを受けて、まず、その規定を削除して、モデル就業規則を平成30年1月に改訂したんです。改訂版では、67条(副業・兼業)という規定も新設しました。

何と書いているかと言うと、まず第1項で「労働者は勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。」。だから原則できると。第2項で「労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。」。つまり届出制なんですよね。

なので、今後は今の規則とかで許可制にしているところが多いと思うんですけど、どんどん届出制になっていくんじゃないかなと。今すぐ、許可制でだめということはないけど、今後は多分。

安達:だめなところも、まだありますよね。

金山:だめなところ、まだまだ多いと思います。

安達:そうですよね。

金山:ちなみにモデル就業規則の67条の第3項で、副業がだめな理由、会社が禁止することができる理由というので4つ列挙していて。これは結構、副業を考える上でいい題材になるなと思います。

その4つのうち1つ目が「労務提供上の支障がある場合」。例えば、夜に働いて昼の仕事に差し支えるとか。2つ目が「企業秘密が漏洩する場合」。3つ目が「会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合」。4つ目が「競業により、企業の利益を害する場合」。

安達:そうですよね。

金山:そうですよね。届出制にするのは、労働者が主体的に副業・兼業して自分の仕事を自分で主体的に決めていきましょう、みたいなことも当然、大切なんですけど。ただ会社としては、労働時間の管理を行う必要があるので。ということもあって、届出制がベスト。副業リスクも結構ありますからね。逆に厳しい許可制にしておくことで、許可されないからこっそりやろう、みたいなことが今後は怖いのかなと。

安達:確かにそうですね。

ニュースへの感想

金山:なので、そういう思惑もあって会社としては社員の副業をしっかり管理していくことが今後、管理というか把握していくことが必要になるから、ライオンもこういう仕組みを作ったのかなと。せっかく本業に生かせそうなものだったら、会社のほうからも良さそうなものを斡旋した方が。

安達:管理しやすいですよね。

金山:ただこの辺は、こういう制度、仕組みが今度増えていったときに、辞めさせたい社員とかに副業めちゃめちゃ斡旋するとか。そういうことにもなりかねないんじゃないかという意見もあって。「ああ、なるほどな」と思いました。難しいですよね。

安達:ですね。




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