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整体のお店のリニューアル ①

整体&エステのお店を営んでいるオーナー様から、新規事業を始めるにあたり店舗をリニューアルしたいとの相談を受けました。

今までの整体のメニューに加え、新しくハーブを使った体調改善の事業をスタートされるとのこと。
今までは商品の販売はないお店だったのですが、新しい事業ではハーブやアロマ製品を陳列するスペースが必要となります。また、お悩みに合わせたハーブを調合するのでカウンターも使いやすいものにしたいとのご希望でした。

それから長年同じところで営業してきている中で古くなったり見栄えが悪くなったりで気になるところも増えてきたので、新規事業スタートを機によりリラックスできる空間を作りたいと、家具や照明、雑貨とトータルでコーディネートをさせてもらうこととなりました。


まずは改装前。入口から見た店内です。

壁、天井、床、全て木が貼られているログハウスのような内装です。
改装前は長年営業しながら買い足していったカラーボックスや家具で統一感がない雑多な印象。ごちゃごちゃ感がオーナーさんも気になっていたようです。

私のお店もそうですが、営業していると知らず知らずにカタログや書類が増えてきて、それを入れる棚を増やしていったりと知らず知らずのうちに乱雑になっていきます。
こういったリニューアルはそれをスッキリと解消するいいチャンス。逆にいうと、リニューアルなんかがないとといつまでもそのままなんですよね・・・

お店はお客様に気持ちよく過ごしてもらうスペースですから、店内がどう見えるか客観的に見て定期的に見直していくことが重要ですね。

それからオーナーさんがとても気にしていた点が照明。
写真ではわかりにくいのですが天井の照明が蛍光灯だったためリラックス感がないというのがお悩みでした。
元々は事務所が入っていた物件なのでオフィスで使うような蛍光灯が4つほど設置されていました。
天井からの蛍光灯は室内を満遍なく照らし、影が出にくく、隅々まで明るくしてくれるのでオフィスワークに向いています。しかしリラックス度という点ではマイナス。こちらのようなリラクゼーション系のお店には合いませんので照明も変更することにしました。

室内のレイアウトとしては、入って右手はカウンセリングなどする接客スペース、左手には整体の施術ベッドがあります。その間はカーテンで間仕切り。これもスッキリさせたいとのことでした。


ということで、こちらが改装後。

正面には大きな棚を配置。新しく取り扱いを始めるハーブなどの商品を陳列します。入店してすぐに目に付くこの棚で、既存のお客様にも新しいことを始めたというのがわかるようにしました。

カーテンだった施術スペースとの仕切りは、一部、壁を立ててスッキリとさせました。
この仕切り壁は白色に塗装しています。
壁・床・天井が木でできているログハウスのような内装は木の温もりがある一方、全体的に同じ色でメリハリがありません。
「白」を入れることで色彩に軽さが感じられるようになり、清潔感も生まれます。

右手奥のレジ兼作業台のカウンターも白く塗装した木を使っています。さらにチラッと見えているラグも白にすることで、「白」の分量を増やし、軽やかで明るい印象にしました。

カウンター上の照明はボリュームのあるものに変更。ガラスシェードで光を優しく拡散してくれます。
天井の蛍光灯は全て取り外し、間接照明やスポットライトを設置しました。

商品棚の上にはライティングレールを設置しスポットライトを2つ、棚に光を当て商品を目立たせています。
また、商品棚にテーブルライトも入れています。
人間は灯りのあるところに目がいく習性があるので、棚に照明を組み込むことでそこにパッと目がいき興味を持ってもらうことができます。
見せたいところに光を置く。店舗の商品陳列では使えるテクニックなんです。

接客スペースにはソファとサイドテーブル、そこにテーブルライトを配置しました。天井から大きな照明で全体的に照らすのではなく、いくつか明かりを点在させることで光と影が生まれ、リラックスできる雰囲気を作り出すことができます。

複数の照明を使う多灯照明は、空間を立体的に見せてくれ、実際よりも広く感じる効果があり、ドラマチックで素敵な空間づくりにはとても有効です。

その ② へ続く。

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