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B-4.まったく同じ医療行為でもTUE申請の必要があるときとないときがあります

ハーイ、どうも!
ようこそ「SPヤマト」のアンチ・ドーピング講座へ😊 

今回は、まったく同じ医療行為を受けても、その時の条件により、TUE申請の必要がある時とない時があるというお話です。

このアンチ・ドーピングの講座も、回数を重ねてくると、これまでよりも少し難しく、濃くて、マニアックな内容にも触れられるようになってきて、気分が高揚している「SPヤマト」です。

ところで・・・
気分が高揚しすぎて、あるいは熱中症や貧血で、試合の開会式や朝礼時など、その場で突然「バターン」と倒れてしまう。
そんな光景を目にしたことがあるのではないでしょうか。
もしかしたら、あなた自身が倒れてしまう本人かもしれませんね。

10代の若いアスリートの場合、気分が高揚すると、試合前日に興奮して眠れなくなり、当日は寝不足と緊張で余計に倒れやすくなるなんてこともありそうです。

もちろん、アスリートが試合会場でケガをしてしまうこともあるでしょう😥。

そんな時、注射や点滴などによる治療(以下、注射等)が必要になることがあります。


今回は、注射等💉を受けた場合のTUE申請について、2つの場面について考えてみましょう。

まず最初に、世界アンチ・ドーピング規程2022 禁止表国際基準より注射等に関するルールを抜粋しておきます。

2.静脈内注入および/又は静脈注射で、12時間あたり計100mLを超える場合は禁止される。但し、入院設備を有する医療機関での治療およびその受診過程、外科手術、又は臨床検査のそれぞれの過程において正当に受ける場合は除く。

注射薬の中に禁止物質が入っていなければ、受けた(受ける)注射等が上記の条件に当てはまればTUE申請は不要ということになります。

では、注意すべき点について説明していきます。

1.競技会会場に医務室があったり、医師が会場に待機していた場合                      

この場合、近くに医師がいてすぐに処置をはじめることができて、ある意味ラッキーといえることができるかもしれません。 
しかし、
A)病院以外の場所で、注射等が行われた場合はTUE申請が必要です。
 
ただし、
B)救急車に収容後に注射等がはじめられた場合には、病院での治療と同じとみなされますので、上記条件にあてはまっていれば遡及的TUE申請は必要ではありません。

このように、治療開始時点がどこであるのかによって、遡及的TUE申請必要の有無が分かれますのでご注意ください。 


2.医療機関で注射や点滴を受ける場合

一般的には、注射等は医療機関を受診してから行われるものですが、その医療機関が、
C)医師が一人だけのクリニックや医院の場合と、
D)医師が二人以上勤務している病院(入院施設を有している医療機関)の場合、では手続きが異なります。

C)の場合は例外なくTUE申請が必要ですが、D)の場合は、B)と同じで上記条件に当てはまればTUE申請は必要ありません。

なお、チームドクターなどによりホテルの部屋で注射等を受ける場合は、A)に該当しますので、必ずTUE申請が必要となります。

医療従事者でないと、このあたりのルールや定義は少し難解かもしれませんね。

そんな時は遠慮なく「SPヤマト」かお近くのスポーツファーマシストに確認してください。

これらのルールは、”クリーンスポーツ”の視点で見れば、「不思議といえば不思議」、「当たり前といえば当たり前」といった感じでしょうか。

最近では新型コロナウイルスによる急激な症状悪化なんてこともよく耳にします。

最後に、今回説明した例にかかわらず、禁止物質を使用した場合は、注射等をした場所や量を問わず、必ずTUC申請が必要です。

人生には「まさか」がつきものです。

いつ注射等の治療を受けるかわかりませんので、アスリートはしっかりルールを確認しておきましょう。


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