歌詞 3月の廃倉庫
3月の廃倉庫 赤い扉がゆれる、ゆれる
あの日遠くにあった 風が運んだほこりと便り
錆びた錠前に手を伸ばせば 分けられた鍵で扉は開く
誰もが一度は来るのだろうか 僕のほかにはいないだろうか
ほこりを吸ったまつ毛の向こうに フィルムのような景色を見る
足元を見たらひどいひび割れが 前を向いて生きていたらきっと気付かない
3月の廃倉庫 積み上げられたがらくたの山
かつては名前があった 手垢のついた大切な何か
高い天井を見上げたら 祝福のような光が注ぐ
誰かが待っている気がしたんだ 僕ひとりの幻だろうか
光を含んだほこりが舞う がらくたの山に影を落とす
僕は手を伸ばす 触れた時 「待っていたよ」最後の呼吸を聞いた
あの日貰った花が枯れてゆく 写真の中で笑う君
微かに残る君の歌が 生活の中にかすれていく
/あの日の花はもう芽吹かない
/僕はひとりで行くんだぜ
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