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最適な市場分析の方法~3つのステップと意識するポイント~

こんにちは。MAKOTOキャピタル インターンの石井です。

弊社は、東北に価値創造の仕組みを実装するために、
以下の3つの事業に取り組んでいます

ファンド事業
アクセラレーター事業
コンサルティング事業


新規事業の立案やスタートアップを創業する際に、必ずやらなければならないことのひとつに「市場分析」があります。

分析の際には、市場の規模や成長性、競合状況などを中心に見ていきますが、具体的な分析方法やどのポイントを意識して分析すればよいのか、それを実際の事業づくりに活かすためにはどうすればよいのかなどの疑問点をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

国内や海外に存在する同じフェーズの競合企業のリサーチを行うことはとても重要ですが、より長期的な戦略を組むうえでは別のアプローチが必要です。

今回の記事では、海外VCの記事をもとに、最適な市場分析の3つのステップについてまとめたいと思います。これから市場分析を行う方や、すでに市場分析を行ったが事業づくりに活かしきれていないと感じる方はぜひご一読ください。

(参考記事:https://blog.500.co/market-research-for-startups-3-steps-to-success/

ステップ0:顧客のニーズに対する仮説を持つ

繰り返しになりますが、スタートアップにとって市場分析は重要です。ただし、やみくもにネット検索を行ったり、本を読み漁ったりするだけでは時間を浪費だけになってしまう可能性が非常に高いです。
少し検索すれば、関連する情報が無限と言ってもいいほど出てくると思います。調べても調べてもきりがない、でも自分達の事業にどう役立つのかはよく分からない...そんな経験はありませんか?このような事態を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか?

それは、「誰の」「どのような課題」を解決しようとしているのかという点について、仮説を持つことです。スタートアップが最も陥りやすい失敗として「市場がない、顧客がいない」ということである旨は以前ご紹介したとおりです。(「スタートアップが最も陥りやすい失敗~あなたのビジネスに顧客はいますか?~」

以下のステップで市場分析を行う前に、まずは自身が考えているターゲット顧客について仮説を持つことが重要です。

顧客に対する仮説を持つことができたら、「そのような顧客は世の中にどれほどいるのか、現在顧客は課題解決のために何にどれほどお金をかけているのか」について、以下のステップで市場分析を行い、仮説検証を進めていきましょう!


ステップ1:業界全体と潜在的な市場分析

スタートアップの市場分析では、ベンチマークや分析対象となる企業の特定からはじめますが、分析対象となる企業は常に変化していくという前提で進める必要があります。

■市場で最も強い競合他社を見つける

まず行うことは自分が狙っている市場で最も強いと感じる競合他社を見つけることです。
その際、同じ顧客に同じようなサービスを提供している直接の競合だけでなく、同じような顧客に異なるソリューションを提供している間接的な競合も把握します。

スタートアップの場合、起業家が考えているものと同じサービスを提供している会社が存在することはそれほど多くありません。しかし、このことは自社に競合は存在しないということを意味しません。なぜなら、ほとんどの顧客は自身の課題が重要であればあるほど、その解決のためにお金をかけてでも対応しているはずだからです(逆に、特に何も対策をしていないとすればそれはその人にとってお金を払ってまで解決したい課題ではないという可能性があります)。

例えば、メルカリが普及する以前は、メルカリと同じサービスは(少なくとも著名なものは)存在していませんでした。しかし、それ以前から世の中には不要になった物を売りたい、中古でもいいから安く買いたいという人達は多数存在していました。そのような人達は、フリーマーケットに参加する、中古品店で売り買いする、ネットオークションを利用するという行動を取っていました。すなわち、これらの店舗やネットオークションのサービスも広い意味で競合と捉えることができます。

そのため、自身が考えているものと似たようなプロダクトと似たような企業がないかという視点ではなく、顧客は課題解決のために何に対してお金を払っているのか、代替品は存在するかという観点で分析するように心がけるのが重要です。

ちなみに、上記の理由から、投資家は起業家から「自社に競合は全くいません!」と自信満々に言われると、「分析が足りないのかも…」と疑いがちですので、ご注意ください。

■市場への参入の可能性を評価する

ここは多くの方がすでに行っていることかと思いますが、特に市場のシェア、寡占状態なのか独占状態なのかを確認します。
代替品を含む競合の市場シェアの構成によって、顧客獲得の難易度やマーケティング・セールスの戦略が変わってきます。既に特定の企業がシェアが4割以上を占めている場合は新規参入のハードルが高くなりますので、場合よっては市場の見直しを検討した方がいいかもしれません。


ステップ2:市場の顧客を分析

市場分析では、競合のデータ収集と同時に、顧客のニーズや好みをより深く理解する必要があります。ミクロの視点、つまりインタビューなどを通じて顧客を具体的に理解することの重要性は繰り返し述べている通りです(それくらい重要なのです!)
ここでは、マクロ視点で市場を見ていくと同時にヒアリングなどを通してよりリアルな顧客の情報を集めていくポイントについて説明します。

■市場全体の規模と可能性を推定する

市場の主要プレイヤーのユーザー数や売上を把握し
同じ数のユーザーを獲得するには、どれだけの時間がかかるのか?
・予算はどれくらいかかるのか?
を大まかに把握します。

また、競合がどのような顧客を獲得しているのか、より具体的に分析していきます。
顧客のセグメント(年齢、性別etc)はどうなっているか?
・メインターゲットの属性は?
・逆にターゲットにしていない顧客層は?
・なぜターゲットにしていないのか?

などを分析し、自社が差別化を図るためにどの顧客層にアプローチしていくのかを考える材料として使っていきます。

市場分析は、自社の新規事業やスタートアップが成功するチャンスがどれだけあるのかを把握するために行い、ターゲット顧客のニーズを明らかにすることで
顧客の行動に影響を与えることができるのか?
・顧客行動の変化のためにどれだけのコストがかかるのか?

を見積もるというアクションにつなげるという意識が重要です。

もっとも、上記論点については、いくら時間をかけて分析しても答えに直結する情報が得られることはありません。検証したい仮説に関する情報を時間を区切って集め、限られた情報から示唆を出すという意識が重要です。


ステップ3:トップ企業の製品およびマーケティング戦略と戦術を把握

より広い視点から市場全体を見て、次に市場の顧客のインサイトを探しに行き、最後に製品やマーケティングの戦略や競合の戦術を分析していきます。

■マーケティング分析の対象を絞る


マーケティング分析の対象となる企業は、最大5社程度のトップ企業に絞ることがおすすめです。

ーなぜ5社なのか。
これは、企業が定期的にモニタリングできる最も現実的かつ一般的な競合数だからです。
マーケティング分析では、競合の長期的な時間軸での成果や継続的なマーケティング施策のモニタリングも重要です。そのため、自社のリソースという点で、5社程度が多いです。

ーなぜトップ企業か。
スタートアップや新規事業を立案するさいに、もっとも効果的な戦略を見つけたいのであれば、すでに具体的な成果や進歩を遂げている企業に注目する必要があるからです。市場での平均的な成果をあげている企業やそれ以下の企業は、アンチモデルを探す場合にのみリソースを割く価値があります。

■トップ企業のマーケティングミックスとベストパフォーマンスのチャネルを明らかにする

この時点で、市場における典型的なマーケティングミックスについてはある程度把握していると思います。

その次は、トップ企業が平均を上回るために使用した特別な戦術を分析します。スタートアップの初期段階では、開発・販売促進するプロダクトは1つしかない場合が多いですが、トップ企業はすでに幅広いソリューションを提供している場合が多いです。

これが、トップ企業を分析すべき重要な理由のひとつです。プロダクト開発とマーケティングの両方のアイデアをすでに多くの量、市場で試しており、企業のサイトなどを分析するとターゲットとターゲットごとのサービスやパッケージ、ソリューションが反映されています。

このように、トップ企業のサイトやLPを分析することで、競合のメインフォーカスを把握し、自社のポジショニングやプロモーションのアイデアを得ることができます。トップ企業とも全ての顧客にとって完璧なプロダクトを提供できているということはまずありません。トップ企業含め他社のいいところは参考にしながら、既存の企業が解決し切れていない課題やリーチできていない顧客層がないかという視点を持つことが重要です。


まとめ

今回の記事では、スタートアップや新規事業を立案する際に行う「市場分析」の概要と、意識するポイントをまとめました。

ターゲット顧客について仮説を立てていることを前提とし、より広い視点から市場全体を見て、次に市場の顧客のインサイトを探しに行き、最後に製品やオンラインマーケティングの戦略や競合の戦術を分析する」というのが大まかな流れになります。いきなり上記の全てのステップを踏むことは現実的には難しいと思いますが、まずはステップ0を再確認した上でステップ1から取組んでみてください。

とはいえ、狙っている市場や業界によって市場分析の際に具体的に意識するポイント変わってきます。MAKOTOキャピタルでは、市場や競合の分析などに関する起業相談も可能ですので、お気軽にお問い合わせください!


引き続き、記事を投稿していきますのでよろしくお願いします!

問合せ先:capital@mkto.org

担当:石井
2021年9月29日
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