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【クイズ】顧客を動かすコピーライティングとは?CVR改善に効くマイクロコピーのポイント

Webサイトのリンクボタンやコンバージョンボタンに添えられた案内文である「マイクロコピー」。さりげない一文が、ときとしてコンバージョン率を左右することもあります。

企業視点で顧客体験を設計すると、コピーはどうしても「売り込み」に偏ってしまいがち。顧客視点に立ち、「気の利く提案」や「つまずきケア」となる言い回しや文言が重要となります。

Sprocketでは、Webサイト上でのA/Bテストを10万回以上実施してきました。そこから得られた知見をもとに、顧客を動かすコピーライティングについて解説していきます。


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新商品の訴求、効果的だったのはどっち?

突然ですが問題です。化粧品メーカーのECサイトで、ベースメイクの新商品の訴求をしました。「保湿することで小じわ対策ができる」アイテムです。

「使うほどにしっとり潤う肌に」と「乾燥による小じわを目立たなくする」という2つのコピーでA/Bテストを実施しました。どちらがより効果があったでしょうか?

「使うほどにしっとり潤う肌に」と「乾燥による小じわを目立たなくする」という2つのコピー

正解は…後ほど!

新商品の訴求や会員登録の促進で効果的なコピーは?

新商品の訴求、効果的だったのはどちら?

ここからは具体的な例をあげながら解説していきます。

まずは、50代以上がメインターゲットのアパレルブランドのECサイトです。トップページに訪れたユーザーに声をかける場合、どちらがより効果的だったでしょうか?

違いは、「公式オンラインショップへようこそ」の一文があるかないかだけです。

新商品の訴求、効果的だったのはどちら?

正解は「公式オンラインショップへようこそ」の一文があるBでした!

たったこれだけの違いで、購入完了率に16%以上の差が出たのです。ポイントは、ターゲットがシニア層だったこと。ちょっとした挨拶が印象を変え、アイキャッチになったのでしょう。

また、「公式」という響きがサイトの信頼性を高め、安心感を与えることにもつながったとも考えられます。

無駄な言葉をできるだけ省いていくことが文章作成の基本です。ただし、必要な情報まで削ぎ落としてしまわないようにしていく必要があります。

「公式オンラインショップへようこそ」の一文があるB

より多くの会員登録を促せたのは?

次はピアスの専門ショップで「会員登録」を促進したいケースです。トップページで会員登録のメリットを伝え、登録ページに誘導するというものです。

お得感を強め、情報を盛り込んだAと、シンプルにまとめたB。より効果的だったのはどちらでしょうか?

お得感を強め、情報を盛り込んだAと、シンプルにまとめたB

正解はシンプルに情報をまとめたBのほうでした!

AとBとでは、新規会員登録完了率にして5倍以上もの差が出たのです。若年層がターゲットのサイトのため、ベネフィットを伝えるよりも親しみ感のある声かけが有効だったと考えられます。

Aはあれこれ書き連ねることで、かえって読むことへの面倒くささを生んでしまったのかもしれません。結果的に、「クーポンプレゼント」に絞ったほうが効果的でした。

シンプルに情報をまとめたB

人を動かす文章構成「PASONAの法則」

『売れるコピーライティング単語帖』(SBクリエイティブ)では、人を動かす文章構成の作り方を「PASONAの法則」としてまとめ、以下のように紹介しています。

情報の流れを読み手視点で整理できるため、様々なメッセージ作成に活用することができます。

PASONAの法則(出典:売れるコピーライティング単語帖

購入促進やアプリDLにつながった言い回し

オンライン試着機能の訴求でより効果的だったのはどっち?

アパレルECサイトで、オンライン試着の機能を訴求するケースです。アパレルECでは、「サイズが合うかどうか」という不安感をいかに払拭するかが売上に大きく影響します。

不安について「解決します!」と言い切ったものと、 「お悩みはございませんか?」と声かけをしたもの。どちらがより効果的だったでしょうか?

不安について「解決します!」と言い切ったものと、 「お悩みはございませんか?」と声かけをしたもの

「サイズ選びのお悩みを解決します!」と言い切ったAのほうが、購入完了率は20%以上も高いという結果でした。

はっきりと「解決します」と伝えることで、「そこまで言うなら見てみよう」という興味を喚起し、オンライン試着機能を使う機会を増やせました。ユーザーに機能の利便性を体験してもらうことで、結果的に売上も押し上げることができました。

「サイズ選びのお悩みを解決します!」と言い切ったA

購入を後押しできたのはどっち?

別のアパレルECサイトのケースで、カートに商品を入れたユーザーに対して購入を後押しするために「在庫切れにご注意ください」と案内しました。一旦カートに商品を入れはしたものの、離脱してしまうユーザーもいるためです。

続くテキストで、 「人気のカラー/サイズほど在庫がなくなります」としたAと、「カートに入れた商品は在庫が確保されておりません」としたB。購入完了率がより高かったのはどちらでしょうか?

「人気のカラー/サイズほど在庫がなくなります」としたAと、「カートに入れた商品は在庫が確保されておりません」としたB

より購入を促すことができたのは、Bの「カートに入れた商品は在庫が確保されておりません」の方でした。

「在庫切れに注意」の理由を伝えたことで、「確かに」と立ち止まってもらう効果があったのだと考えられます。

「閉店セール」のように終了のタイミングを強調することで、行動に駆り立てることができます。ですが、閉店セールもずっとやっていたら客足を遠ざけてしまいます。

切迫感や希少性を伝えるときには、ユーザーの信用を損ねないよう、理由や具体的なタイミングを明確にすることがポイントです。

Bの「カートに入れた商品は在庫が確保されておりません」

ベネフィットを導き出す2つの方法

『セールスコピー大全』(ぱる出版)では、ベネフィットを導き出す考え方が2つにまとめられ、紹介されています。

方法①「ということはつまり法」
まずは、商品の特長やメリットをたくさんリストアップしてしてください。次に、それらの特長やメリットのそれぞれに「ということはつまり?」と質問を続けるだけ。

方法②「ターゲット像を明確にする」
ターゲットの悩みや欲求、興味関心を具体的に知っておかなければ、反応が得られるベネフィットを選べません。ターゲットを明確化し、一番求められるベネフィットを選択します。

『セールスコピー大全』(ぱる出版)

新商品の訴求、効果的だったのはどちら?…の答え合わせ

さて、冒頭で出題した化粧品メーカーのECサイトのA/Bテスト結果をみていきましょう。

化粧品メーカーのECサイトで、「使うほどにしっとり潤う肌に」と「乾燥による小じわを目立たなくする」という2つのコピーでA/Bテストを実施しました。どちらがより効果があったでしょうか?

「使うほどにしっとり潤う肌に」と「乾燥による小じわを目立たなくする」という2つのコピー

実は「どちらも正解」だったのです!

スマートフォンでは「しっとり潤う」訴求のほうが改善率が高く、PCでは「乾燥小じわに」訴求のほうが高かったのです。

PCとスマートフォンではユーザーの年代層が異なるので、より年齢層の高いPCでは具体的な肌悩み(乾燥小じわ)の訴求が効いたと考えられます。

現実的にはこういったことも起こり得るため、A/Bテストの重要性をご理解いただけるのではないでしょうか。

※実際の施策では、ポップアップの配置や表示タイミング、デザインなどテキスト以外の多数の要素が成果に影響してきます。この記事では、実績をもとに単純化し、メッセージ訴求にフォーカスして解説しました。

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