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あのドンキのPOPをオーダーメイド!?顧客目線のワクワク・ドキドキが詰まったドンペンのオリジナルカードを作ってもらってきた

ドン・キホーテの運営会社であるパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの売上高は2024年6月期で2兆円を超え、日本の小売業第4位にまで成長を遂げています。

そんなドン・キホーテの店舗の特徴といえば所狭しと商品を積み上げた圧縮陳列と印象的な手書きのPOP洪水。

ド派手なPOPは、専門スタッフである「POPライター」により生み出されています。ドン・キホーテの各店舗にはPOPライターが在籍し、店舗を彩るPOPを書き続けているのです。

実は一部店舗では、ドン・キホーテのPOP風のオリジナルカードが作れるサービスを展開しています。

今回は、世界で一つだけの手書きPOPを実際にオーダーしてきました。その様子をレポートします。


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オリジナルカード作成は店舗独自のサービス

POP風のオリジナルカードの作成サービスは、店舗ごとの判断で実施されているそうです。今回依頼したのは、MEGAドン・キホーテ渋谷本店です。入ってすぐのサービスカウンターでオーダーを受け付けています。

ドン・キホーテ渋谷本店オリジナルカード受け付け
レジ近くに大きく掲示されているが意外と見過ごしがち?

「オリジナルカードを作りたいのですが…」と声をかけると、スタッフが詳しいオーダー内容を聞いてくれることに。

用意されている文字とデザインのテンプレートから選択する場合、最短で当日中に完成します。テンプレート化されていると言っても、特徴的な文字部分は手書きで制作されます。

オリジナルカード価格と仕上がり時間
テンプレートから選べば最短60分で完成(※渋谷本店の場合)

「Thank you」「おたんじょう日おめでとう!」「Congratulations」など、様々な用途を想定したデザインがありました。

ドン・キホーテオリジナルカードデザイン見本
見ているだけで気分が盛り上がるデザイン見本

できる範囲で柔軟に要望に応えてもらえる

今回はテンプレートを使わず、オリジナルのテキストとデザインでお願いすることにします。

どんなイメージのボードを作りたいのか、サンプルを見ながら詳細を詰めていきます。オーダーメイドの場合、用途や内容を伝えた上で、テキストとデザインを相談しながら固めていきます

ドン・キホーテオリジナルカードのサンプル
仕上がりをイメージできるサンプル(テンプレートの例)も用意されている

予めイメージがある場合は持ち込むことも可能だそうです。オーダーメイドの場合、費用と納期はかかる工数によって変わります。予算を先に伝えれば、その範囲でできることを教えてもらえます。

基本的には紙に描かれるのですが、「自分の持ち物のこれに描いて欲しい」とか、スマホのケースに入るサイズにして欲しいなど、様々な要望があるそうで、「難しいものもあるけれど、まずは一旦相談してみてください」とのこと。

例えば「韓流推し活で使いたいから文字をハングルで」というオーダーにも、可能な限り対応しているそうです。

依頼内容を決め、依頼書に書き込んで注文します。今回は大きめのA3サイズで、文字も立体化してもらうことにしました。納期は1・2週間ほどで、出来上がり次第、電話で連絡してもらえます。

なぜオリジナルカードのサービスを始めたのか?

POPライター歴24年の島村さんにお話を聞いてみると、オリジナルカードのサービスを始めたのは2021年3月とのこと。当時MEGAドン・キホーテ渋谷本店の店長だった方が、「コロナ禍でもドン・キホーテのドキドキ&ワクワク を家でも味わってほしい」と思い、始めたのだそうです。

ドン・キホーテは「個店主義」を採用しており、商品の品揃えや価格などはお店ごとに決めることができます。オリジナルカードのサービスも店発信で価格やフォーマットを決め、スタートすることができたんですね。その後、他店舗でも実施するようになったそうですが、「個店主義」なので価格やデザインはお店ごとに異なるというわけです。

島村さんは当初、「(ドンキの公式キャラクターである)ドンペンのいないデザインの方が売れるのではないか」と、ドンペンなしバージョンを多く用意していたそうです。しかし、蓋を開けてみるとドンペンありのものばかり売れるという結果に…。ドンペンの人気を実感したそうです。

踊るドンペンとドンコ

推し活用途が圧倒的に多い

用途としては、圧倒的に「推し活目的」の方が多いのだそう。

「推し」にプレゼントしたり、コンサートで振ったり、出待ちの時に掲げると他の方よりも目立てるのだとか。特に「ドンキ好き」を公言しているアーティストなどには喜ばれるといいます。

ほかにも、家族や友人・恋人などの誕生日やサプライズで利用する方も多いそうで、リピーターも少なくないとか。それだけ相手にも喜ばれるということなのでしょう。

POPライターの島村さんは、「POPライターはお客様との接点という点では間接的な仕事でした。このサービスで直接的にお客様との接点ができたことが嬉しいですね」と笑顔で語っていました。

皆さん意外と手描きのアナログ感を求めているんですね。コンサートで振る時には反射して見えづらくなってしまうからラミネートはない方が良いとか、推しへのプレゼントのルールではがきサイズじゃないと受け取ってもらえないとか…。最近の推し活の情報はたくさん入ってきますね(笑)」(島村さん)

ドンペンとドンコが祝ってくれている…!

そして注文から10日後に完成の連絡がありました。出来上がってきたものがこちら!

ドン・キホーテオーダーメイドPOPの完成品
お祝い感全開のオリジナルカードが完成!

このスプ論を運営している株式会社Sprocketは今年で10周年ということで、それをお祝いするものを作ってもらいました!

Sprocketのコーポレートカラーである水色とオレンジを放射状模様に取り入れてお祝い感を出すというのは、POPライター島村さんのアイデア

ドンペンとドンコを入れて、思いっきりドンキっぽくして欲しいというリクエストにしっかり応えてもらっています。手書きの文字をPCに取り組み、レイアウトを調整して仕上げているようです。

特注ということで、丁寧に切り抜いてラミネート加工したパーツが立体的に組み上がっています

ドン・キホーテオーダーメイドPOP拡大
実物はかなりの立体感

殺風景だったオフィスがこの1枚で華やかに!というか、ドンキムードに!これを見た社員からは「めちゃくちゃドンキっぽい!」「このキャラ…許諾取っていますか?」の声が…。大丈夫、公式ですから!

ドン・キホーテオリジナルカードをエントランスに飾る
勝手にコラボ感

オリジナルカードサービスの料金は実施している店舗や内容によって変わりますが、今回はオーダーメイドで1万円でお願いしました。世界で一つの手書き作品の値段と考えると高くはないでしょう。

国内小売業のトップスリーは、セブン&アイHD、イオン、ファーストリテイリング。それに次ぐドン・キホーテ(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)が、POPライターという職人さんが一枚一枚手書きするオリジナルカードを作成するサービスを展開しているのは非常にユニークです。

ドン・キホーテは「顧客最優先主義」を企業原理とし、“お客様が「ワクワク・ドキドキ」する便利さ、安さ、楽しさを実感できること”をコンセプトに掲げています。「ワクワク・ドキドキ」を体現するために、それぞれの店舗が顧客との向き合い方を常に考え続ける。その道筋にあるサービスの一つが、このオリジナルカードなのだと感じました。

執筆:松本果歩
写真:松本果歩・スプ論編集部


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