見出し画像

花サク

唄人羽のプレミア配信。4月から始まったこのプレミア配信も今回で第5回目となる。先週の「と金」に引き続き、過去に発売したアルバムを一枚ずつ辿るライブ。今回は2001年に発売された2ndアルバム「花サク」だ。

「果実」や「あるまいし・・・」などアップテンポな曲から「Message」や「なれずに」など今でもライブでお馴染みのバラード、「なんだったっけ」や「旧友」など名曲揃いの全12曲。

東京へ出て一年。音楽をする環境が変わってから歌詞や歌い方にも変化が出たアルバムだと思う。一枚目の「と金」と比べるとその違いは明らかで、バンドサウンドが強く出た「カッコイイうたいびとはね」の一面をみせてくれた一枚。

この一枚をアコギとピアノでどう表現するんだろう、、と思っていたら、開始早々、信ちゃんがエレキギターを手に取ったので思わず「え?!」と声が出てしまった。

「さぁ、じゃあいこうか!」「はい!いきましょう!」の掛け声とともに1曲目、アルバムタイトルでもある「花サク」のイントロが始まった。アコースティックギターとエレキギター、そしてピアノが三位一体となり一気にその世界が広がる。

CD通りに「せーの!」で始まった「果実」は当時のライブでも拳を突き上げて盛り上がる曲だったので未だにサビ前になると「いくぞ!ふくおかーー!!」という声が記憶の中でうっすら聴こえてくる自分に笑ってしまう。そしてめちゃくちゃライブに行きたくなった。

「果実」も「頭痛」も、当時てっちゃんの低い声が印象的な曲だった。それは私の中でどちらかと言うと「低い声を出そうとしてる」印象だった。もちろん当時はそれがいいと思っていたけど、19年経った今のてっちゃんが歌う「頭痛」は、その世界がより深く濃くなった気がして、とてもとても良かった。

「陽射し」をうたう前に信ちゃんが、福岡に帰ってきて春日原駅(「陽射し」の舞台となっている駅)に行ってみたけど「38分の急行電車」も「僕のピカソ」も残ってなかった、、と話していて、すかさずてっちゃんが「でも歌の中にありますからね」と言っていたけど、いろんなことが変わっていく中で歌は変わらずにその世界を残してくれてるっていいなぁ、、と思った。今でも時刻表を見て38分の急行電車を見つけたらなんとなく嬉しかったり、線路に射し込む陽射しを見てサビを思い出したりするのは、「陽射し」がその世界を私の中に残してくれてるからかなと思ったりもした。そして柔らかく優しいてっちゃんの声が、この歌に寄り添っていて、泣きそうになった。

てっちゃんのハープで始まる「なれずに」は、切ないハープの音色とそれに重なるエレキとピアノの音でイントロで既に胸が締め付けられた。「なれずに」にエレキが入るのは、まさにプレミアで、すごくカッコよかった。

前回同様、終わりに近付くと脱線しがちなのは何故だろう、、(笑)でも今回は嬉しい脱線で、アルバムには入らなかった曲の話をしていると突然信ちゃんが「たんぽぽ、やってみるか?」と言い出し、急遽やってくれることになった。Bメロを二人で歌い出すハプニングもあったが、間奏も阿吽の呼吸で乗りきり、なんとか最後まで歌いきった。歌い終わったあと、てっちゃんが「僕もずっと安岡くんがBメロうたうと思ってました」と言っていたほど「安岡くんのたんぽぽっていうイメージが強かった」と話していたが、、実はこの「たんぽぽ」、曲が出来た当初はBメロを信ちゃんが歌っていたので、二人の記憶は決して間違ってなかったということはここで伝えておきたい。

全て聴き直し「なるべく声を寄せていく」と話していたてっちゃん、全く予習しなかったものの譜面台とにらめっこしながら教科書通りの演奏を心がけた信ちゃん。19年という月日が経った今、こうして二人でまたアルバムを再現してくれる日がくるなんて思ってもみなかった。なんだかんだ言いながらもとても楽しそうな二人を見てると私も楽しかったし、改めて聴いてもいい曲ばかりで、むしろ今だからこそ胸に響く曲もあった。

今聴いているのは19年前の私とは違って、今唄ってくれているのは19年前の二人とは違って、あの頃とは違った気持ちで、あの頃とは違った歌声で、変わらない歌を通して「ここにいる」ことを示してくれた。19年前に「花サク」を生み出したうたいびとはねにも、そこから音楽の道を歩き続けてくれた今の唄人羽にも感謝の気持ちでいっぱいだ。

来週は3rdアルバム「音遊記」。ひとまずこの「音遊記」で怒涛の振り返りライブは一旦区切りをつけるそうだ。「うたいびとはね」名義での最後のアルバムでもある。これまでのアルバムの中ではアコースティックな一枚でもある「音遊記」。今の二人が再現したら最強なライブになりそうでワクワクする。

唄人羽ツイキャスプレミア配信
「花サク」弾き語りLIVE
2020.06.22.

花サク(1:57)
ほら、また(7:39)
果実(13:04)
頭痛(19:55)
Fake(26:47)
陽射し(33:55)
Message(40:32)
珈琲(46:45)
なんだったっけ(57:46)
あるまいし・・・(1:03:19)
なれずに(1:09:58)
たんぽぽ(1:17:46)
旧友(1:27:22)

※カッコ内に大まかな再生開始時間を記載してます。

唄人羽ツイキャスプレミア配信「花サク」弾き語りLIVEの詳細はコチラ

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?