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丸いパンのサンドイッチ(ドラマ「私を離さないで」)

午前の仕事だけで帰ると外食ではなくて、帰って来てから昼ご飯を食べることが多くなりました。それは昨年、仕事が激減してから。節約目的なのですが、体力的にもあまりたくさん食べられなくなってしまった、ということもあります。帰宅した時点で13時過ぎていて、簡単に済ませればよいものの、毎回インスタント食品でもなあ、という気持ちになり、軽食のサンドイッチを作ることがあるのです。上記写真の日は丸いパン2つにレタスとハムを挟み、スクランブルエッグと紅茶。作り終えると14時過ぎていますが、それでものんびりと昼食を頂き、14時半頃から自宅作業での仕事再開。遅い昼食をこれくらいにしておいて16時頃軽いおやつで、夕食は普通に食べられるという寸法です。

綾瀬はるかさんはどうして何をしていても美しいんでしょう。お料理してても、お皿洗ってても、運転してても、手洗いの洗濯をしてても。その立ち居振る舞いの品の良さにうっとり。。もちろん軽食のロールパンサンドを作って食べていても、私とは月とすっぽんなのでした。それは「私を離さないで」というテレビドラマのとあるシーンで見られます。これは低視聴率となってしまった、とても重いテーマのドラマでした。原作はカズオ・イシグロ氏による小説。私はテレビドラマしか見ていなかったのですけれど、「次はどうなるの?どういう描写がなされるの?お茶の間のテレビってどのくらいまで表現できるの?」という視点でみていました。決して気持ちが楽になれるような作品ではなかったのです。その一方でこうしたメタファーなドラマから、私たちはどのように心を揺さぶられてゆくのかを考える貴重な機会にもなったのかもしれません。

提供という大義名分のもとに生まれることを許された人達。その人達に尊厳と人権は存在するのか。誰かが生きるために生かされる命。その人達の人生に意味はあったのか。そしてこれは、見ている側の人生にも問いかけて来るようです。私たちの人生とは。生まれた理由とは。生きる意味とは。死の向こう側に何があるか誰も分らないこそ、命というものの価値を、何かを犠牲にしてまで失いたくないという動機から創られ、生まれてきた人達。

私は見ていて、私たち自身も多かれ少なかれ、この提供の名のもとに生かされている人達のような側面があるのではないかと感じておりました。自分の人生のようでいて、実はそうではない。だけれども、そうではない部分には普段目を向けないように暮らしているからよく分からない。ドラマではエックスデーを迎えるまでの時間の延長を「猶予」と呼んだりしていました。「知らなくていい幸せ」とは、これ即ち仏教でいうところの「無明」であるのでしょうか。

ヒトが自分の命を守るために、起こること。それは反省しても反省しても繰り返されてゆき、結局のところ私たち人間は本当に、万物の霊長類なのでしょうか?と規範のゆらぎを覚えるドラマなのでした。




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