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クリスマスケーキ(映画「戦場のメリークリスマス)

クリスマスケーキは予約せず、いつもぎりぎりで日を決めて、当日買い出しに走るということをしているので、昨年は売切れでとうとう買えずに一切れずつのケーキ。今年は早めにパーティの日を決めたためにクリスマスケーキそのものの扱いがなく、フロパティシエでチョコレートケーキを購入。上に何か乗っかっているのは塵ではなく、おやつ用に買ったクリスマスパンに載っていたトッピング(星とかアザランとか)を剥離処理して搭載してみました。チキンもまだ取り扱いの店がほぼなく、年がら年中チキンを売っている「吉祥寺ポヨ」なら絶対あるだろう!と思い訪問したら安定供給状態。やはり信じるモノは救われるのでした。

ケーキは出てきませんが、クリスマスの映画を探していたら意外と見たことあるものがないのです。クリスマス時期は仕事に追われ、子供たちのおさんどんに追われ、そして一定年数、映画鑑賞から遠ざかっていたブラックアウトの期間があることをまざまざと見せつけられたのでした。かろうじて覚えていたのがこれ。クリスマスはクリスマスでも戦争映画なのでした。

あの映画を初めて見たあと、その頃の友人が「いちばんの名演技は冒頭シーンのトカゲと言われているんだよ」と得意げに話していたことを覚えています。まだ学生だった頃の自分としては、同性愛の意味もよく分からず、戦闘シーンも出てこなかったので、何かをテーマにした演劇?みたいな感覚でおりました。その後たどったキャストの人たちの足跡を考えると、運命ともいえる四つ辻の出会い映画だったのかなと。デビットボウイ、坂本龍一、ビートたけし、監督大島渚(敬称略)。夢の競演でございました。ローレンス役のトム・コンティ氏は「ダークナイト・ライジング」に奈落の囚人役で出演していたことを知り、不覚にもローレンス役はダスティンホフマンだと勘違いしていた自分に気づくのでした。

ネットに本当、たくさんのエピソードがありまして、たけし氏も語る方なので、いろんな話があるようです。あのデビット扮するセリアズ少佐からのヨノイ大尉へのキスシーン。セリアズ少佐が花を食べるシーン等、インパクトあるシーンもデビッドボウイなら華やかな絵になるのです。私はセリアズの弟が歌う歌がとてもとても好きで、カタコト英語でよくお風呂の時に口ずさんでおりました。捕虜生活にあってセリアズが仲間を庇い、人としてどうあるかを判断、行動する思いの中にあるものは、いじめられていた弟を無視したことへの贖罪だったのでしょうか。その行動が原因でセリアズは命を落とします。そのセリアズを見て、何かの思いを抱くのがヨノイ大尉。生き埋めにされたセリアズから髪の毛を形見として頂く姿に、ああ、、なんともやるせない。この翻弄されまくる役、坂本教授でとてもよかったです。そして魂となったセリアズが、愛と贖罪の思いで弟に詫びるシーンとなります。この役、デビットボウイでよかったと思われるシーンでございます。

そしてたけし氏演じるハラ軍曹とローレンスとの最後のシーン「メリークリスマス・ミスターローレンス」。ハラ軍曹は捕虜を監督する立場にいたときにも「ファーザー・クリスマス」と言い、ローレンスとセリアズを独房処遇の恩赦をするのです。自分が処刑される立場になってもその運命を受け入れ、クリスマスを祝う言葉を、元捕虜で戦勝国の相手に贈る。ハラ軍曹の一貫性とは、この重いテーマの中で普遍の人間性に映るのでした。この役もたけし氏でよかったと思う、ラストシーンなのでございます。いい笑顔でした。








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