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ケンタのチキン(映画「グリーンブック」)

(ちょいネタバレしてます)。

このシリーズ50本目記事記念。とうとう既製品がそのまま出てまいりました。ご乱心した殿ではありません。それはケンタのチキン。昔コマーシャルで「突然食べたくなる」とありましたが、まさしくそれです。午前の仕事の後自宅で昼食の場合、突然食べたくなって買って帰ることが、以前は2~3カ月に1回ありましたが、今では年1~2回でしょうか。脂っぽいものに食指が伸びることが、少なくなりました。

しかも以前はチキン+ポテト+ビスケットみたいな取り合わせだったのが、最近はチキンだけ買ってきて、冷凍ご飯を解凍してインスタント味噌汁作り、和食みたいな昼食になっています。歳を取りました。ご飯と味噌汁は、はしで食べ、チキンは手づかみという、多国籍定食です。

映画「グリーンブック」に、まさしくアメリカ南部行きの社内でフライドチキンを買って食べるシーンがございます。あらくれ者のようなドライバー兼ボディガードのトニー・ヴァレロンガさん(作中人物)が買ってくるのです。勧められた雇い主ドン・シャーリー(同じく作中人物)は戸惑いながらも頂くという。

ドン・シャーリーは黒人の天才ピアニスト。ニューヨークのカーネギーホールに住みながら、南部にピアノツアーをしにゆく、そのためにイタリア系白人のヴァレロンガさんを雇ったのでした。いわゆるロードムービーです。お二人の心の距離が、旅を通じてだんだん近くなってくる過程は、いろんなことが起こりつつも、なぜシャーリーさんがわざわざ黒人差別のあからさまな南部にゆくのか、明らかになってきます。その「戦うシャーリーさん」を、ピアノの腕とともにリスペクトしてゆくヴァレロンガさん。

その一方で、ヴァレロンガさんの世渡り術にも助けられ、歩み寄ってゆくシャーリーさん。クリスマスパーティに間に合うよう、最後に車を運転するのは、、、おっとここから先の場面、私は涙ぽろんちょしてしまいましたので、明かさずにとっておきましょう。

本当の友情とは、距離をとりつつ無難な関係を続けることよりも、ぶつかり合いながらお互いにわかり合ってゆく過程のなかで、知らなかった相手を知り、その相手を鏡として、知らなかった自分を知る作業の中で、はぐくまれてゆくのでしょう。クリスマスを待つこの時期、おすすめの映画なのです。

(映画)

(ブルーレイ)





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