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チャーハン(映画「ザ・マジックアワー」)

(今回モロネタバレ書いちゃってますので閲覧注意です)。

チャーハンは冷凍ご飯に、ネギが玉ねぎ、卵があれば、他に何もなくても作れてしまう便利料理です。全部揃うと焼き豚、ピーマン、コーンも入れて五目チャーハン。そうなるともう私的には超豪華料理です。焼き豚がハムやベーコンやウィンナーになることもありまして、卵が無い時もあります。

そして味付けは「香味ペー〇ト」あるいは「香味シャ〇タン」を使えばめっちゃおいしくなることを知ってから、醤油と塩コショウで作るたびに味が変わるスリリングなチャーハンから少し改善されました。

悪役一味が食事を囲むシーン。そこにあったのはチャイナ風だったような記憶がありましたのが、この映画「ザ・マジックアワー」です。デラ富樫というヒットマンの偽物がいる!?と聞いた本物が、怒ってテーブルをどん!と叩くと色のついた飲み物がこぼれ、それがテーブル一面に広がってゆく。これはギャング物の、血が広がるかのように見える演出みたいです。

この映画はコミカルな場面の連続とテンポの良さ。アイロニーも少し入り、私の好きな作品です。なんといっても、佐藤浩市氏のナイフを何度もぺろぺろするシーンが有名なのです。西田敏行氏に「そんなに美味しいなら持ち帰りなさい」と言われていました。

三谷幸喜氏の作品の映画はどれも面白く、リアルとコメディと架空な話が入り混じりながらも、人を描くことの本質が垣間見える、そんな厚みを感じるのです。表面上は嘘に嘘を重ねる哀れな男性のお話なんですけれど、その話と同時進行に流れてゆくのは、芝居が好きで好きでたまらない、俳優の道ひとすじを長い間歩んできた、売れない俳優さんの情熱と葛藤を描いています。その表と裏が交錯し、合流してゆくという流れには無駄がありません。

私が一番好きなシーンは高瀬允こと柳澤愼一氏と、佐藤浩市氏との会話シーン。憧れの人だった人との邂逅。その憧れの人は老人ホームのCMに出てくるチョイ役だった。それなのに、うそこの拳銃渡されて持つと、とたんに出てくる凄み。「まあだくたばってたまるか」と、温厚そうなおじいちゃんが一瞬みせる、迫力のあるひと言。このシーンを見ただけでも、この映画を見てよかったと思うのでした。脳ある鷹さんは爪隠しまくるんです。

この後のシーンとして本物の殺し屋が、うそこの銃撃に怯えて逃げる、というオチ(書いちゃってよかったんでしょうか?もろ、ネタバレです)と対照的な持っていき方も、心憎い。

この映画は有名な俳優さんがたくさん出てきて味わい深い演技をなさるのですけれど、このシーンは、私自身にも重ねて見てしまうのかもしれません。



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