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非認知能力特集その9 将来をポジティブにみて柔軟に対処する「楽観性」

全10回の非認知能力特集も、残すところあと2回となりました。学びを記録していくというつもりで始めたものですが、多くの発見がありました。今回は、特に強調したい楽観性についての学びをまとめます。自分自身の人生をどのように捉えるか、という大問題にポジティブな一面を加えられるもののような気がしています。ネガティブな感情に支配されそうな時、自身を救ってくれる特性かもしれません。

楽観性とは何か。

楽観性とは、人間が自分自身や他人、状況などに対して持つ考え方や感情のことです。楽観的な人は、自分自身や他人、状況などに対して、常にポジティブな見方を持ち、良い結果を期待します。

楽観的な人は、自分自身や他人、状況などに対して、常にポジティブな見方を持ち、良い結果を期待します。楽観性は、自信を養い、自分自身を信じることを助け、自分自身をより良くするためのモチベーションを与えることができます。また、楽観的な人は、他人とのコミュニケーションを改善し、他人との信頼関係を築くことができます。

そして、楽観性の定義には3つの独立した研究分野があります。
1 非現実的楽観性
2 説明スタイル
3 特性的楽観性

順に定義をみていきましょう。

非現実的楽観性

ポジティブな出来事は自分に起こりやすく、ネガティブな出来事は自分に起こりにくいと認知する傾向のこと。自分だけは病気にならない、交通事故にも遭わない、宝くじに当たる、など根拠のないポジティブな認識のこと。

説明スタイル

セリグマンによる、自分自身に起きた出来事をどのように習慣的に説明するのか、というもの。以下の2種類が存在する。
①楽観的説明スタイル
自分に起こった悪い出来事に対して、外的(自分以外にその原因を求める)・一時的(その原因は一時的なもので、長くは続かないと考える)・特殊的(その原因を特殊的な理由に求める)に捉えるもの。

②悲観的説明スタイル
失敗の原因を内的(自分にその原因を求める)・永続的(その原因がいつまでも続くと考える)・普遍的(その原因を普遍的な理由に求める)なものに帰属すると考えるもの。

特性的楽観性

ポジティブな結果(成功)を期待する傾向楽観性を比較的安定した特性として捉えている点が非現実的楽観性とは異なる。将来のことすべてのことを一般化して、将来に対してうまくいくと考えること。

楽観性の高い人の特徴

変えることのできるものを変える勇気

楽観性の高い人は、ストレスフルな状況に対して、問題焦点型コーピング(対処方略)を用いやすいこと、とくに状況が統制不可であると認知した場合にそうであることや、問題をポジティブに再解釈しやすい傾向が示されています。

事実は事実としてとらえるけれども、決して悲観的にはならないように受け止め方を工夫したり捉えなおしたりすることが上手、ということですね。

仮に目標の達成について難しい現実に直面してもなお、その目標は達成可能であると期待するため、接近型コーピング(問題を解決しようとする前向きな姿勢やアプローチ)によって目標に積極的に関与し、努力をするので結果として目標の達成につながりやすいとされています。

変えられないものについて、それを受け入れる心の平穏さ

セガストロームの研究によると、楽観性の高い人はよりポジティブな言葉に、悲観性の高い人はネガティブな言葉に、より注意を払っていることがわかりました。悲観性の高い人は、ネガティブなことに固執しすぎて、そこから離れられなくなってしまい、過去の失敗などを必要以上に引きずり、前進できなくなっていくというものです。

楽観性の高い人はネガティブで驚異的な情報にも目を向けていますが、それらを回避するのではなく、そのまま認知し、受容することもできると考えられています。

変えられるものと、変えられないものとを識別する力

上記のように楽観性の高い人が適応的である理由は、状況に応じて、目標への関与を使い分けている点にあることがわかりました。最も重要な目標に時間と労力を注ぎ、他の目標に対しては適度に取り組むことが必要とされます。楽観性の高い人は、文脈に応じて認知処理や行動を調節することができる柔軟性に優れており、効率的に目標を追求することができるといえます。

楽観性を養うために

楽観性を養うためには、自分自身に対してポジティブな言葉を使うことが重要です。また、自分自身を肯定し、自分自身を信じることも重要です。また、他人とのコミュニケーションを改善するために、他人を尊重し、話し合いを楽しむことも重要です。

楽観性を失う原因として、ストレスや不安などの心理的な要因が挙げられます。また、自分自身や他人、状況などに対して、悪い結果を期待するような考え方を持つことも楽観性を失う原因となります。

楽観性を保つためには、自分自身に対してポジティブな言葉を使うことが重要です。また、自分自身を肯定し、自分自身を信じることも重要です。また、他人とのコミュニケーションを改善するために、他人を尊重し、話し合いを楽しむことも重要です。

楽観性は精神的・身体的健康と結びついていることが多くの研究で示されており、他の心理特性と比較しても、可鍛性が高い(頑張れば伸ばせる!)ことから育成していくべきものと捉えられています。

①毎日5分間「こうなりたい」と願う×2週間

②人生におけるポジティブな経験を思い出す

③自身を目標達成が可能で価値あるものとみなす

④大人の言葉かけを楽観的な説明スタイルに変更する

上記のエクササイズにより、よりよい自己の想像やポジティブな経験、言葉かけなどが楽観性を伸ばすという研究結果が出ています。そして徐々に適応や精神的・身体的健康にポジティブな効果を生み出していくことがわかっています。Jaycot et al.(1994)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今回扱った「楽観性」は、自信を養い、自分自身を信じることを助け、自分自身をより良くするためのモチベーションを与えることができます。楽観性を保つためには、自分自身に対してポジティブな言葉を使うこと、自分自身を肯定し、他人を尊重し、話し合いを楽しむことなどが重要です。楽観性を養うことで、自分自身をより良くすることができ、他人とのコミュニケーションを改善し、他人との信頼関係を築くことができます。

日頃から自分にも、自分と関わる他者に対しても、ポジティブに変換して関わろうとすることが、楽観性向上への第一歩のような気がしてきました。

Supportiaでの学びは、こうした非認知能力に関する最新の知見をもとに、教育の責任者と環境設計責任者とが議論を重ねながら学びの環境を整えています。体験へのご参加も随時受け付けておりますので、お待ちしています。下記フォームからご参加いただくことができます。

https://docs.google.com/forms/d/1_qHGcyQbvZ0dWVjZn7xSClh9egprun34p5J8mTHOCPk/edit

体験は、日曜日と水曜日の17時~18時20分です。随時参加可能です。対象は中学校3年生までです。保護者の方も一緒に参加してみたいというご要望も大歓迎です。ご参加をお待ちしています。