前回からの続き。
今回は最も美しい英単語に多くの人が選ぶ Serendipity という言葉の由来について。
この言葉は外国のおとぎ話由来。
お話を知っていると、この変則的な綴りの単語を忘れたりしなくなります。
英単語はエピソードに絡めて覚えるのが一番です。
ペルシア経由のセイロンが舞台の物語
もともとはペルシャ (現在のイラン) のおとぎ話。
お話の中のセレンディプはセイロン、つまり現代のスリランカのことだそうです。
つまり、遠い島国スリランカのお話が遥々とイランにまで言い伝えられて、それが十八世紀になって英訳されて英単語にまでなったのです。
童話「セレンディップの三人の王子」
ラクダの謎を解き明かした王子たちの受けた思いがけない幸運。
悪戯でラクダ乗りを揶揄って、死刑にされそうになり、死刑判決は幸運にも取り消されて、それが皇帝に認められるきっかけになったことが Serenpidity。
Serendipの王子たちの故事なので、serendipityという美しい英語の言葉が生まれたのでした。
Serendipityという言葉の覚え方
1557年にペルシア語からイタリア語に「Peregrinaggio di tre giovani figliuoli del re di Serendippo」として訳されてヨーロッパに最初に紹介されたのが物語が知られるようになったのが始まりでした。
のちにイギリスの小説家ホレス・ウォルポール Horace Walpole が彼の小説にこの物語を引用して、それ以来英語圏で知られるようになったのでした。
1754年のことなのだとか。モーツァルトが生まれる二年前、そんな時代です。
ですので、この言葉は外国語由来。この物語の原型はインドにもあるそうなので、それが中東にまで伝わったのでしょう。
異国の地名である Serandity は英語的な名前ではありません。
物語を読むまではこの英単語、よく勘違いしました。
という理屈を知らなかったので、セレンピディテイ?Serenpidity????と、pとdをこんがらせて、どっちだったのだろうかと思い出すたびに迷い、なんとも覚えにくかったのでした。
-dity という語尾の方が本当は英語的。
ですが英語語彙の大半はギリシア語やラテン語由来。
それを英語風に読み替えて美しく響くならば、やはり英語的に美しい言葉となるのですね。
この場合はイタリア語経由のペルシア語がイタリア風にSerendippoとなり、それが英語化してSerendipとなり、Serendipityとなったのでした。
形容詞は
外来語も自国語読みすれば美しい?
この文脈で、英語化した日本語単語のカラオケも、
カタカナで「ケリオゥキィ」も美しい言葉なのかも。
Rも入ってるし笑。
アメリカ英語では/k`ærəóʊki/で「キャラオゥキ」。
いずれの発音でも、アクセントのあるオゥの部分が二重母音なのが大事です。オーは英語では別の音なのですから。
だから英語をカタカナ読みした、原語の英語の音からかけ離れた和製英語にも、もしかしたら日本語として美しい言葉もあるのかもしれません。
日本語の詩に取り込んでも美しいカタカナ語にはどんなものがあるのでしょうか。
参考文献: