マガジンのカバー画像

アニメになった児童文学から見えてくる世界

29
1975年から2009年まで (1997年から2007年まで中断) 放映されたアニメ世界名作劇場シリーズなどの作品をめぐる考察。
運営しているクリエイター

#世界史がすき

アニメになった児童文学から見えてくる世界<17>:文明力の変化、技術的革新の歴史

アニメになった児童文学から見えてくる世界<17>:文明力の変化、技術的革新の歴史

またアニメ世界名作劇場ですが、全部で26作もあるシリーズ、半分以上は見たのですが、いまだ見たことのない有名な作品もいくつかあります。

今回見ることにしたのは、1996年に地上波のアニメとして放映されて、デジタル放送がテレビの世界を席巻しようとしていた頃、世界名作劇場の人気は低迷して、シリーズとしては唯一の打ち切り作品となった「名犬ラッシー」です。

映画やテレビドラマで既によく知られていた人気作

もっとみる
アニメになった児童文学から見えてくる世界<2>:働かされる子供たち

アニメになった児童文学から見えてくる世界<2>:働かされる子供たち

十九世紀から二十世紀までの児童文学に顕著なのは、働く子供たちの存在。

先日紹介したエクトル・マロ原作「家なき娘」をアニメ化した「ペリーヌ物語」には、当然ながらたくさんの働く子供たちが登場しました。

旅中で出会う子供たちは誰もが働いていて、学校などには通ってはいません。十九世紀後半のヨーロッパの有様です。十三歳のペリーヌが辿り着いた工場のあるマロクール村の女工たちもペリーヌと同世代の少女たち。

もっとみる
アニメになった児童文学から見えてくる世界<1>: ペリーヌ物語

アニメになった児童文学から見えてくる世界<1>: ペリーヌ物語

新型コロナウイルス感染症のために、このところ隔離生活を続けているのですが、貴重な時間を無駄にしないために、普段はあまり見ることのない懐かしいアニメをYouTubeで見つけました。

わたしは昭和の終わりの生まれなのですが、子供の頃に大好きだったアニメシリーズがありました。スポンサーの会社が何度か変わり、おかげでシリーズ全体の名前も統一されてはいないのですが、総称として、世界の児童文学を一年ほどの時

もっとみる