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アニメになった児童文学から見えてくる世界

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1975年から2009年まで (1997年から2007年まで中断) 放映されたアニメ世界名作劇場シリーズなどの作品をめぐる考察。
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#児童労働

アニメになった児童文学から見えてくる世界<3>:児童虐待が虐待ではなかった時代

アニメになった児童文学から見えてくる世界<3>:児童虐待が虐待ではなかった時代

1975年より毎年テレビ地上波で放映され1990年代後半には視聴率低迷に苦しんでいた「世界名作劇場」は1997年の「家なき子レミ」を最終作として終了。

しかしながら10年間の空白期間を経て2007年には「世界名作劇場」は二十一世紀らしいデジタルアニメとして復活。

満を期して登場した二十一世紀の第一作目は、十九世紀フランス・ロマン派最高の詩人である大文豪ユーゴーの畢生の大作「レ・ミゼラブル=惨め

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アニメになった児童文学から見えてくる世界<2>:働かされる子供たち

アニメになった児童文学から見えてくる世界<2>:働かされる子供たち

十九世紀から二十世紀までの児童文学に顕著なのは、働く子供たちの存在。

先日紹介したエクトル・マロ原作「家なき娘」をアニメ化した「ペリーヌ物語」には、当然ながらたくさんの働く子供たちが登場しました。

旅中で出会う子供たちは誰もが働いていて、学校などには通ってはいません。十九世紀後半のヨーロッパの有様です。十三歳のペリーヌが辿り着いた工場のあるマロクール村の女工たちもペリーヌと同世代の少女たち。

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