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5種類のスポーツファンとは

「スポーツに関わる“常識破り”の価値を広めて、常識にする」を胸に、仕事をしています。

この「スポーツPR ミニミニ講義の実況中継」は
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「前例がない」「できるわけがない」「それはきれいごとだ」
などの声に負けずに挑戦している方に、ヒントになる考え方を伝えること
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を目的として、週に2,3本のペースで更新する

・スポーツ関連事業を行っている企業・組織で働く方
・スポーツ関連ビジネスの個人事業主
・現役アスリート、元アスリート

向けの短い講義です。
スポーツとは関係のない広報担当者から「スキ」をもらうこともあります。

なぜ、スポーツに関わる“常識破り”の価値を広めて、常識にしたいのか。

私はスポーツ記者を13年、その後、PR業に立場を変えて8年と、伝える仕事を20年以上続けています。その中で、言語化や仕組みづくりを進め、組織や個人が大切にしている理念が広まれば、“常識的にはありえない”ことも実現する場に立ち会ってきたからです。

例えば、私がかつて広報担当を務めた日本ブラインドサッカー協会は、前例のないスポンサーシップを行ったり、競技の価値を活かした教育プログラムや企業研修を開発し、言語化と仕組みづくりで、それらの価値が広まって、何万人もの人の心を動かすものとなりました。

この連載は、忙しいあなたが、3分以内で手軽に読んで変われるよう、ギュッと凝縮しています。価格以上の大きな効果につながる内容にしています。
移動中に読んでもいいですし、定期的な学びの時間として使って頂いてもいいです。あなたに合うスタイルでお楽しみください。

今回のテーマは「5種類のスポーツファンとは」です。


スポーツに関わる広報に携わる時に、スポーツファンの存在は大きく仕事に関わってきます。チームや競技団体の広報に携わる場合は、最も重要なステークホルダーの一つと言えるかもしれません。

スポーツファンは5つに分類できることが、学術的な論文で発表されています。

今回の内容は1999年に発表された論文
A conceptual approach to classifying sports fans
Kenneth A. Hunt , Terry Bristol , R. Edward Bashaw ,Journal of Services Marketing

及び

2018年3月に行われた日本マーケティング学会スポーツマーケティング研究会共催セミナーでの吉田政幸・法政大学准教授の発表に参考にしています。


まず、スポーツファンを大きく二つに分けると、環境的要因の影響を受けるか否かがあります。平易な言葉ですと、ライトなファンが、「環境的要因の影響を受けるファン」。そして、「環境的要因の影響をあまり受けないファン」とは、コアなファンと一般的には言われている人たちです。

「環境的要因の影響を受けるファン」は、2種類あります。

1.「一時的なファン」
論文の定義では、特定のイベントや出来事と自己を気軽に結び付け、成功の余韻に浸ったり、自分の印象を高めようとする人。成功に浸ったり、逆に負けると距離を置く特徴があります。テクノロジーの影響も受けやすいです。

2.「地元ファン」
特定の地域、例えば、プロスポーツチームのホームタウンなどとの結びつきを理由に、スポーツ関連の対象に対して愛着を感じる人。従って、自分が引っ越したり、チームが移転してしまうと、応援はしなくなります。


他方、「環境的要因の影響をあまり受けないファン」は3種類あります。

3.「献身的ファン」
スポーツ関連の対象が持っている特性を自己概念の中に取り入れ、強い心理的愛着を形成するもの。例えば、出身地や出身の高校・大学などです。勝敗に関わらず、支援的に関わることが特徴的です。わりと、おとなしいファンとも言えるかもしれません。

4.「熱狂的ファン」
スポーツ関連の対象に対して心理的愛着を形成するのは、「献身的ファン」と同じです。しかし、特徴としては、いかにもファンらしい行動を取ることです。例えば、会場で応援する、応援の振り付けを見せる、グッズを着用する、フェイスペイントを行うなどです。

5.「攻撃的ファン」
スポーツ関連の対象への愛着を、ファンらしい行動ではなく、反社会的行動によって表現する人です。分かりやすい例としては、いわゆるフーリガンがあります。


研究者が膨大な時間と労力を投じて分類してくれたものを、活かさない手はありません。それぞれのファンが求めているものには、違いがあります。ファンを喜ばせる企画を考える時に役に立つに違いありません。

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