広報やPRの本当の意味は?
広告の話は前回で終わり、ここからは広報PRの話に入ってきます。
私も、様々な団体や企業で広報をされているという方に会ったりしますが、肩書きやスキルとは別に、広報そのものへの理解というのは、かなりばらつきがあると実感しています。最近わりと見かけるのは、ホームページやSNSへの投稿しかやっていないのに、広報担当だと名乗っている人です。中には、配置換えでなったばかりという方もいますので、仕方ないのですが。
これから広報PRの話をして行く前に、そのあたりの認識のズレを解消していきます。もっと奥が深くて、もっと幅の広い広報PRを感じてもらえたらな、と思います。
まず、スポーツビジネスにおいて、広報PRの価値というのを、決して低く見てはいけません。世論が影響するような取り組みをしている時には、特に重要です。例えば、プロスポーツチームがスタジアムの建設を希望している時には、地元住民の賛同が得られなければ、建てる土地も見つけられないかもしれませんし、自治体の協力も得られないでしょう。
この具体例から抽象度を上げて言語化すると、自分たちの組織が世の中にどのように思われるのかをマネジメントすることが広報PRです。広報担当者の仕事ということになります。オンライン上に投稿するのは、その一部分で、一つの方法に過ぎません。
漢字で書く広報のように広く伝えることも大事ですが、たくさんの人に伝われば、それでいいわけではありません。英語で言うパブリックリレーションズ、大衆との関係づくりも仕事です。
世の中にどのように思われるのかをマネジメントすると言いましたが、もう少し具体的に言うと、スポーツ組織とそれを取り囲む関係者の間の情報の流れをマネジメントしている。また、社員など組織の内側に対しても、情報の流れをマネジメントしている。そして結果として、お互いが恵まれるような関係を構築していくことになります。そのためには、一方的に発信するのではなく、相手の声に耳を傾けたり、メッセージを交わしていくことが非常に大事です。
日本パブリックリレーションズ協会のホームページでは、アメリカの教科書での定義として以下の文を紹介しています。
「パブリックリレーションズとは、組織体とその存続を左右するパブリックとの間に、相互に利益をもたらす関係性を構築し、維持するマネジメント機能である。」
「相互に利益をもらたす関係性」「構築し、維持する」がポイントです。
皆さんがぱっと頭に思い浮かべるSNSも、よく見ると情報を発信するだけではなく、コメントが返ってきたりと、双方向のコミュニケーションになっていますよね。それを通じて、情報の流れをマネジメントするわけです。
また、詳しくは次回以降で触れますが、いわゆる情報発信だけでなく、直接人と接することも広報PRですし、イメージが悪くなることを防ぐ危機管理も広報PRの範疇です。
今回は抽象的な内容で、ちょっと難しい話もあったかもしれません。しかし、少なくとも広報PRというのは一方的に知らせるものではなく、双方向の矢印があるような関係であるということを覚えておいてください。
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