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環境とともに育つ


デアリングタクト。今年、無敗で牝馬3冠を達成した競走馬。その育成方法が興味深い内容でした。

生まれたのは、北海道日高の長谷川牧場という小さな牧場。
「愛情をかければ、馬が恩返ししてくれる」
牧場はその信念のもと、母馬を落ち着かせるために1日中ジャズを流したり、牛や羊と一緒に育てたりと、少し変わった方法でこの親子に接しました。

そして1歳になり、セリ市へ。1頭1億円以上で取引されることも多い中、1200万円という破格の安値で取引されます。血統や馬体の大きさでは評価されませんでしが、その ”伸び伸びとした馬体” に惚れ込んだ目利きによって見出されます。

育成は北海道襟裳の牧場。寒風吹きすさぶ広大な牧場で、20時間以上の昼夜放牧。これは最新の育成トレーニング方とは真逆のやり方なのだそうです。夜間にも飛び跳ねて成長しようとする馬の特性を生かし、馬体は丈夫になりグングンと成長します。またクマやシカも出る、馬にとっては厳しい環境。そこで長く過ごすことで、強い精神力を身につけたそうです。


”伸び伸び” ”自由に動き回れる” ”厳しい環境” 。競走馬の世界も、人間の世界も、そしてどの世界の話を聞いても、いつもこういうキーワードに出会います。私たちは環境によって如何様にも変化します。


そして、こういうことを言う時はいつも

 ”コーチは子供がいないから、そんなことが言えるんですよ”

そう言われた光景が脳裏をよぎります。まあ、こっちはいつも言うだけで、実際に子供たちと向き合っている方にとってはね。綺麗事。絵に描いた餅。そう思いながらも、今日もせっせと絵に書いた餅をこしらえる。そんな自分に、多少もやっとしながらも。


先日のジャパンカップでは惜しくも3着。デアリングタクトがこの後どういう成長をしていくのか。そんな興味が湧いてきた11月最後の日曜日でした。



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