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旅するように。 -NYが舞台の作品とともに-


旅が、できない。特に海外へは。

「今年こそ海外旅行がしたい」と思っていた2020年。その矢先に世界規模のパンデミックが起こってしまった。いまだ収束の気配がないので、この先数年は諦めなければならないだろう。

しかし、海外への憧れは日々悶々と募るばかりである。
旅行会社のインスタアカウントをいくつかフォローしたり、YouTubeで配信されているロンドンの散歩動画を眺めたり、ワーキングホリデーのサイトや旅本を無意味に見てしまったりする。「できない」と言われると逆に欲が出てきてしまうのはなぜだろう。


そんな私の「旅行欲」を、今日観た映画が少し癒してくれた。ソフィア・コッポラ監督・脚本作品『オン・ザ・ロック』だ。これも含め、最近はニューヨークを舞台にしたすてきな作品にいくつか出会っている。いずれもそこに旅した気分が味わえるので、同じように悶々としている人に勧めたい。


『オン・ザ・ロック』

「夫に浮気されているかもしれない」。そう疑いはじめた主人公・ローラは、男女問題に精通している“稀代のプレイボーイ”で実父のフェリックスに相談を持ちかける。父は娘へ調査を促し、ふたりで夜のニューヨークへと繰り出す。

車で一緒に走っているように感じられるシーンや、ニューヨークの街並みのカットが随所に散りばめられていて、それらを観るだけで胸が躍る。「夫の浮気の有無」にはきりきりと胃が掴まれる思いだが(笑)、美しい景色を堪能できる作品だ。


『ダッシュ&リリー』

世間はクリスマス一色。浮かれた雰囲気が大嫌いなダッシュは、寄り道したお気に入りの本屋で赤いノートを見つける。中を開けると、それは見知らぬ女の子からの挑戦状だった。互いの姿を明かさないまま、交換ノートで交流を深めていくふたりの、甘酸っぱい青春ラブコメディ。

雪景色やイルミネーション、巨大なツリーなど、クリスマスシーズンのニューヨークを味わうには最高の作品! 個人的に好きなのは、装飾された百貨店の中をダッシュが駆け回るシーン(笑) クリスマスを超ナナメに見ていたくせに、だんだんたのしくなってっちゃうダッシュがかわいい。リリー役のミドリ・フランシス(Soooo Cute)を含め、彼女の家族もみんな日系の俳優さんが演じていて、親近感も抜群。


『都市を歩くように -フラン・レボウィッツの視点-』

ニューヨーク在住の作家、フラン・レボウィッツ。ユーモアたっぷりの毒舌をふるいながら、街を歩き魅力に迫るNetflixオリジナルドキュメンタリー。

こちらはまだ視聴中。2話目までしか観ていないけれどめちゃくちゃおもしろい! 派手な演出は一切なく、ただ街を練り歩いたり、昔の思い出を振り返ったりしながらニューヨークについて語っているだけ。なのにぐんぐん引き込まれる。フラン・レボウィッツの皮肉とユーモアが心底おもしろいのだ。彼女のことを知らなくても(私も知らなかった)、そのキャラクターにはすぐ魅了されるはず。もちろん、ニューヨークという街にも。


あぁ、いつかロケ地巡りなんかできたらいいなぁ。
何年後になるかなぁ。


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