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成長するために、まず仕事を任される人になる

8/27のキャリアセミナーのゲストはUnipos株式会社代表取締役社長の斉藤知明さんです。活躍したい!成長したい!と言う若手は多いですが、実際に大切なのは上司に仕事を任せてもらえるかどうか。「どういう若手に仕事を任せたいか」という目線を持つことが重要だと語る斉藤さんがセミナーで教えてくださった「任される人の共通点」「任される組織の条件」「入るべき組織の見極め方」、そして効率的な議事録の取り方を内容をまとめました。

任される人の共通点

・目的を会社を主語にして理解している
・自主的に課題を発見し、解決の仮説を立てられる人

①オーダーへの返し方は「はい、わかりました!」ではなく、要約返し

「はい」と言われると本当に理解しているのかと上司は不安になるため、自分の言葉で要約して質問の形をとるのがいいそうです。

実際にその認識があっていれば上司は内容を理解している部下に安心して仕事を任せられますし、間違っていたとしてもその部分を訂正することができます。部下も間違った認識のまま仕事を進めずに済むので双方にとって好都合ですよね。

②会議では積極的に発言するのではなく議事録を取って場をマネージメント

会議では「偉い人」がファシリテーターを務めるため、それ以外の人は自分のパートしか理解できないという状況に陥りがちです。しかし、上司からすると事業の一部しか理解できていない人に仕事を任せたいとは思いません。そこでおすすめなのが、議事録を取ることだと斉藤さんは言います。

理解している内容を自分なりにまとめながら書き出していく中で、もし間違っていたらファシリテーターが訂正してくれます。だからこそ、下っ端であればあるほど議事録をとるべきなのです。また、自分が誤解して記入してしまうということは他の人も間違えている可能性があるため、チームにとってもプラスです。さらに、「構造的に物事を理解している人」と認識してもらうことが出来ます。

(議事録の取り方、詳しくは後述)

③上司の指示を仰ぐのではなく「チームを主語にした課題を自分から持ち込む

新しい課題に取り組むときに上司に何をやればいいか聞くのではなく、自分で課題を発見して上司に提案することで「任される人」に近づくことができるそうです。

そこで役に立つのが議事録を取ること。会議の議事録を取るうちに課題や残論点、自分のチームや事業が抱えている問題を理解できるはずです。つまり、自分の仕事の一つ上の視座を持つということです。自分の仕事をこなしながら時間が空いた時に上司にチームを主語にした課題を持ち込むことで、仕事を任される人(目的を会社を主語にして理解している/ 自主的に課題を発見し、解決の仮説を立てられる人)になれます。

議事録は「やらされてる」「ただのタスクだ」と受け取るべきではないです。むしろ、「任される人」になるために必要な要素が詰まっています。以上の3点を実践することで「会社のことを自分ごと化できているな」と認識してもらうことができるはずです。


任される組織の共通点

【任される組織の条件】
重要なのは…
その事業/ 領域は今後伸びるのか?=チャンスが生まれてくる可能性が高い
その事業/ 組織の掲げる目標に共感できるか?=生まれてくるチャンスに情熱を持てる可能性が高い
好きな事業から選ぶと選択肢を狭めてしまうのでもったいない。入り込んでいくと意外と楽しいこともある

成長していない企業は余裕がなく現状維持で精一杯なため、新規事業も取り組んでいる領域の周辺にしか広がりません。逆に伸びている領域だと色々なチャンスが生まれやすいです。

そして、事業を通して会社が掲げているビジョンに共感できるかも重要です。なぜなら、組織の掲げる目的や理想に共感できれば仕事が忙しくて辛く感じる時でも頑張れるからです。新しい事業も同じビジョンのもとで行われるため、いくらチャレンジできる環境にいて、チャンスがあったとしても情熱が持てずモチベーションが上がらないと自分自身の成長にもつながりません。

入るべき組織の見極め方

自律的な組織=共通目的と現場の意思がある
【自律的でない組織で起きる問題】
1. 会社運営、サービスに込められた思いを語れずに、他人事になってしまう
2. 多様な意思決定が求められるのに意思決定をリーターに任せ速度が落ちる
3. 分散して意思決定するが方向が揃わない

働き方改革やコロナ禍で自由な働き方に変わってきていますが、それによって生産性が下がってしまっては意味がありません。「管理」から「信頼」へ変えることが求められています。ガチガチに縛るのではなく、信頼をもとにした「自律的な組織」を目指す必要があると斉藤さんは言います。

では、自律的な組織に入るにはどうすればいいのでしょうか。

【先輩は自律的に働いているのかを見極めるための質問】

『先輩はこの会社で世の中をどうしていきたいですか?』

この質問をすれば、先輩たちが自律的に働いているのか、権限委譲がなされているのか、目的にワクワクできているのかを見極めることができます。

以下の3点を意識しながらこの質問をします。
・自分の言葉で語れているか?
・ワクワク話しているか?
・具体的かどうか?

それを聞いた上で、共感できるかどうかを考えその会社が自分に合っているのかを見極めましょう。

この質問は、相手と仲良くなってからしないと生意気と思われるかもしれませんが、例えば内定を3つもらって迷っているなら質問してみるべきです。

議事録の取り方

「一言一句同じに書かなくてはいけないと思ってしまいうまく議事録をとることができません。何を意識すればいいですか?」という質問が学生から上がりました。

それに対して斉藤さんの回答。

自分も初めの頃は全部書こうと思っていましたが、議事録は参加していなかった人に会議でどのような議論を辿ったのかを教えるのが目的ではありません。会議中は議論が右往左往しますが、その一本筋だけを書けばいいんです。書き足すのではなく書き換えていくイメージです。ホワイトボードだったら何回も書いては消してを繰り返します。会議の参加者には自分の意見をまとめるのが苦手なメンバーや、自分の中で話をまとめる前に発言するメンバーもいます。そんな時も、「こういうことを言いたいんだよね?」と言うスタンスで発言をまとめながら書くことを意識することで参加者の意見と齟齬がないかを確認しながら会議を進められます。

実際に斉藤さんは2時間ほどある会議の議事録でも1〜2ページほどに収まるそうです。どうすれば会議の一本筋だけが書かれた議事録を作成できるのでしょうか。

・前提(事実)
・議論内容
・議論内容に対する各位の意見
・合意事項
・残論点

斉藤さんは、この5点を書いてからその答えだけを書くイメージで議事録を取っているそうです。

「議事録をとることに必死になって自分の意見が言えなくなってしまいます。」と言う学生もいました。

その質問に対しての回答。

自分の意見を言うために議事録を取ると思った方がいいです。最初は慣れなくて大変かもしれませんが、議事録を書いているうちに論点のずれや議論に足りていない部分、前提条件がないことなどに気付けるようになるはずです。その気付きを含めて自分の意見を言うと「構造的に物事を理解している人」と認識してもらえます。


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