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番外編 奈良県のマグロ ※ごちそうさまグランプリ参加作品

自分のnoteにスキをつけてくれた人に「ごはん」さんと言う方がいて、ごはんさんのnoteを覗いてみると、何やら「ごちそうさまグランプリ」なる面白そうな企画をされているみたいだった。
そのテーマが何と「ベストオブごはん」(詳細はごはんさんのnoteをご覧ください)

好きな言葉が

「ごはん」
「宮崎あおい」
「大盛」

の自分としてはこれは参加せねばなるまい!と思ったので今回はごちそうさまグランプリエントリーnoteです。

自分のベストをさぁ今決めろ!と言われるとなかなか難しいなぁと思ったのだけれど、思い出に残ってるベストのご飯は何だろうと考えたら、すぐに出てきたのが

「奈良県にある菊水楼のマグロの刺身」

だった。

菊水楼のHPはこちら→ https://www.kikusuiro.com/

菊水楼というのは奈良県にある老舗の料亭で、ホームページによると明治二十四年創業、建物は登録有形文化財、すぐ近くには春日大社という「THE奈良」と言う感じの料亭。こういう所に着きがちな文章である「名士や文豪に愛されてきた…」という言葉がプレッシャーどころか羽織くらいに感じられそうなレベルの所なのです。

 当然高い。お高いです。普段のnoteを見ていただければお分かりいただけるのですが「タルタルソースはご飯にあう!」とか「牛丼の紅ショウガうまい!」とか「生姜焼きの下のキャベツ最高!」とか書いてる私には手が届かない世界の所なのです。

 ですがひょんなことから数年前、自分が主催して、そこでお食事会をすることになった。自分と妻と、その両家の親族を呼んで、まぁ結婚祝い的なあれである。
結婚祝いだからいいところで食べたい!他の所ケチってでも美味しいもの食べたい!ということや諸般の条件を考えて選ばれたのが菊水楼だったのである。ちなみに「披露宴」ではないのであしからず。
 で、そこで出てきたマグロの刺身。これが馬鹿みたいに美味かった。
 そしてそれをさらに決定的にさせたのが、祖父の存在である。

祖父は福岡県の人だ。

福岡県はご存知の通り海に面していて、

治安は多少問題あるけど魚が美味い!

ということでバランスを取っている県だと個人的には思っている(※個人的かつ実際に住んだ感想です)。
一方で奈良県はご存知内陸県。もっと言うと飲食費にかけるお金が日本でもトップレベルに少なく、少なくともグルメに適した県では多分ない。魚と言えばなおさらだ。実際に住んでみても、「まぁ魚は福岡で食べた方が上手いわな」となる。

そんな福岡県に80年以上住んでいる祖父が、このマグロをべた褒めしたのである。
「これはおいしいねぇ」
と言ってぺろりと食べていたばかりか、その一年後くらいに祖父の家に遊びに行ったら、その時のお品書きをまだ持っていて、その時も「あの時のマグロは美味しかったねぇ」とニコニコしながら言っていたのである。

祖父の名誉のために言えば、祖父は僕よりも遥かにきっちりとした職業(旧国鉄の駅長)とかだった人なので、マグロが滅多に食べられません!というような経済状況だった人ではない。そして古い福岡の男だからお世辞も言わない。
そりゃ、孫の結婚祝い効果も多少あったとはいえ、内陸である奈良県のマグロを食べてそこまでべた褒めするのは、それはこの菊水楼がすさまじくすさまじいマグロを用意してくれたからなのである。恐るべし菊水楼。すごいぜ菊水楼。

というわけで、自分の中で「ベストオブごはん」と言われたら、僕はこれを挙げたい。

ちなみにサービスもめっちゃよくて、そのほかのご飯もとてつもなくおいしかった。
数十年後に金婚式をできるとしたら、菊水楼のマグロを食べたい。

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